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RPG編で風邪と言ったらやっぱり、という。
48:風邪薬
そして。
困ったことにと言うべきか。
「…また風邪引いたんだ?」
「…うー」
「何でだろうねぇ…ま、それはともかくとして、サンダーガンダム、ガンダムさんに伝えてきてくんない?」
「ったく…しゃーねーな」
そう言いながらも結構急いでて言ったサンダーガンダムに苦笑を浮かべながら、ベッドで寝ているたんくに体温計を差し出す。
まぁ、こんなことをしてもしなくても、何がどうなっているのかは何でか分かっているのだが。しかし本当に何でだろう。死神だからだろうか。
「さ、何度か測って」
「これで…たかかったらどうするの?」
恐る恐るそれを受け取るたんくに、ニコリと笑って。
「一日中療養」
「え」
「そりゃ当然だろ?軽かろうと風邪なら一日は休まないとな。それに、今は人間状態だし、それで、もしかしなくても体とか脆くなってるだろうし。風邪に関係有るかは謎だけど、一応そうなることは十中八九間違いナシだと思う」
「ず…ずるい!」
「ん?どーゆーコト?」
「だって、みんなそとにあそびにいくんでしょ!」
たんくはそう叫んだ後、布団に潜ってしまった。
つまり、拗ねてしまったわけであって。
どうしようかと、ベッドの傍に置いてあった椅子に座っていたデスサイズは、隣に立っていたウイングを見上げた。が、直ぐにふいと顔を逸らされてしまった。そんなの知るわけがないだろうと言わんばかりの表情。全く以てその通りだが。
何と言っても完全に納得はしないだろうなぁと思いつつ、デスサイズはたんくの頭を撫でながら口を開いた。
「じゃあ、オレも付き合うからそれで良しにしてくんない?」
「…いいの?」
「そりゃ、一人くらいは看病係いるだろ?あ、ウイングは行って良いからな、外」
付け加えるようにウイングにそう言うと、彼はどこか呆れたような表情を浮かべた。
「デスサイズ、お前はこの状況でそう言われて行けるほど、オレは何も考えないようなヤツに見えるのか?」
「あー、や…そうじゃなくって、部屋にいても暇だろ?」
…まぁ、考えてみれば、ちょっと行きづらい話の振り方をしてしまったような気はするのだけれど。そこは申し訳ないと思うが、そこまで含みを持たせたつもりはない。そして、それはウイングも知っているだろうに。
と。ふと彼の顔を改めて見直すと、どこか笑いを堪えているような気配が見えたので、とりあえず脛の辺りを蹴りつけておいた。半分ぐらいは本気だったのだろうが、半分くらいでは人をからかった罰である。
案外上手く入ってしまったのか、隣で足を抱えるようにうずくまってしまった白いのは放っておいて、音が鳴った体温計を受け取り、眉をしかめた。
「うわ…本格的に風邪だし」
「…そとは」
「ダメ。何が何でも今日はダメ」
「いきたい!いきたいのにー!」
「文句言うなって。付き合うから。あとそうだな…あまり聞き分けのない子には、」
「デスサイズ!たんくが風邪引いたって本当!?」
脅しの言葉を遮るように勢いよく入ってきた声に、デスサイズはくるりと振り向いて頷いた。来たのは、やはりと言うべきでガンダム。アレックスも、サンダーガンダムも一緒である。
「本当ですよー。ほら、こんな感じ」
「風邪薬あげれば治るでしょうか…?」
「いや…このパターンだと何か伝説の秘薬とかゲットしないといけないんじゃ…」
「ご名答、と言うべきか」
何とか痛みから回復したらしいウイングが、涙目ながらも先ほどサンダーガンダムを送り出す前に見ていた薬の本である。
「この、」
そう言って、サンダーガンダムが一つの薬の写真を指さした。
「この薬じゃないと効かないらしいぜ」
「へぇ…で、どこにあるの?これ?」
「簡単に手に入ると思うけど」
す、と人差し指で窓の外の方を指して、言う。
「何か、コロシアムで勝ち抜いて優勝したら貰える薬が要るらしいです」
お約束です、お約束。