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二万打お礼『正式』もこれで最後。ロクアレ………ロクアレ?な出来に仕上がっております。ごめんなさい。
チビスターズ一期が終わった今だからこそ出せる後日談…みたいな感じです。



 刹那とアレルヤが小さくなると言う騒動が起こって、数週間経ったある日。
 ミッションで地上に降りていたロックオンは、違和感を感じながら目を覚ました。
 ……何だろう、服がブカブカな気がする。それに、何だか感覚が妙で…。
 ゆっくりと起き上がってみると、その違和感の正体がはっきりと分かった。
 起き上がって見える足が、短い。
 伸ばした手も、普段の長さではない。
 それらが指す結論とは、すなわち。
「……俺、小さくなったのか?」
 にわかには信じがたいが、ロックオンは前例を数週間前、しかも二人も見ている。その上、二人とも仲間と言うから印象は強く……事象を自然と受け入れていた。
 凄いな、といっそ驚嘆の念を抱きながら小さな手のひらを眺めていると、突然、勢いよくドアが開いた。
 そこから入ってきたのはアレルヤ。
 しかも……彼も小さい。
「ロックオン!大変…で……す…?」
「よ、アレルヤ」
 まさか自分にまで異変が起こっているとは想像していなかったのだろう、小さくなったロックオンを見て自分以上に呆然とするアレルヤに、軽く手を振ってみせる。
 混乱しているらしい彼の元に向かい、若干背の低い彼の頭をポンと叩く。
「どうやら今回は俺も、らしいぜ」
「らしいぜ……じゃないですよ…何でそんなに冷静なんですか……?」
「んー、まぁ、焦ってみても意味無いってね」
「それは、そうですけど……」
 笑ってみせると、困ったような表情をアレルヤは浮かべた。
「だからといって、そこまで気にしないことも…凄いですよ?」
「俺には前例があるしな。お前さんだって二度目だし、さすがに最初ほどのパニックは無かっただろ?つまりはそういうことだ」
 さすがに前例もなくこうなったら、夢かと思って二度寝しているところだが。
 それよりも、とロックオンは首を傾げた。
「…ハレルヤは?」
「あぁ、ハレルヤならここです」
 そう言ってアレルヤが指さしたのは、丁度心臓の辺り。
 ……これはつまり。
「今回は分裂は無しってことか?」
「みたいです。あと付け加えると、ハレルヤ…かなり熟睡してるらしくて」
 さっきから読んでるんですけど反応もないし、起きる気配すらなくて……こっちに駆け込んできちゃいました。
 恥ずかしげに笑うアレルヤを見て、ロックオンは今この状況に多大なる感謝の念を贈った。良かった。二人きりで本当に良かった。のんびりと過ごせるし、何より他のマイスターからの妨害工作(冗談にあらず)も無い…ハズだ。
 ハズ、というのは以前あったからで。
 ……うん、今回は無いことを祈ろう。
「ロックオン?急に黙って…どうかしましたか?」
「え?あ、いや……何でもない」
 気付かなかったが黙ってしまっていたらしい。
 失敗したなと思いつつ気を取り直し、笑みを浮かべてアレルヤの手を引く。
「お互いに背が高くて良かったな…衣類はもう何とかなりそうだしこのままってことにして、さっさと朝食でも取ろうぜ」
「…ですね。悩んでもしょうがないし」
「だろ?」
 二人で笑い合って、リビングへ向かう。
 ……ただ、この後が問題だったのだ。



 遙か彼方にある棚の取っ手を見上げながら、呟く。
「……俺、いつもはあんなのに手が届いてたんだな…」
 小さいからこそ分かる、新しい発見である………あまり嬉しくないが。
 さてどうしようと、ロックオンは口元に手を当てて考え始めた。
 あそこに食器がある。ということはつまり、あの場所まで手が届かないと食器が使えないという事であり……さらに付け加えてしまうと椅子に乗っても、ギリギリ届かない。その上で肩車とか、自分とアレルヤのどっちかが台になれば届くだろうが……ハッキリ言うと、危険すぎるのでやる前に却下だ。
 どうしたら良いんだろうかと悩んだ末、至った結論は。
「…諦めるか」
 食器の一つや二つ、無くてもどうにかなる…ハズだ。
 無理矢理そう言い聞かせて、冷蔵庫の方を漁っているアレルヤの方を見る。
「どうだ?何かあったか?」
「料理の方は一応…問題はありません。台さえあればコンロにも届きますから」
「問題は食器か……やっぱり」
「……はい」
 作っても、食器がなければ盛りつけることは出来ない。まさかフライパンや鍋に入れたままというのはキツイだろうし。……不幸中の幸いで、ナイフやフォークと言った物は棚の比較的下の方にあるから、そこの問題は無いのだが。
 キツかろうと、フライパンのままで行くか…?とさえ考え始めた頃。
 部屋の、呼び鈴が鳴った。
 ……いや、無人島でなくマンションの一室だし、こういうことが無いわけではないのだが……だからといって、今、どうして今来るのだろう…?
「誰…だろ」
「さてな……刹那やティエリアだったら良いんだが……」
 ここで一般人(自分たちを知らない誰か)が来たら大変なことになる。小さな子供が二人、キチンとした衣類も着ずに部屋にいるのだ。親が置き去りにした……とかいう話になって、警察沙汰になる心配まで出てくる。
 もしも本当に一般人だったらどうしようと思いながら、ロックオンはアレルヤに朝食の準備を頼んで玄関へと向かった。場合によっては、アレルヤだけでも逃がすべきだろうから、出て行くのは自分だけで良い。
 玄関に着いたロックオンは、軽く高いと思える位置の鍵を小道具(棒とか)を使って開け、扉をゆっくりと押し開いた。
 果たして、そこにいたのは。
「……ロックオン・ストラトス…どうしたのですか?」
「まさか…アンタまで……」
 ティエリアと、刹那だった。ちなみにサイズはいつも通り。
 一般人じゃなかったことに安堵の息を漏らしながら、ロックオンは二人を部屋の中へと招き入れた。立ち話もなんだし、何より自分の服装が服装である。あまり玄関口で放す気にはなれなかった。
 そこは分かってくれたらしい、二人は何も言わずに承諾して、部屋の中に入った。
 こんなワケの分からない状況で、他に二人の仲間が現れてくれたことを嬉しく思う反面……少し、残念でもある。折角、二人きりだったのに。
 ……というか、どうして宇宙にいるはずのこの二人が…?
 考え、結論に至った瞬間。
 思わずロックオンは、いつの間にか直ぐ傍に来ていたハロを掴んで投げつけていた。
「っ!?……何をする、このロリコン・貧乏くじ!」
「俺はそんな名前じゃないっつーに!じゃなくて、お前ら絶対、俺とアレルヤが二人きりにならないように邪魔しに来たな!?」
「ふん、分かっているのならば話は早い……今すぐ消えてもらいましょう」
「出来るもんならやってみろ!ロックオン・ストラトス、目標を狙い撃つ!」
「ティエリア・アーデ……目標を抹殺する!」
「刹那・F・セイエイ、目標を駆逐する!」
 こうして。
 戻ってきたハロを掴んで構えたロックオンと、いつもときめゼリフが違うティエリアと、敵意丸出しの刹那の三つどもえの争いが始まった。
 ……勝負は、不審に思ったらしいアレルヤが来て慌てて止めてしまったので、結局つかないままだった。




最初は順調だったのに…途中で二人が来ちゃうから…方向が……妙な方に…。
ちなみに、今回は一日ですぐに戻ります。話の続きはありません。
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