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あぁ、どんな物にも意思というのは存在している。
16.星100個
星と言えば、空より上、宇宙で瞬く綺麗な光。
手を伸ばせば届きそうで、だけど決して届くことはなくて。
それでも手を伸ばしたく思ってしまう、そんな不思議な対象。
それが星。
…けれど、彼女は違った印象を持っているらしい。
星と言えば、コレ、なのだそうだ。
コレ……即ち、金平糖。
「ほら、星みたいって言うじゃない」
言う。確かに言う。
だからといって、星から一発でそちらへ思考を繋げるのは。
光る方の星でなく、食べる方の星を思い浮かべるというのは。
一体如何なる物なのだろうか……。
ほんの少し、アレルヤは呆れる。
それでこそ彼女、といえるのかも知れないが。
……仮にも並のコンピューター以上の性能を持つ彼女、だというのに…。
だからこそか……とも思えなくもないけれど。
あまりに多くのことが分かりすぎて、ありきたりのことに飽きてしまった。
そういう彼女だからこそ、こういう思考をする。
…採点が、とても甘い気がしなくもないのだけど。
「細かいこと気にしてたら、ハゲるわよ?」
ご心配なく。まだ二十台です。
「今の見た目は十歳前後のくせに」
そういう貴方は人間でもないでしょう。
「その通り。あ…ってことは私も人のこと言えない?」
でしょうね。
「んー、嫌だなぁ……けどま、いっか」
物凄くアバウトだった。
思わず脱力するこちらを気にせず、彼女はテーブル上の一つのビンを手に取る。
中には色とりどりの結晶。
甘い甘い、金平糖が入っている。
……のは分かるのだけど。
問題は、どうしてそんなビンが十個も二十個もあるのか、ということで。
「私……そんなに金平糖を食べたかったのかなぁ…謎。総数、百は超えてるわね」
僕の方が謎ですよ。
首をかしげる彼女に、軽く同調する。
これだけあったら食べきれない。いや、食べることもないけども。
「仕方ないか…一つ貰ってくれない?」
……ここで断ったら笑顔で脅迫されるんだろうなぁと、諦観にも似た感情を抱く。
素直に受け取ると、彼女は楽しそうに笑った。
それにつられて、アレルヤも微笑む。
今日は何だか、もらい物が多い気がする。
今の金平糖に、右耳の辺りで未だに揺れるリボン。
貰いすぎると困りものではあるが。
貰うのはとても嬉しいと思った。
星を食べ尽くしたら、宇宙はどうなるのだろうね?
今回は途美学園を読んでくださる方は物凄く分かったと思うのです、が…そうです、ヴェーダです。ガンダムたちだけに飽きたらず、ついに彼女にまで…。
実はスローネも出したかったけれど、お題の残りを見てみると……余裕が無さそうな…。