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拍手再録品。
~00:茶色のお題 02.割引チケット(途美学園)~
「うーん……」
机の上にたくさんの紙切れを広げて、アレルヤは悩んでいた。
紙切れ……否、割引券の有効期限。それがかなり問題だったのだ。
適当に一つを手にとって見ると、それは明後日が期限。もう一つ取ってみたら、それのは明日が期限だったりする。
もらった物をそのままにしておいて、ふと気づけばもう少しで使えない所まで来ていたのだ。だからといって使わないのも勿体ないと思うわけで。
知り合いに配ってみようか……と思うが、果たして受け取ってもらえるかどうか。とりあえず一週間後が期限の『おもちゃ十%オフ』の券は、ガンプラを集めている刹那に渡したら絶対受け取ってもらえる。が、それが同じくガンプラ収集家のグラハムにばれたら「なぜ私には無いんだ」と、色々大変そうではある。これの二枚目は無いだろうか……。
「……お前、何深刻そうな顔してんだよ……何だコレ?割引券?」
「あ、ハレルヤ」
「で?何?」
「えっと……有効期限とかが大変なことになってて」
言われて一枚差し出すと、後ろから覗き込んでいた片割れがそれを受け取った。
「なになに……ケーキの割引?ってかお前、この店に行ったことあったか?」
「無いけど、クラスの子とかがくれるんだよ。男子も女子も。みんないい人だよね」
「……へぇ」
低い呟きと共にぐしゃり、と券を潰されて少し焦る。それで使えなくなると言うことは無いだろうが、それでも気分的に悪いことをしたというか、何というか。
「てーと、お前さ、律儀に全部使う気かよ」
「もらった物だし……やっぱり、放っておくのはマズイかなって。勿体ないし」
「勿体ないって……しゃーねぇな…明日から土曜と日曜は休みだな?」
「うん。生徒会の仕事もないハズだよ」
「そんなら明日明後日で二人で外出て使い尽くすってのは?一人より効率よくね?」
そんなハレルヤの提案を受け、考える。
確かに、一人よりも二人の方がたくさん消費できるかも知れない。だが、
「それなら、生徒会全員の方が……」
「却下」
……即答されてしまった。
速いな、と苦笑し、アレルヤは頷く。
こうして、明日と明後日の双子の予定は決まった。