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ワタリ、桃のお題だったらマリナ様が多い気がするのですけれど…?
05.引き出しの奥
● 月×日
今日は保守派の人たちが、改革派の人たちに手を挙げたわ。困った人たち。私は話し合いで全てを解決したいと思っているのに……どうしようもないくらい騒動が大きくなったから、しかたなく王宮裏に隠してあるMSを取りに行こうとしたら、シーリンとラサに止められてしまったわ。何故かしら?
私はただ、平和的に解決したいだけなのよ?
●月△日
珍しく、今日は議会がお休み。シーリンが保守派と改革派の人たちを説得したそうだけど……どうしたのかしら?彼女らしくない行動ね。
確か、彼女は「今、姫様を下手に刺激してはいけないわ…昨日の今日、ですもの」なんて言っていたそうだけれど、それもよく分からないし……。
暇だったから刹那に連絡してみたら、着信拒否だったわ。
今度、直に会いに行きましょう。
●月◇日
今日ものんびりとできる日ね。とくにやることもないし、刹那も近くにいないようだし……退屈すぎたから、MSを洗うことにしたわ。いつもお世話になっているのだもの。たまにはこういうことも大切よね。
洗い終わったアンフは、どことなく嬉しそうに見えて、こっちが嬉しくなったわ。たまにはこういうのもいいわ。
でも……もう少し、性能が高い機体が欲しいわね。
今度、人革連かユニオンに頼んでみようかしら。ティエレンタオツーとか、オーバーフラッグとか、あの辺りには良い機体があるもの。AEUは……いいわ。色々と大変そうだし。あまりお願いしすぎても酷、というものよね。それに、食料支援しかしてくれなかったし……あぁ、そのうち挨拶に行かないと。
● 月□日
聞いて!とても素晴らしいことがあったの!
今日は何と、刹那が自分から会いに来てくれたのよ!
何て良い日かしら?彼が言うには用件は無くて……いえ、相談に乗って欲しいということだったわ。多感な年頃だものね、悩み事の一つや二つ、あるに決まっているわ。
相談内容は『鈍感な相手に気持ちを気づいてもらうには』。
……なかなか難しい話だわ、これ。というか、刹那には好きな人がいるのね……安心したわ。そういうことに意識が向いていない気がしてたの、彼。でも、どうやら私の杞憂だったようね。
対して良いアドバイスはあげることができなかったけれど、彼はスッキリした顔で帰って行った。多分、話を誰かに聞いて欲しかっただけね。誰かに話すというそれだけで、少しは気持ちが楽になるものだから。
次は、いつくるのかしら?
● 月⊿日
……昨日から続いていた、折角の楽しい気分が台無し。
どうしてか?決まっているじゃない!保守派の人たちのせいよ!
改革派の一人が酷い発言をしたのは謝るわ。そこは確かにいけなかった。
だけれど……だからって、何も殴ることはないじゃない!あの行動のせいで、次々日議会の人たちが殴り合い始めて……暴動にまで発展!
もう我慢できなくて、アンフの所に行こうとしたら……シーリンに止められてしまったわ。ラサは腹痛があったらしくて。あ、あと頭痛も。大丈夫かしら……。
話を戻すわ。
そういうわけで、私はとても不機嫌だったの。けれど、やっぱり私は国主でしょう?何とかして止めないといけないと思ったわけ。
だから、シーリンからマイクをもらって、言ったのよ。いい加減にしてくださいって。
それだけでみんな、止まってしまうのだから不思議な話ね。水を打ったような静寂が会場を満たしてて……何人か、顔を引きつらせていたわね。あれは……恐怖、かしら?怖いものでも見たのかしら…?
というわけで、今日もちゃんとした話し合いは出来なかった。
あ、そうそう。一番最初に殴った保守派の人は、ちゃんと顔を覚えたから今度挨拶に行こうと思うの。
「……」
あぁ、どうしてこんなものを見つけてしまったのだろうか……。
シーリンは人知れず、ため息を吐いた。
ちょっとだけ散らかっていたマリナの机を整頓していて、引き出しを開けてしまったのが運のツキ。この日記帳が目にとまってしまったのだ。
何を書いているのかと開いてみたら……この結果だ。
後悔をしながら思う。
……あの、昨日の保守派の青年には、あらかじめ警告をしてあげよう。
日記シリーズも作るべきでしょうか……?