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それは……衝撃的な出会いだった。
抱えるのに丁度良さそうな大きさの球体。目はチカチカと点滅し、耳(?)はパタパタと動いている。さらにはコロコロと転がって、カタコトで挨拶までしてくる。
「なぁ……これは?」
「あ、彼らのことが気に入りました?ハロって言うんです」
「ハロ……か」
田舎だと思っていてすみませんと、心の底から謝った。こんなのは、都にだっていない。つまりは、それだけ珍しく、凄いということ。
こちらに来たオレンジのをを手にとって、しげしげと眺める。
一体、何を動力にして動いているのだろう?というか、何でこんなに頭が良さ気なのだろうか……?今も「ドウカシタ?」とか言ってるし…。
ふと、世界中の疲れている人ビトにこれを渡していったら、少しは争いも減るのではないだろうかと思った。
……結構、有り得そうな気がする。
「気に入ったんなら……それ、あげる」
「いいのか!?」
訊けば、こくりと頷く座敷童の少女。
お近づきのしるし…それに、一人くらいは大丈夫だし……と言うフェルトに、思わず涙ぐみそうになる。なんて良い子のだろうか。
「ヨカッタ!ヨカッタ!」
「よかったですね、ロックオン」
ハロに会わせて、アレルヤも微笑む。
何か……二人と一つがまぶしく見える。
これが『癒しの相乗効果』だろうか?
「ハロ……まだ、奥の方にたくさんいるけど」
「マジでか!?」
「嬉しそうですね……子供みたいですよ?」
フェルトの言葉に反応すると、アレルヤがクスクスと笑った。
笑うなよ、と返しながらも思う。
まさか『異端』相手に、こんなにほのぼのとした会話をする日が来るとは考えもしなかった。自分でも、酷く驚きだ。
それもこれも、キッカケをくれた彼のお陰だ。
「アレルヤ……本当、ありがとな」
「いきなり、どうかしました?」
不思議そうな顔をする彼に、何でもないと返す。
ちゃんとしたお礼は、もう少し後にしようと思った。