式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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久しい更新ですが。
終わりが見えないなこれ…。
「MSに乗った親善大使なんて、聞いたこともないんだけれど、ね」
「そう言うな」
辿り着いた宇宙基地で。
トールギスを出迎えたのは、サンドロックだった。
確か本体は壊れてしまったはずの彼は精神体のまま、人の姿のままひらりと手を振ってこちらにやってきたのである。
そのまま、ゼクスの後ろを付いていく自分の隣に収まる。
「そう言うな…って、じゃあどう言えば良いのかな」
「ミリアルド・ピースクラフトは親善大使で、MSに乗っているのはゼクス・マーキスだと考えればいい」
「それ無茶」
「無茶だろうと考えろ。こうとしか私には言えないからな」
「…うん、まぁ納得くらいは出来るかな」
「あぁ、そのくらいのノリで構わない」
「ノリって…」
何か違わない?という表情をされて、軽く肩をすくめる。実際に彼が言った通りで、自分が言った通りだから、この点はそれ程言い換えることも出来ないのである。少なくとも自分はそう認識している。
「…そういえば、どうしてお前がここにいる?」
「五人のお爺ちゃんたちと一緒にいてね、暇だったからコッソリ抜けてきた」
「心配は…しない、か」
「だよね。だってあの人たちだからね」
「そうだな…あの人たちだからな」
その一言だけで説明できる自分たちの生みの親を思い、トールギスはひっそりと息を吐いた。彼らは、もう少し他人に対する思いやりというか、他人に対する興味を持って欲しい物だと、常々思っているのだが。
多分無理だろうなと、ガンダムを嬉々としてして作ろうとしていたその様子を思いだし、苦笑いを浮かべる。今も昔も彼らは変わらないらしい。
そのうちにでも会いに行ければ良いだろうかと良いだろうかと思いながら、曲がり角を曲がる。
「そう言うトールギスはどうしてここにいるの…っていってもね、この場に存在している根本的理由は分かってるけどさ」
「コロニーの中を見て回らない事に関してか」
「そうそれ」
気にならない?と問われ、さて、と答えた。
興味がないわけではないが、だからといってわざわざ見に行くほどの興味を持っているわけでもない。多少なりとも市民の生活を知っていれば、今後、いくらかは違うのかもしれないがそれはそれということだ。
が、それを言うととにかく、それでも行くべきだ、等と反論されそうだったので会話を変えることにする。
「他のは元気か?」
「…よく分からないけれど。何人か、満身創痍みたい」
「そうか」
その言葉に最初に浮かんだのは、鎌を振るう彼の仲間だった。
彼の本体は破壊されたのだ、新型の機体に。しかも乗っていたのがヘビーアームズのパイロットであるというから救えない。今でも、どちらにも後味の悪さしか残さない行為だったと思う、あれは。
あれ以来、彼はどうしているだろう。
傷ついているのか。
落ち込んでいるのか。
…他のメンバーも心配だが、まずは彼だ。彼が一番直接的に人々からの悪意を受けてしまっている。彼のパイロットが、捕まっていたが故に。今はそうでもないようだから、少しでも回復してくれればいいと思うのだが。
とりあえず現在情報によると、彼以外でとても大変な事になりかねないのは…そうだ。
サンドロックだった。
……何というタイミングだと自分の運について頭を抱えたく思いながら、とりあえずそれを知っているかどうかを尋ねることにする。
「一つ訊くが、サンドロック」
「何ですか?」
「お前、お前のパイロットはどうしているか知っているか?」
「どうしているかは知らないけれど……ちょっと、危ない、かも。そういう感じがする」
詳しくは知らないのかという事に驚きながら、それでも危ないのだという事を察知している事実をもって、トールギスは聞き返した。
「お前から見てもそうなんだな?」
「そうとしか言えないよ。カトルは何だか疲れてしまっている感じだから」
「あの規模で『疲れる』と使うのか、お前は」
もっと大変な状況であったように思えるのだが。
うむ、と腕を組んでいると、サンドロックは困ったように笑った。
「僕は、カトルを信じる他ないからね。トールギスだって同じような物じゃない?」
「それもそうだな…」
