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γさんと、実は初めて書いたかも知れないこの人。
067:不思議な感じ
白い制服。
それを見た瞬間によぎった感情が果たして何なのか、考える必要もなかった。
「オイ」
「あ…はい…何でしょうか」
呼び止められて振り向いたのは、まだ少年とも言えそうな顔立ちの相手。あまり害がありそうな人間には見えないが、その白の制服を纏っている時点で油断ならない相手であることは分かり切った事実。
γは相手を見下ろした。背の高さから自然とそうなったのである。
「どうしてホワイトスペルの人間がここにいるんだ?」
「迷子になってしまって」
「迷子?」
「この基地、やけに広いもので」
道を覚えるのが大変そうです。
そう続ける彼の、様子に嘘を吐いているような色はない。ということは…本当なのか、迷子というのは。
ホワイトスペルがこちらの行動を探りに来たのかとも一瞬思ったのだが、それはもしかしたら杞憂だったのかもしれない。最も、こんな世界だし関係性なので、断定することも出来ないのだが。
まぁ、良いかと今回は杞憂だったのだと思うことにして、彼の方を見やる。
「そういや見ねぇ顔だが、どこの誰だ?」
「あ、僕は白蘭様の伝令係に新しく着任した者です」
「そうかい。…どうしてまたこんな場所に」
「主君に忠誠を誓っているから」
何でもないように紡がれる声。
しかしγはさら、と告げる彼の言葉に、どこか引っかかりを覚えた。
一体、何が…。
そんな困惑をこちらが抱いているとも知らないだろう彼は、ぺこりと頭を下げ、まるで霧のようにあっという間に姿を消した。
そんな感じの邂逅です。不思議どころじゃなくて訝しいやコレ。
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