忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

52


52


 唐突に、肩の辺りに重みが生じた。
 何だ?と思いながら目をやると、そこには頭が一つ乗っていて。

「……眠っちゃったんだね」
「人の家でも寝るのか、コイツは……」

 そのことに少し呆れる。自分の住んでいる場所だけならまだしも、人様の家でよくもまぁ……冷静なフェルトの様子からして、こういうことも初めてではないようだし。一人でいるときこうなったら、一体どうするのだろう。行き倒れてしまうのか。
 訊けば、しかし彼女は首を振った。

「いつも、一人だけで町には来ないから。倒れることはあっても……誰かが、ちゃんと支えてくれるの。それに眠っちゃうのは、アレルヤにもどうしようもないことらしいから」
「どうしようもない?」
「らしいよ。ティエリアが言ってた」
「へぇ……」

 彼の中の、血の問題だろうか。とびきり弱い吸血鬼だそうだから、力の消費を押さえるための無意識の行動なんてことも……有り得ないとはいえないだろう。それならば、何となく納得も出来る。

 と、ここで、ロックオンはある事柄を思い出した。
 眠っている彼は、一日に一回は必要だという吸血を、まだ、やっていないのではなかっただろうか。

 ……大丈夫か?
 不安になるが、こればかりは仕方がない。本人が自分に寄りかかって、規則正しい寝息を立てている以上。
 が。

「ロックオン、アレルヤはまだ、血を飲んでなかったりする?」
「え?あぁ、そうだけど」
「なら、気をつけた方が良いよ」

 どういうことかと、聞き返す間もなかった。
 隣の彼がもぞりと動いたのに気づいたのとほぼ同時に、首筋に鋭い痛みが走ったのだ。

 何とか状況を把握してみると……アレルヤの腕がいつの間にか首に回されていて、彼の体の向きも噛みつきやすそうな状態になっている。
 つまり、噛みつかれたのだ。眠っている彼に。
 混乱する中、フェルトがゆっくりと口を開く。

「眠っているとき、まだ血を吸ってないときに人間が近くにいると……ついつい噛んじゃうんだって。本人が言ってた」
「……そういうことは、もっと早く言ってくれ…」

 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]