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これ、サイコロで00が出たら一番楽だったんですよ?だって00には「刹那」ってキャラがいるわけだし。
でもDRだったのでDR。
罪歌さんと臨也のお話。
069:刹那の夢
この状態がずっと続くとは到底思えないし、こんな事が二度も三度も有り得るとも思えない。だから『今』というのは、これからも延々と続いていく自分と言う存在の、ほんの一瞬の夢の様な物なのだろうと思う。
だからこそ大切に、有効に使うべきだ。
一遍の悔いも残らないようにしっかりと。
そんな風に思い、決意しながら。
罪歌は、静雄の背中にべっとりと張り付いていた。
……至福である。
ただ、静雄はソファーに座っているので、その背にくっつくとなると背中とソファーの背もたれの間に収まる必要があり、そのため少々狭い思いをすることになっていた。もっとも、世界で一番大好きな人にくっつける至福と比べたら、そんな些細な不満なんてどうだって良かったのだけれど。
天国に行ったとしてもここまでの幸福は味わえないだろうと思いながら、ぎう、と彼に抱きつく腕に力を込めて、うっとりと微笑む。
心の底から幸せだった。
……けれども。
「……人が目を離してた間に何やってんの、ナマクラ刀」
「見てのとおりよ、折原ウザヤ」
人の幸福をぶちこわす声音を睨みつけると、その発信源は不機嫌そうに眉を寄せた。
「不快だね」
「あ、そう。じゃあ出て行けば?そうすれば不快な物を見る事もないでしょう」
「出て行く?何で?ここ、俺の事務所なんだけど」
「なら私に明け渡せばいいでしょう。そうすれば貴方が出て行ったって問題ないわ」
「問題があり過ぎて何から指摘したらいいか分からない台詞ありがとう」
「どういたしまして。貴方を苛立たせることができたなら幸いよ」
「……本ッ当に腹立つ妖刀だな」
「貴方なんかに言われても堪えないわね」
ふふん、と笑ってやると、臨也の表情が不愉快そうに歪められる。
それを満足感を抱きながら眺め、罪歌は、未だ眠りこけている静雄の背中に擦り寄った。
ナイフと妖刀。さてどっちが勝つでしょう…って分かり切ってるような無いような。
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