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なんでこのメンバーにしてしまったのだろうか…。
46:黒板
「さぁ」
こと、とチョークを置いてガルマドップは教室に集まった面々を、ぐるりと見渡した。
今、よく分からないがコロニーの中で擬人化騒動よりも不思議なことに、とあるメンバーが眠ったまま起きないという事態が起きている。別に自分としてはその事態に思うところがあるわけでもなく、決着が付こうと付くまいと関係はない。それでどうしてこのように対策室の長のような行動をしているかと言えば。
ひとえに、暇なのである。
暇で暇で仕方が無く、どうして暇なのかと思えばあっという間に答えが出た。シャアがいないのだった。彼がいたら普通にちょっかいをかけて遊べるのに。
だから、事態には興味がないけれども、ここにいる。
最低目標は全員の目を覚まさせること。
最高目標は、シャアとララァだけ起こすこと。
だってシャアには起きてもらわなければならないし、そうするとララァもだろうし、けれど他の面々が起きないのならば…その方が面白そうだし。もっとも、シャアとララァは行方不明だが。
そして、それを実行したいのなら、事の中心に近づけるだけ近づかなければならない。
ちなみにどうして集まっている場所が文化祭や体育祭で使った校舎なのかというと、まぁハッキリ言ってしまうと丁度良い大きさだったのである、ここが。黒板という状況整理に最適なアイテムもある。
そんな最適アイテムには今、眠ってしまった面々の名前がずらずらと書き記されていた。
「このメンバー全員に共通し、我々には当てはまらないことを思い返して欲しい。…あぁ、あとそれからシャアとララァとガンダムとアレックスとギャンの捜索は誰が行くんだ?見つかって見つからなくてもどうでも良いんだが…レオパルド、何か意見があるのか?」
「いや、意見って言うか」
律儀に挙手をした(多分雰囲気に合わせたのだろう。学校の教室という)レオパルドを指名すると、彼はどこか呆れた様子で口を開いた。
「…アンタ司会止めた方が良いと思う」
「何故かね?」
「いやだって一番むかないだろ」
「旧ザクじいさんに頼むべきじゃ」
「甘いな、F91」
「え?…まさか」
「いや、あの人は起きている組の人だ」
不安げになったF91の疑問に答えてやって、ただし、とガルマドップは付け加えるように言った。
「ギックリ腰で動けない」
「こんな有る意味ナイスタイミングでギックリ腰に!?」
「偶然転がっていた缶に足を取られたらしい」
「偶然って…にわかには信じられないんだけれど」
「そうか?…まぁ」
と、少しだけ視線を逸らしてポツリ、と。
「その缶を転がしたのは私なんだが」
「思いっ切り意図的じゃねーか!」
「そう怒鳴るな。大したことじゃない」
「た…大したこと過ぎます!とりあえず危ないです!」
「旧ザクじいさん年なんだから、もっと労れよ!」
「どうしてだ?」
「どうしてって…」
「あの人に遠慮は要らないだろう」
その言葉に。
レオパルドとF91の動きが一瞬だったが、確かに止まった。
そして。
二人は、ぎ、ぎ、ぎ、と音がせんばかりに顔を背けた。
あぁ、ようやく気付いたか。
旧ザクは、確かにギックリ腰を起こしたりなんだりする年寄りではある、が、それでも現役と隠居の間のラインを行ったり来たりする場所にいる相手である。今でも筋トレは欠かしていないようだし、つまり。
遠慮なんて、不要なのである。
しかし、この話題は全く意味のないものである。司会進行役として、とりあえず話の路線は戻すべきだろう。
「というわけなんだが、さてどうしようか」
「…別にどうしようもねーな」
「他のみんなも同じみたいだし…ここに集まってない人も、多分同じじゃ」
「ちっ…使えない」
「…おーい、本音出てる本音」
自分で謎です。どうしてこのメンバー…?