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やっぱりW組は大好きです。
けど、彼らを書くとどうしてかこの三人になることが多い…何故?
10:プリン
翌朝。
パターンに乗っ取るならば、元の体に戻っているはずの日。
なのだが……
「ど、う、し、て、戻って無いんだーッ!」
「落ち着け、デスサイズ。戻らなくても死ぬような事でもないだろう」
「オレにとっては死活問題だ!どーしてこんな顔でのうのうと…」
「まぁまぁ。朝から騒いだから近所迷惑だよ」
クスクスと笑いながら、サンドロックが自分の前にコトリと置いたのは。
「……プリン?」
「ボクらの中で一番大変なのは君でしょ?だから、ご苦労様賞」
昨日、こっそりと買ってきたんだよ?
そう言って笑う彼に、一瞬涙ぐみそうになる。人(間違いにあらず)の優しさがこうまでも胸にしみたことがあっただろうか……いや、無かった気がする。つまり、それほど今回の事柄はある意味辛かったわけで。
ただ、それでも自分のしかない、というのは二人に悪いというか……。
さてどうしようと、スプーンを咥えながら考える。
ちなみに一日も経てば案外順応するもので、ヘビーアームズはサーカスの方へ顔を出して事情説明、ナタクは手足の長さや視界が高くなったことに慣れようと鍛錬中。今頃ゴッドやマスターと合流していることだろう。ナタクの方は無茶をしそうで心配である。人間の体はMSみたいに丈夫ではない。
そして、考えた末の結論は。
……まぁ、いっか。
だいたい、この二人は自分みたいな人間化の後の苦労というか……つらさというか、現実を認めたくないだとか、そういう感情はないだろう。二人とも普通に格好いいし可愛らしいけれど、どちらもキチンと男だと分かる容姿だから。
しかし自分は違って、何をどう間違えたかは分からないが……何故か少女みたいな顔。髪が長いのと瞳がぱっちりとしている事もあって、鏡で見た瞬間に絶望を感じたこともあった。だが、それを二人は感じていないのだ。
なら、別に良いだろう。
けれど、一人で食べるのもなんである。
「んじゃ、遠慮無く……あ、そういえば冷蔵庫にゼリーが一つとアイスが一つあったけど、良かったら食えば?」
「へぇ、そんなのあったんだ」
「知らなかったな。ゼリーとアイス、というチョイスは夏をイメージしてか?」
「お前ら……たまには冷蔵庫見ろ」
一応、自分が料理とか諸々のことをしているからいいとするも、最低限そのくらいの把握は欲しいものだ。『仕事』関係で、自分がいなかったらどうするのだろうか……とりあえず、普段からレトルト系の物を置いていくように注意はしているが……この分だと、活用されることは無いかも知れない。皆、何も食べずに待っているような気が……いやいや、気のせいだと信じたい。
それでも今度、ヘビーアームズにでも教えとこうか……などと思っていると、冷蔵庫の方へ行っていた二人が戻ってきた。サンドロックがゼリーで、ウイングがアイス。わりと予想通りの展開である。逆は少しに合わないというか……特に、ウイングがゼリーというのが。彼はゼリーというよりアイスな感じだ。
その後は、三人で机を囲んで朝食後のデザートを堪能した。
うちのデスサイズは料理得意+家事全般を担っております。
手伝いは主にヘビーアームズ。あの子は結構手先が器用な気がするから。
ちなみにウイングにやらせたら普通にしてくれる、サンドロックだったらマグアナック隊が出てくる、ナタクにやらせると壁に穴が空く…だと思われます。