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うちのサイトは、女性キャラだったらフェルト率がわりと多いと思う今日この頃。
チビスターズ第二話 ⑧
ふぁあ、と欠伸をして、目をこする。
今日は、何だか眠い。午前中にはしゃいでいたからだろうか。他の人が見たらほとんど、いつも通りだったかもしれないけれど……それでも間違いなく、自分のテンションは上がっていたし。
小さくなった二人を思い出して一人、笑みをこぼす。
まるで、弟ができたみたいだった。トレミーには自分よりも年下のクルーはいないから、それがとても新鮮で。いつもはフェルトより大きかったり、似たような身長だったりするから、とても不思議な感じもした。
それだけでなくて、小さい二人はとても可愛い。すぐそばに置いておいて、ずっと見ていても飽きないくらいには可愛い。元は自分よりも年上の人だというのを忘れてしまうくらいに可愛い。
そんな二人(+大きな二人)と一緒に地上に行けるというのは、凄く幸運なことではないだろうか。始めはスメラギだけという話だったそうだから。
明日、地上に降りて一日ゆっくりして、それから次の日に洋服を買いに。その時までに、二人が元に戻っていなければいいけれど。二人には申し訳ないけど、それがフェルトの本心だった。
「多分、二人とも……今日はお祈りしながら眠るんだろうね…」
元の姿に戻っていますようにと、結構必死に。
そうしたらミッションは始め通りに行えるし、着せ替え人形にされずにすむし。
しかし……折角ここまで考えてるのに、あっけなく戻ったらつまらないと思うのは、果たしてフェルトだけだろうか。いや、スメラギやクリスティナは思っているに違いない。ハレルヤやティエリア辺りもしばらくはこのままでも、とか考えているかも。ロックオンは……どうだろう。世話する人が増えてしまって困るだろうか?彼の場合、別に気にしない気がするけれど。
「ねぇ、ハロはどう思う?」
「カワンナイ、カワンナイ!」
胸に抱いているハロに微笑みかけると、彼の目がチカチカと点滅した。
「やっぱり、そうかな」
「カワイイフタリ、シバラクアノママ、アノママ!」
「それが一番だよね」
まったくもって、ハロの言うとおり、しばらくは、あのままでいて欲しいものだ。
ずっとあのまま、というのは困るけれど……少しの間くらい、お姉さんの気分を味わっても悪いことは何もないはず。
だけれど、二人が小さくなって、ちょっと悩み事もある。
「ハロ、聞いてくれる?」
「フェルト、フェルト、ナニ、ナニ?」
「あのね……」
一瞬だけ躊躇って、結局はありのままを口にした。
「クリスティナとスメラギさんに、スカートを買えって言われてるの。どうしたらいいかな?二人とも、絶対に嫌がると思うんだけど……」
あまりに今履かせているスカートが似合っていたからでてきた案、である。
これは、二人とも嫌だろう。だって男だから。
いくら自分も賛成しているとはいえ、子供な彼らのことを考えると……どうしても躊躇ってしまう。
さぁ、どうするべきだろう?
「どうしたらいいか、分かる?」
「フェルト、シタイヨウニスル、ソレガイチバン!」
返ってきたのは、実に単純な答えだった。
「ガマンスル、ヨクナイ、ヨクナイ!」
「……そうだね、うん……その通りね」
流石はハロだ。すぐにどうするべきか教えてくれた。
フェルトは笑みを深くして、ハロを抱く手に少しだけ力を入れた。
「フェルト、ドウカシタ?」
「ううん……ありがとう、ハロ」
「何色がいいかな…?」
「セツナ、アオ!アレルヤ、オレンジ!」
「でも、普通すぎるよ……?」
「ジャア、ピンクイロ!フェルトノカミト、オナジ!」
「……多分、ティエリアのカーディガンと同じだって、刹那に怒られると思う」
ていうか、本当にピンクを買ったら大変なことに……なりませんか?