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式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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望む未来を形にしよう

そのため僕は存在しよう



12.ただのラクガキ



「ア……アレルヤ!?え、どうしてここにいるのっ!?」

 訪れたのは、普通の小さな部屋。

 ベッドがあって、机があって、椅子があって、クローゼットがあって。

 そして、たくさんの紙が散らばっていた。

「え、え、え……え!?本当、どうして!?ていうか小さいよ!?あれ!?」

 ベッドに腰掛ける部屋の主は困惑した様子で、アレルヤのことを見ている。

 その様子がおかしくて、クスリと微笑む。

 ここは夢の中だ。何が起こっても不思議ではないだろうに。

「何で笑うの…?え、僕何かやっちゃった…?」

 彼の言葉を受けて、首を横に振る。そんなことは全くない。

 いや、強いて言ったら彼のせいではあるのだけれど。

 それは口にしないでいると、彼は目に見えてホッとした顔になった。

「良かった……アレルヤに嫌われたら、僕、どうしたらいいか分からないよ…」

 彼はそれからベッドに倒れ込んだ。

 胸に、スケッチブックを抱いて。

「え?これ?えっとね……絵を、描いてるんだ。見る?」

 何かと問えば、こういう返事が返ってきた。

 頷いてから近付いてそれを受け取り、ペラリと紙を捲る。

 そこにあったのは静かな森、さえずる小鳥、美しい湖、笑い合う人々。

 とても丁寧で綺麗な絵が、そこにはあった。

「平和になったらこんな感じかなって……思ったんだ」

 照れくさそうに笑う彼を微笑ましく思いながら、また、ページを捲る。

 あったのは、アレルヤと…片割れ、二人分の姿。

 これは?と視線で訊くと、彼は慌ててスケッチブックを取った。

「こっ……これはその…ほら、アレルヤもハレルヤも、一つの体に二人でしょう?」

 その通り。ハレルヤは大切な片割れ。同じ体の同居人だ。

「でもさ…やっぱり、二人とも、お互いに触ってみたいとか思わない?」

 彼の言葉を受けて、腕を組む。

 ……確かに、そう思うこともある。本当にごくたまに、だけれど。

「だから、絵の中でくらい、分かれててもいいかなって思って」

 ……ダメだった?

 目で、そう尋ねる彼の頭にポン、と手を置く。

 ありがとう。その気持ちだけでとても暖かな気分になるよ。

 そう呟くと、彼の表情は途端に明るくなる。

「ううん!お礼を言われるようなことじゃないよ!」

 とても嬉しそうな彼に一回抱きついて、それから扉の方へと戻る。

「……もう行くの?」

 悲しげな彼の言葉に、後ろ髪を引かれる思いだったが。

 それでも、次の場所が気になるから。

 ごめんね?と言うと、彼は首を振った。

「大丈夫だよ。僕ら、いつも一緒だから。寂しくないよ」

 彼の言葉に安堵を覚え、口を開いた。

 分かったよ。じゃあ、一枚目のあの絵が、ただの落書きで終わらないように頑張ろう?

「…!うん!頑張ろう!僕ら一緒に、頑張ってお仕事しようね!」

 ハレルヤにもよろしく!

 そう言って手を振る彼の様子に、やっぱり微笑みはこぼれた。


その未来は、僕たちの手でつかみ取るんだよね!


今回のは……分かり難い…かな?キュリオスでした。
こういう性格だったら可愛い…というか、こういう性格しか書けない気…。
ワタリは機体も好きなので、そんな彼らにも愛は注いで参ります。
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