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二人に恨みは無いのですが、何故かこんな目に遭わせてしまう二人。ごめんねとしか言いようがない。
続きもの。前回のはこちら



045:一緒に
 
 
 
「政宗様、交渉終了しました」
「おー。どうだった?」
「無理だそうです」
「やっぱそうなるか」
「曰く、予約で全部屋埋まっていて、これ以上客を抱え込むわけにはいかないのだとか」
 どういたしますか?と小十郎に視線で問われた政宗は、一瞬も考え込むことなく慶次と元親の方を向いた。
「お前ら野宿決定な」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「ここまで来てそりゃねぇだろ!」
「けど、立ち入りまで拒否されてんだぞ、お前ら」
 それで野宿以外の何の選択肢があると言うのだ。
 腕を組んで言い放つと、二人の勢いがあっという間に消えた。
「そりゃあ……そうだけどよ……」
「何で俺たち二人だけ……」
 それは間違いなくお前たちが元就と半兵衛の二人に目の敵にされているからだ、と言ってやるのは簡単だろうが、それを口にした場合に慶次と元親が黙っていられるかが定かでは無かったので、止めておいた。慶次の方はまだ諦めの笑みを浮かべる事が出来るかもしれないが、元親は絶対に元就に文句を付けに行くだろう。そうなれば騒々しくなる事は目に見えて分かっていて、折角の慰安会が台無しになる恐れがある。
 最悪の事態は避けようと政宗が心に決めていると、野宿組の後ろの方から元就と半兵衛が何か大きな荷物を持って歩いてくるのが見えた。さらにもっとよく目を凝らすと、ずるずるとこれまた大きな物を引きずってさえいた。
 何なのだと、目を細める。
「……お前ら何持ってんだ?」
「キャンプセット一式だよ。野宿組、これを使って一晩明かしてくれたまえ」
「今、我と竹中半兵衛が歩いて参った方角へ五時間も歩けば、なかなかに寂れた良いキャンプ場があるらしいのでな、そちらへ逝くが良い」
「……………おいテメェ、逝くって何だ逝くって」
「さてな」
 元親の言葉に元就はふっと笑った。
 そのとても穏やかな笑みに、政宗は慶次と元親に心の底から同情した。






というわけで、一緒に野宿。頑張れ二人とも。
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