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最大の危機は、一日の終わりに。
チビスターズ第三話 ⑪
夕食を食べ、順番に風呂に入って、しばらくしてからさぁ寝よう……というときに、重要な事柄を思い出したのはアレルヤだった。
「ベッドって、三つしかなかったよね…?」
「………そういえば、そうだな…」
ここは誰がいつ、何人で使うか分からない場所だから、一応三つほどベッドが用意されている。が、しかし今ここにいるのは六人だ。三人分足りない。
これは……どうしたものか。
刹那が考え始めると、ロックオンがふいに、口を開いた。
「あみだで決めるか?」
「…どういうふうにだよ」
「まず、クジで二人ペアを三つ作る。んで、それぞれのペア一つにつきベッド一つが使えるんだよ。二人で一緒に寝るのも、片方が床で寝るのも、そのペアでの話し合い次第ってな。どうだ?」
……それは、場合によっては天国だが、場合によっては地獄な気がする。地獄の例を挙げてみると、ティエリアとハレルヤが組み合わさってしまったら……眠るどころの話ではない。三つのベッドは同じ部屋に入れられているから、横からの騒音がうるさくてぐっすりと眠ることは不可能だろう。
が、まぁ、おもしろそうなのも事実なので。
「俺は構わない」
「僕もそれで良いです」
「私も…」
「ッチ…しゃーねぇな…」
「下らない……」
乗り気でないのもいるが……新しい意見を出すのも面倒なのか、もうそれで良い、という態度だ。あまり良い態度ではないだろうコレは。一応刹那より年上二人が、どうしてここまで。もっと大人になれ。
……とまぁ、それはともかく、クジは行われた。
そして……
【刹那とハレルヤの場合】
「……なぜ、こんな組み合わせに…」
「俺が聞きてぇよ。で、どうすんだ?」
「どうする、と言われてもな……」
「言っとくが、俺はベッドを譲る気はねぇ」
「俺も同じだ」
「……もういっそ、一緒に寝るか?」
「…それが一番かも知れないな。ジャンケンをする気分でもない」
【ティエリアとフェルトの場合】
「フェルト・グレイス、君がベッドを使え」
「え……いいの?」
「さすがに、この状況で俺が使うのはマズイと思うんだが」
「……それもそうだね」
【アレルヤとロックオンの場合】
「ここが一番平和か…」
「…?どうかしました?」
「いや?一緒に寝るか、アレルヤ」
「え……でも…いいんですか?狭くなりますよ?」
「お前……今、どんだけ小さいと思ってんだ?」
「それでも僕分減りますよ、面積」
「俺が良いって言ってるんだし、それでいいだろ?」
「……それなら、まぁ。じゃあ、お邪魔します」
「じゃ、電気消すぞー」
「はい。おやすみなさい」
「……ハレルヤはもう寝ているようだが…」
「早いね……ねぇ、ティエリア、本当に床で良いの?」
「あぁ。いざとなったらロックオンを落として、そこに入るからな」
「…ティエリアー?お前、それどうだよ…」
「とっ…とにかく、おやすみなさいっ」