式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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途美学園の方にも、二期のメンバーをそろそろ出しましょう。
…ということで、ライルとミレイナが登場します。
「て……転校生……だと…?」
「はい!ミレイナ・ヴァスティです!よろしくです!」
明るく挨拶をする彼女……このたび、一年C組に転入することになったというミレイナという存在に、ティエリアは衝撃を受けていた。
有り得ない。
この状況は……有ってはいけない。
彼女には途美学園、という場所がどのような所か分かっているのだろうか?もし分かって転入してきたのだとしたら……たとえ父がここで働いていたとしても、それは自殺行為だと形容するしかないだろう。
何故ならここは『途美学園』である。正直……ここまで勉強に励みにくい学校環境は他には無い気がする。教師が度々替わってしまうことも問題だし。
そんな場所に、転入。
正気の沙汰とは到底、思うことが出来なかった。
……いや、本気で。
ならばどうして自分はここにいるのだろうか……と思いはするが、それはヴェーダの采配である以上は仕方がない。一度目に止まれば、絶対に逃げることは出来ない。さらに付け加えるなら、ティエリアは彼女の親戚。他のメンバー以上に逃げ出すのは難しい。
「オイ」
呼ばれていたわけでもないのに生徒会室にいたハレルヤが、椅子に座ったままにミレイナの方へと顔を向けた。表情には、彼女の行動に対する不可解さがありありと滲み出ていた……無理もないが。
「テメェ、自分が何したか分かってんのか?」
「何って……転入しただけですよ?」
「それが『だけ』では済まないから訊いている」
窓際で壁にもたれ掛かっていた刹那はゆっくりと顔を上げ、溜息を吐いた。
「しかもアンタ、寮にまで入るんだろう?」
「え、そうなの!?」
声を上げたのはアレルヤ。本気で驚いているようで、昨日ヴェーダが言っていたというのに…と考えて思い直す。そういえば昨日は、彼はハレルヤと一緒に学園の外に出ていたのだ。ヴェーダに頼まれたとか何とかで、何を受け取ってきたのかは決して教えてもらえなかったのを覚えている。
ともかく……そう、そこなのだ。
寮には生徒会メンバーが数多く入寮している。ティエリア然り、アレルヤ然り、刹那然り。最近ではほぼ仮メンバーとされているハレルヤだっているし、よく巻き込まれるロックオンまでいるという有様。
そのような状況である以上、入ってしまえば巻き込まれない可能性は、低い。そして……そうであっても、一般生徒ならともかく、『イアンの娘』という肩書きを持っているのならば、自然と『こちら側』に部類されること間違いないのだ。巻き込まれない可能性は低いどころでなく、むしろゼロと言っても過言ではない。
しかし事の重要性を理解していないのか、ミレイナは笑いながら手をパタパタと振った。
「そんなに心配しなくても大丈夫です!」
「楽観的だな……」
押し寄せてきた疲れに力を抜き、身を椅子に預けて額に手を当てた。だめだ……彼女の思考回路が理解できない。する気もないが。
一応イアンの娘だし、イアンには世話になることが多いから少々なら助けてやらないことも……と考えていたとき、ふいに、ギィと音をたてて生徒会室の扉が開いた。
目を向けると、そこにはタバコをくわえたロックオンの姿が……タバコ?
おかしい、とティエリアは警戒心を抱いた。ロックオンがタバコを吸う場面は見たことが無く、勝手に部屋に入ったときにもタバコの箱は見た覚えがない。
では、この男は……?
訝しく思いながら、他の数名の様子を見る。
気付いたらしいハレルヤはさり気なく、庇うようにアレルヤの前に出ていた。そしてアレルヤは戸惑い顔で、刹那は奇妙な物を見るような目をしていた。現段階では部外者であるミレイナはキョトンとしていたが…当然である。
こんな自分たちの様子に気付いたのだろう、相手は苦笑を浮かべてから肩を竦めた。
「オイオイ……何もケンカふっかけたワケでもないのに、その反応ってどうだ?」
「あ……その、すみません」
反射的にか謝って、それから怖ず怖ずと、ハレルヤの服の端を持ってアレルヤが口を開いた。良く分からない相手なので、彼も警戒しているのだろう。
「ところで、貴方は……」
「ライル、お前どうして生徒会室に真っ先に向かうんだっ!?」
誰、とでも訊こうとしたのだろうが、しかしその言葉は正真正銘、ロックオン・ストラトスの声に遮られた。
待つこと数秒、現れたロックオンはどこか慌てた様子で、『ライル』と呼んだ瓜二つの男性の腕を掴んだ。
「お前、まずは職員室かどっかに行くだろ普通!挨拶とか顔見せとか!」
「いやな、兄さんがいつもいつも離してくれる生徒会メンバー、気になってしょうがなかったんだよ。てなワケだから悪いのは兄さんな」
「何で!?」
容姿がまったく同一な二人を眺めつつ、ティエリアは先の会話で得た情報を整理した。
つまり……そっくりなのは『ライル』という名のロックオンの弟で、兄とは違ってタバコを吸う……と。
そこまで把握して、机の上に置いてあった消しゴムを二つ、手に取る。
