お題：橙 08.戻っておいで

一人で消えるなんて許さない。

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08．戻っておいで



沈んでいく

暗闇の中を

深く　深く

奈落の底へ


水底へ伸ばされる腕は

ただ　液体を掴む

微かに開く瞳は

求める物を移すでもなく

唯　夜色の風景を


このまま　いけば

戻ることは出来ない

けれど　それでも…と

朦朧とする頭で　考える


失敗作はゴミ箱へ

バラしてクズしてコワして捨てる

作られ物はゴミ箱へ


だから

失敗作はサヨナラ




「　　　　」




響く声


力強くて

優しくて

優しくて

大好きな


慣れ親しんだ声


それは　ゆっくりと

沈むこの身を引き上げる

そして——

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結局、消えるなんて無理な話。


……何だか曖昧なお話になってしまいました。
けれど、たまにこういう文章が書きたくなります。何故だろう…。