というか、そう言うのならばその話は機体の誰に対しても当てはまるに違いない。
トールギスは基本的に苦労人です。何でだろう。
「そう言うな」
辿り着いた宇宙基地で。
トールギスを出迎えたのは、サンドロックだった。
確か本体は壊れてしまったはずの彼は精神体のまま、人の姿のままひらりと手を振ってこちらにやってきたのである。
そのまま、ゼクスの後ろを付いていく自分の隣に収まる。
「そう言うな…って、じゃあどう言えば良いのかな」
「ミリアルド・ピースクラフトは親善大使で、MSに乗っているのはゼクス・マーキスだと考えればいい」
「それ無茶」
「無茶だろうと考えろ。こうとしか私には言えないからな」
「…うん、まぁ納得くらいは出来るかな」
「あぁ、そのくらいのノリで構わない」
「ノリって…」
何か違わない?という表情をされて、軽く肩をすくめる。実際に彼が言った通りで、自分が言った通りだから、この点はそれ程言い換えることも出来ないのである。少なくとも自分はそう認識している。
「…そういえば、どうしてお前がここにいる?」
「五人のお爺ちゃんたちと一緒にいてね、暇だったからコッソリ抜けてきた」
「心配は…しない、か」
「だよね。だってあの人たちだからね」
「そうだな…あの人たちだからな」
その一言だけで説明できる自分たちの生みの親を思い、トールギスはひっそりと息を吐いた。彼らは、もう少し他人に対する思いやりというか、他人に対する興味を持って欲しい物だと、常々思っているのだが。
多分無理だろうなと、ガンダムを嬉々としてして作ろうとしていたその様子を思いだし、苦笑いを浮かべる。今も昔も彼らは変わらないらしい。
そのうちにでも会いに行ければ良いだろうかと良いだろうかと思いながら、曲がり角を曲がる。
「そう言うトールギスはどうしてここにいるの…っていってもね、この場に存在している根本的理由は分かってるけどさ」
「コロニーの中を見て回らない事に関してか」
「そうそれ」
気にならない?と問われ、さて、と答えた。
興味がないわけではないが、だからといってわざわざ見に行くほどの興味を持っているわけでもない。多少なりとも市民の生活を知っていれば、今後、いくらかは違うのかもしれないがそれはそれということだ。
が、それを言うととにかく、それでも行くべきだ、等と反論されそうだったので会話を変えることにする。
「他のは元気か?」
「…よく分からないけれど。何人か、満身創痍みたい」
「そうか」
その言葉に最初に浮かんだのは、鎌を振るう彼の仲間だった。
彼の本体は破壊されたのだ、新型の機体に。しかも乗っていたのがヘビーアームズのパイロットであるというから救えない。今でも、どちらにも後味の悪さしか残さない行為だったと思う、あれは。
あれ以来、彼はどうしているだろう。
傷ついているのか。
落ち込んでいるのか。
…他のメンバーも心配だが、まずは彼だ。彼が一番直接的に人々からの悪意を受けてしまっている。彼のパイロットが、捕まっていたが故に。今はそうでもないようだから、少しでも回復してくれればいいと思うのだが。
とりあえず現在情報によると、彼以外でとても大変な事になりかねないのは…そうだ。
サンドロックだった。
……何というタイミングだと自分の運について頭を抱えたく思いながら、とりあえずそれを知っているかどうかを尋ねることにする。
「一つ訊くが、サンドロック」
「何ですか?」
「お前、お前のパイロットはどうしているか知っているか?」
「どうしているかは知らないけれど……ちょっと、危ない、かも。そういう感じがする」
詳しくは知らないのかという事に驚きながら、それでも危ないのだという事を察知している事実をもって、トールギスは聞き返した。
「お前から見てもそうなんだな?」
「そうとしか言えないよ。カトルは何だか疲れてしまっている感じだから」
「あの規模で『疲れる』と使うのか、お前は」
もっと大変な状況であったように思えるのだが。
うむ、と腕を組んでいると、サンドロックは困ったように笑った。
「僕は、カトルを信じる他ないからね。トールギスだって同じような物じゃない?」
「それもそうだな…」
というか、そう言うのならばその話は機体の誰に対しても当てはまるに違いない。
トールギスは基本的に苦労人です。何でだろう。
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