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凄く久しいです。久しい物だらけですね、最近。
色お題なので、一期設定です。
08.一握り
「全く……どうして俺がこんな場所に」
「体よく追い出されたというか地上に降ろされたというか……そんな感じだしね」
「…地上は嫌いだ。重力も日光も人混みも何もかも……」
「そんなこと言わないでよ…。けどまぁ、今回、地上に降りるのって…アレだし、さ」
だからそれに関して、君が言いたいことは分かるよ。
そう苦笑するアレルヤを見、ぐるりと部屋の中を見渡す。
物がほとんどない殺風景すぎる室内だったが、それはティエリアにとっては好都合。あまりゴタゴタと物がある部屋は嫌いだ。このように行き過ぎるほどシンプルな方が、むしろ落ち着くというものだ。本棚か何かが一つくらいはあってもいいだろう、ということくらいは思うのだが。
「で?部屋の主は?それから自称保護者は?」
「二人とも夕食の買い物に行ってるよ。僕らは『無理矢理休暇』の真っ最中だしね、あまり動かしたくないんじゃないかな?」
「フン……馬鹿馬鹿しい」
そんな気遣いは不要だというのに。
だいたい、その『無理矢理休暇』というのが必要ない。ティエリアは宇宙にいたくて宇宙にいて、暇だからと仕事を手伝っていただけだ。アレルヤは元来働き者だし、まぁ、彼の方には『無理矢理休暇』は必要かも知れないが。そうでもしないと彼は休みそうにない。
……話は逸れるのだが、どうしてここにロックオンがいたのだろう。刹那はともかく、彼がいる必然性が分からない。ここは東京で、今ティエリアとアレルヤがいるのは、そこにある刹那の仮の住まいなのだ。どうせなら留美の別荘かどこかを用意すれば良いと思うのだが、どうせアル中戦況予報士の思いつきだろう。一緒においた方が、自分と刹那の仲が良くなるんじゃないかとかいう。
だからまぁ、待機中の刹那の元へ送られたのは分かった。けれど、だからといってロックオンがそこにいる、というのはどうだろうか。刹那がちゃんと生活できているか不安だったとか言っていた。そんな暇がどこに、と思ったのだがそういえば彼も休暇だったかと思い返した。
……世界は何をしているのだろうか。紛争を起こせとは言わないが、ここまで何もない日があるのも違和感だが……別に良い。やることが無いというのはつまり、紛争がないということである。それがCBの活動目的であるのだから、現状は歓迎すべき状態なのだ。
ふぁ、と欠伸をする。少し眠い。
室内にいるのがアレルヤ一人というのを確認する。問題は無さそうだ。
「アレルヤ・ハプティズム、俺は少し眠る。三十分経ったら起こせ」
「いいよ」
「決してハレルヤに替わるな。君ならまだしも、彼に寝顔は見せたくないからな」
「……そう?うん、そういうことなら分かったよ…じゃあ、おやすみ」
「あぁ」
ソファーで隣り合って座っていた彼の膝に断り無く頭を乗せ(どうせ訊いたところで、返ってくるのはイエスという返事だけだ)、ティエリアは静かに瞳を閉じた。
~おまけ 十五分後の話~
L「ただいまー」
S「帰った」
A「あ、お帰りなさい」
T「遅かったな」
A「あれ!?ティエリア、どうして起きてるの!?まだ三十分経ってないよ?」
T「俺の寝顔を見て良いのはアレルヤ、お前だけだ」
A「え?」
T「刹那・F・セイエイとロリコン・ストラトスに俺の寝顔を見せたくないしな」
L「ティエリア!?俺はロックオンだぞ、ロックオンだからな!?」
S「黙れロリコン」
L「なっ……刹那、お前も反抗期か!?」
S「違う。単なる事実だ」
L「刹那ぁ……」
A「ロッ……ロックオン、泣かないでください!」
L「あー、もうお前だけが俺の味方だよ…ありがとな、アレルヤ…ぶっ」
T「俺の許可無くアレルヤに抱きつこうとしないでください」
A「ティエリア…いきなり殴ったら、ロックオンが可哀想だよ……」
何かアレルヤのツッコミどころが違う……ティエリアのセリフにツッコミましょう。