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この人たちの話ももっと書きたいかも知れない。
066:流れ
この流れは、どうしても変わらないだろう。
窓から外の明るい風景を見ていても、ユニの心は全く晴れなかった。
それもそのはず、だろう。自分の属している世界においての、自分たちの立ち位置が変わってきている。しかも、一つのマフィアによって、悪い方向へと変えられているのだ。
何とかしなくては、と思う。
けれど、流れに逆らえないことも分かる。
どうしたら、最善なのか。
憂鬱な思いでため息を吐いていると、ふと、背後の床がきしむ音がした。
「姫、そんなところで何やってんだ?」
「γ…いえ、少し外を」
「なら出てみればいい。散歩するには丁度良い時間だ」
「いいえ、そこまでしなくても…」
「歩きながらの方が、考えがまとまるかもしれない」
「…!?どうしてそれを!?」
悩んでいるという事は、誰にも知らせていないはずだ。
なのに…と愕然としていると、苦笑を浮かべてγが口を開いた。
「結構分かりやすいぜ?顔にモロで出てる」
「あ……」
「何か本当に困ってるなら相談に乗るぜ」
どうだ?と言われて、ユニは微笑みながら首を振った。
「まだ、その時ではないから」
「…ダメだと思ったら直ぐに言えよ」
「分かってるわ、γ」
頷きながらも、思う。
流れは変えられない。
流れに逆らっても何も残らない。
そんな中で、一体どうしたら大切な仲間たちを傷つけずに済むのだろう。
そんな方法が、あるのだろうか。
ユニは良い子だから、本当に悩んでたと思うんだ…。
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