[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
二期お題部屋二つめ開通ですね。これが上がった瞬間はまだ部屋とリンク繋がってないけど…。
マリナ様の話です。第二話で連れて行かれる姫様を見て思いつきました。
…相変わらずの性格ですよ、私のサイトのマリナ様。
ただ、連れて行かれるときがこんな風だったら本当に楽しいのに…とか思ったり。
有り得ないけど…だからこそ、こうやってサイトでやっているんだけど、ね。
01.甘い秘密 (第二話:ツインドライヴより)
どうしてこうなったのだろうと、マリナは溜息を吐きたくなった。
今回も何も変わらない。ただ単に諸国に支援を求めていただけ。悪いことは何一つとして行っていないはずなのだが……どうして、今、こうして連れて行かれる事になっているのだろうか。
いくら考えても、理由らしい事柄には辿り着かない。
刹那と話したことがある上に正体を知っても黙っていた事が原因かとも思ったが、それもどうだろうと首を傾げた。もしそうだとしたら…もう少し早く来るような気がする。最近証拠を見つけた、ということはないだろう。割と自分は刹那と知り合いである事実を隠していない。良い例が、四年前のマスード・ラフマディー誘拐事件の時に刹那の名前(コードネームだが)を叫んだこと…いや、もしかしたら叫び声はプロペラやら何やらに遮られていたのかも知れないが。
他に心当たりと言えば……そんなにない。
『そんなに』というのは、自分がそう思っているだけで実はマリナの行動が連邦に多大な迷惑を掛けている、という可能性が無くもないからだ。
そうやって考える内にふと思い出したが、そういえば…シーリンはどうしているのだろうか?
今回のこの騒動がマリナが原因となっているのなら、あるいは元とはいえ侍女であった彼女にも手が及ぶことも……いや数%の確立か。
あるいはシーリンが原因となって、というのも考えられるが…それはあまり考えない。彼女がそんな失敗をするとは考えにくい。人間だから、やることはあるのかもしれないけれど。
そんなことを考えている内に、新しい一つの可能性に思い至る。
「ねぇ」
思うだけでは仕方がないので、マリナは自分を拘束している彼らに訊いてみることにした。危害はまだ加えられないだろうし、暇なこともあったので。
「ちょっと良いかしら?」
「…何だ」
返ってきたのは呆れと不機嫌さが入り交じった声音。突然に話かけられて不機嫌になる気持ちと、連れ去っている相手が普通に話し掛けてくることに対しての呆れ……というところだろうか。
片方は黙っていたが、それでも構わないと思う。どちらか一方でも答えてくれるのなら何でも良い。
軽い微笑みを浮かべて、マリナは問いを発した。
「何で、私は連れ去られているの?」
「答える必要は…」
「昨日、勝手にケーキを食べてしまったから?」
「…無………………は?」
呆けた返事をする相手に、しかしマリナは構うことなく現状の原因かも知れない昨日の自分の行動を振り返っていた。
「確かに、あのケーキは食べて良いとは言われていなかったわ。けれど食べてはダメとも言われていなかったの。つまり、これって私の判断次第って事よね?」
「いや…」
「あぁ、それともその次に紅茶も淹れた事かしら?それともそれとも…それを秘密にしてしまったこと?だったらごめんなさい。私…」
「ちょっと待て!」
「あら、何かしら?」
慌てた様子の強い制止に、マリナはキョトンと相手を見やった。
先ほどから答えてくれている方の相手は何だか疲れた様子で、もう片方は肩を震わせて笑っている。連れて行かれている自分が言うのも何だが、これでちゃんと仕事が出来るのだろうか……心配だ。
それはともかく。
「いいか、マリナ・イスマイール…それは違う。断じて違う」
「そうなの?なら本当の理由は?」
「それは話さない。知る必要もない」
「人間には知る権利というものがあるのよ?」
「それは何もない一般人に言えることで…」
「じゃあ、一般人以外は人間じゃないというのかしら?そうしたら、多分……貴方も人間じゃないわよ?」
クスリと笑いながら言うと、相手は渋い顔をした。
その様子が何とも面白かったので、それに免じて質問は止めにすることにする。
黙った自分にホッとしたのか、安堵の息を吐く相手と、まだ笑っているらしいもう一人を見ながら、マリナは考える。
さて、次はどんな質問をしようか?
…何か天然入ってるような?
マリナ様が何をしているのかとか、ちゃんとは分かってないけど…多分、やっぱり国のためでしょう。