忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


バサラお題のtype2の栄えある?最初は元就様です。
そして、これは真面目な話。



01:潜む毒



 あぁ、つまらない事をする馬鹿もいたものだ。
 池に浮くいくつもの死骸を眺めながら思う。
 本当に、何て馬鹿な事。



 まさか自分を、毒殺しようとする馬鹿がいようとは。



 いっそ見事すぎて、嗤えてくる有様だ。
 しっかりと証拠を残して去っていった点も、十二分にその理由になっているだろう。

 何せ、毒を盛った後直ぐに消えてしまう。これで怪しむなという方が無理だし、無茶だ。

 何でもその者は厨房に出入りする役割を担い、真面目に仕事を行っていたのだそうだ。ざっと、二ヶ月程度。だから、その者を知る人間は、誰も彼もが口をそろえて『まさか』と言う。『彼がそんなことをするはずがない』と。

 当然だろう。
 そう思わせなければ仕事は成り立つまい。

 しかし…さて、どうして毒殺など行われかけたのか。
 考えたところで答えは到底出るわけもない。
 ならばそのような無駄なことは止めようか。
 代わりに、やることならばあるではないか。





「さて」
 元就は振り返り、こちらを睨み付ける犯人を見た。
 その絶対零度の瞳を真正面から受け止める事になった犯人は、たちまちにすくみ上がる。
 所詮は農民、百姓かと、その反応を見ながらつまらなく思う。これが名のある武将なら、憶したとしても負けまいと、こちらを睨み付けてくるだろうに。
 どうであれやることは変わらない。
 静かに犯人の元に向かい、元就はその前で立ち止まった。
 見下ろせば、その存在がどれ程に小さいものかが分かる。
「何故、我を害せんとした」
「……」
「答えぬか」
「…」
「まぁ…良いか」
 呟き、元就は少しばかり距離を取った。
 どこまでも反抗的な態度に苛立ちがないと言えば嘘になるが、どうせ今から死ぬ者に何かを求めるのも馬鹿らしい。
 元就は、机の上にあった湯飲みを取った。
「隣国の鬼を知っておるか?」
 相手の方を見ず、元就は話した。
 見ていないのだから、どのような反応を返したかは知らない。多分、不思議そうな顔でもしているのではないだろうか。そこでどうしてそれが出るのか、と。あるいは何なのだろうと考えているかも知れない。どこまであの鬼の知名度があるのか定かではないのだ。
 それでも、構わずに言葉を続ける。
「あやつ、意外と『外』の事を知っておってな、我に『外』から仕入れてきた言葉をたまに伝えるのだ。もっとも、読めるわけでも話せるわけでもなく、翻訳されたものを口にするだけではあるのだがな。そして…その言葉の中で、我の好きなものがある」
 元就は振り返り、そこで、初めて相手がどのような表情をしていたのかを知った。
 怯えているその相手を眺めつつ、足を一歩、踏み出す。

「目には目を、歯には歯を…だそうだ」

 この相手が浮かべる恐怖に歪む顔は、どこまでも醜い。
 もう、見るのも飽きた。
「意味は漠然と分かるであろう?」
 湯飲みの中の液体が、怪しく揺れた。








…とまぁ、type2はこんな感じで突き進む予定です。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]