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拍手再録です
白のお題 04.サービスDAY(フェルト)
私のパパとママはガンダムマイスター。ソレスタル・ビーイング所有のガンダムに乗る、大変なパイロット。
毎日毎日忙しそうで……暇があれば私の所に来て、いろいろなことを教えてくれる。ガンダムのことだとか、機械のことだとか。そういう時間が、私にとってはとても楽しくて、嬉しい時間だった。
今日は……あまり、そういう時間は取れないんじゃないかってママが言ってた。いつもより、少しだけ忙しいんだって。
なら仕方ないって思った。だってお仕事だもの。
それでも少し寂しかったんだけど、出かける前にパパが頭をくしゃりと撫でてくれたから、そんな気持ちもどこかに飛んでいった。残ったのは嬉しいなって思う気持ちだけ。
いてらっしゃい、と手を振ったら、二人とも微笑んで振り替えしてくれた。嬉しい気持ちは、どんどん大きくなっていく。ドアが閉まった後もそれは変わらない。
私は自分のベッドの上に乗って、ママにもらった絵本を開いた。二人がいないときはだいたい、これを読んで過ごしてる。他のクルーと一緒にいることもあるけど、私はこの絵本が大好きだから。だって、ママがくれた絵本。大好きになるのにはその理由だけで充分だった。
けれど何度も読んでいるから、あっと言う間に読み終えてしまって……すぐにやることが無くなってしまった。もう一度絵本を読むのもいいかもしれないけど、今回は別のことを考えてみる。
パパとママはお仕事。帰ってくるのはとっても遅くなってから?
もしもそうだったら……さすがに無理だけど、二人が早く帰ってくるようなら、肩でも叩いてあげよう。きっと疲れているから喜んでくれる。
二人が帰るのを待とうと決めて、時間を潰すために、私はやっぱり絵本を開いた。
(2008/09/07)