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ようやく二話に…。
長いなぁ…
チビスターズ第二話 ①
「大変だったね……」
「まったくだな」
同行人がフェルトに決まって、とりあえず昼食を取ったアレルヤと刹那は、再びおもちゃにされる前に急いで食堂から出た。ちなみにおもちゃにされた跡、つまりリボンやカチューシャ、あまり言いたくないけれどスカートの類は、そのままになっている。スカートは着替えがないから仕方が無く、リボンとカチューシャの方は取ろうとしたら女三人がかりで止められた。そういうわけで、下手に取ったら何か反撃が来そうだから止めておくことにしたのだ。
小さくなった二人は、てくてくと歩いていく。
アレルヤはハレルヤの所に行くため、刹那はエクシアの所に行くため。
刹那はどうやら、今の体ではどのくらい機体を扱えるかを見ておきたいらしい。もしもの時に備えて、だそうだ。
キュリオスの方も見ておいた方がいいかもしれない。アレルヤの場合はハレルヤがいるからいいけれど、もしもの時がこちらにも無いとは言い切れないから。例えば彼の気まぐれとか。ほぼないだろうけど、そんなこと。
とは言っても、確認したところで何ができるのだろうという思いはある。
…でも、しないよりはマシだよね。
ハレルヤのことが後回しになるが、問題はないだろう。彼だって大人だし。どうなっているかという、気がかりはあるままだけども。
などとつらつら考えている内に、分岐点についた。片方に行けばエクシアが、もう片方に行けばキュリオスがいるはずだ。
「じゃあ、また後でね」
「分かった」
簡単に言葉を掛け合い、二人は別れた。
一人になって、アレルヤは通路を進んでいく。
ただ、歩いている。それだけのことなのに、なんだか不思議な感覚を覚える。見慣れた通路が別の何かのように思えてくるのだ。
視界が、いつもより低い。違うのはそこだけ。なのに、こうも変わってしまうものだったのか。刹那といるときはさほど感じなかったことなのだけど、一人になるととても気になる。
それに……通路が長い。いつもならあっという間に進める距離でも、その倍以上の時間足を動かさないといけない。
大変な話だよね……ハレルヤ。
今は離ればなれになった半身の名を心の中で呼んで、アレルヤは立ち止まった。
目の前には、オレンジ色の機体。
考え事をしている内にいつの間にか、ついてしまったらしい。
「……やっぱり、キュリオスは大きいね」
愛機を眺めながら呟いた。元の大きさの時でもこう思っていたのだ。小さくなってしまった今では、さらにそう感じる。
その時、キュリオスの方から人影が現れた。
「おー?アレルヤじゃないか」
「…イアンさん?」
驚いた。そこにいたのはイアン。
「どうしてここにいるんですか?」
「仕事だよ。明日のミッションに備えて最終調整中だ」
「ヴァーチェの方は?」
「先に終わらしたよ。ま、調整と言っても単なる確認だけだからな。あっという間に終わったさ」
そう笑う彼の後ろには、桃色、青色のハロ。
思わず首をかしげる。残りの紫色と緑色のハロはどうしたんだろう?
「あの、ハロが足りないですけど……」
「ん?あぁ、あいつらか。あいつらなら今頃、エクシアの所にいる」
「え?」
どうしてだろう?エクシアはミッションに使えないから、調整の必要はないのに。
と、そこまで思って気づく。
「刹那が行くって、予想してたんですね?それで置いておいたと」
「そういうことだ」
イアンは頷いた。
小さくなった刹那が気にすることと言ったら、そういったことだろうから。
なるほどと納得しながらアレルヤは、さすが良く見ている、と感心した。
「でもどうして置いておいたんですか?刹那は勝手に起動させたりはしませんよ?」
「そのくらい分かっとるさ。ただ、コクピットに入りたがるだろう?」
「…でしょうね。確認しておきたいと言っていましたから」
「いけないワケじゃないが……あの身長じゃあ、一人じゃ無理だろう」
「……そういえば、そうですね……ってことは、キュリオスを後にしたのは?」
「その通り。アレルヤが来ると思ったからだ」
「なるほど……」
次は誰の話だったかなぁ…