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今回はスメラギさんと留美しかでてきません。あしあからず也。
チビスターズ第二話 ⑤
『……その話は、本当ですの?』
「えぇ、本当よ。実行部隊、全員が視認したもの」
『信じがたいですわ……』
「でも、事実よ」
個室に戻ったスメラギは服の用意を頼むべく、留美に連絡を取っていた。刹那とアレルヤの身長等は、さきほどクリスティナ、フェルトと共に二人を着飾ったときに、すでに測ってあった。だから、あとは事情を説明して、留美に服を用意してもらっておくだけでよかった。
とはいっても、その『事情を説明する』というのが、かなり骨を折る仕事だったわけだが。なんせ、相手は実際に小さくなった二人を見ているわけではない。それなのに、無条件で「信じてください」というのは少々、無理がある気がしなくもないわけだ。
どうせなら、実物をここに持ってくるべきか……などと考えていると、画面の中の留身がため息を吐いた。
『まぁ、それが本当であれ嘘であれ、服は用意させていただきます』
「ありがとう、王留美」
こういうとき、彼女は話が早くて助かる。
微笑んで礼を言うと、しかし留美は首をかしげた。
『ですけれど……私が服を用意してしまったら、先ほど言っていた地上での買い物は無意味なのでは?』
「無意味にしないためにも、服は一着だけでお願いね」
数日分、着替えも全て、そろえてもらうこともでるだろうが……それではおもしろくない。ある程度はこちらで選んで、それを着てもらいたいわけだ。できれば今着ているみたいなスカートが良いのだけど……果たして、それができるかどうか。少なくとも、小さな二人の妨害にあうことは予測する必要もなく分かることだし。大きな二人だって妨害に入るだろう。
そこら辺をどうするかは、フェルトの手腕にかかっているわけだけど。
どうせなら、クリスティナも連れて行ってもらえば良かったかもしれない。自分だけ残る、ということにして。最低、戦況予報士であるスメラギだけ残っていたら、問題はないはずだし。
あのときは二人に説得されてしまったけれど、今からでも意見を変えてしまったらどうだろうか……ダメだ。イアンとかラッセとか、そこら辺の人たちが何か言ってくるだろうから。
なかなか、思ったようには進まない、というわけね……。
『では、用意できたら滞在場所まで送りますわ』
「よろしくね」
『……ところで、その小さくなった二人はどんな様子ですの?』
「やっぱり気になる?」
スメラギが聞き返すと、留美は黙って頷いた。
留美だって女の子、である。さっきからスメラギが『可愛い』と言っている対象が、気にならないわけがなかったようだ。
それを微笑ましく思い、口を開く。
「そうね……あまり説明はできないけど、女の子の格好をさせても違和感がない、とでも言っておこうかしら」
『それはもしかして今させているのですか?』
「そうよ。今、その格好をしているの」
言うと、彼女は呆れの表情を浮かべた。
『…ということは、服もスカートを用意した方が?』
「それもいいかもしれないけど、可哀想すぎるわね……」
『ではズボンを』
「ただし、短パンでお願いね」
『……何だか、二人が不憫に思えてきますわ……』
不憫だろうが何だろうが、小さい二人にはそういう格好が本当に似合いそうだからね!