それからそれを、両者の眉間めがけて投げつけた。
結果。
「痛っ!?」
「危ねっ!?」
片方には見事に命中。片方はギリギリではあるものの、かわした。
成る程、と納得しながら一言。
「避けられる方が『ライル』か……」
「お前…それを見るためだけに投げたのか!?」
「生徒会長さん凄いですー!」
叫ぶロックオンと騒ぐミレイナを無視して、立ち上がったティエリアはゆっくりとライルの方へと向かう。
そして、ピタリと目の前で立ち止まって、ライルの顔を見上げた。
「どうやら新任の教師らしいが……一つ、言っておくことがある」
「へぇ?何だ?」
続きを促され、ティエリアは厳かに言った。
「学園内は禁煙だ」
「……へ?」
「今後は学園内での喫煙は止めてもらう。聞き届けられないようなら…こちらにも考えがある。覚悟しろ。それから…刹那、そこの書類を持って来てくれ。ヴェーダを確保に行く」
「了解だ」
窓際から刹那が離れたのを確認して、ティエリアはライルとロックオンの間をそのまますり抜け、学園所有者がいるであろう部屋へ、帰ってしまう前に仕事を押し付けるべく歩き出した。
ロックオンはニールさん。ライルはライルってことで。途美学園ではロックオン=ニールなのであしからず。
「はい!ミレイナ・ヴァスティです!よろしくです!」
明るく挨拶をする彼女……このたび、一年C組に転入することになったというミレイナという存在に、ティエリアは衝撃を受けていた。
有り得ない。
この状況は……有ってはいけない。
彼女には途美学園、という場所がどのような所か分かっているのだろうか?もし分かって転入してきたのだとしたら……たとえ父がここで働いていたとしても、それは自殺行為だと形容するしかないだろう。
何故ならここは『途美学園』である。正直……ここまで勉強に励みにくい学校環境は他には無い気がする。教師が度々替わってしまうことも問題だし。
そんな場所に、転入。
正気の沙汰とは到底、思うことが出来なかった。
……いや、本気で。
ならばどうして自分はここにいるのだろうか……と思いはするが、それはヴェーダの采配である以上は仕方がない。一度目に止まれば、絶対に逃げることは出来ない。さらに付け加えるなら、ティエリアは彼女の親戚。他のメンバー以上に逃げ出すのは難しい。
「オイ」
呼ばれていたわけでもないのに生徒会室にいたハレルヤが、椅子に座ったままにミレイナの方へと顔を向けた。表情には、彼女の行動に対する不可解さがありありと滲み出ていた……無理もないが。
「テメェ、自分が何したか分かってんのか?」
「何って……転入しただけですよ?」
「それが『だけ』では済まないから訊いている」
窓際で壁にもたれ掛かっていた刹那はゆっくりと顔を上げ、溜息を吐いた。
「しかもアンタ、寮にまで入るんだろう?」
「え、そうなの!?」
声を上げたのはアレルヤ。本気で驚いているようで、昨日ヴェーダが言っていたというのに…と考えて思い直す。そういえば昨日は、彼はハレルヤと一緒に学園の外に出ていたのだ。ヴェーダに頼まれたとか何とかで、何を受け取ってきたのかは決して教えてもらえなかったのを覚えている。
ともかく……そう、そこなのだ。
寮には生徒会メンバーが数多く入寮している。ティエリア然り、アレルヤ然り、刹那然り。最近ではほぼ仮メンバーとされているハレルヤだっているし、よく巻き込まれるロックオンまでいるという有様。
そのような状況である以上、入ってしまえば巻き込まれない可能性は、低い。そして……そうであっても、一般生徒ならともかく、『イアンの娘』という肩書きを持っているのならば、自然と『こちら側』に部類されること間違いないのだ。巻き込まれない可能性は低いどころでなく、むしろゼロと言っても過言ではない。
しかし事の重要性を理解していないのか、ミレイナは笑いながら手をパタパタと振った。
「そんなに心配しなくても大丈夫です!」
「楽観的だな……」
押し寄せてきた疲れに力を抜き、身を椅子に預けて額に手を当てた。だめだ……彼女の思考回路が理解できない。する気もないが。
一応イアンの娘だし、イアンには世話になることが多いから少々なら助けてやらないことも……と考えていたとき、ふいに、ギィと音をたてて生徒会室の扉が開いた。
目を向けると、そこにはタバコをくわえたロックオンの姿が……タバコ?
おかしい、とティエリアは警戒心を抱いた。ロックオンがタバコを吸う場面は見たことが無く、勝手に部屋に入ったときにもタバコの箱は見た覚えがない。
では、この男は……?
訝しく思いながら、他の数名の様子を見る。
気付いたらしいハレルヤはさり気なく、庇うようにアレルヤの前に出ていた。そしてアレルヤは戸惑い顔で、刹那は奇妙な物を見るような目をしていた。現段階では部外者であるミレイナはキョトンとしていたが…当然である。
こんな自分たちの様子に気付いたのだろう、相手は苦笑を浮かべてから肩を竦めた。
「オイオイ……何もケンカふっかけたワケでもないのに、その反応ってどうだ?」
「あ……その、すみません」
反射的にか謝って、それから怖ず怖ずと、ハレルヤの服の端を持ってアレルヤが口を開いた。良く分からない相手なので、彼も警戒しているのだろう。
「ところで、貴方は……」
「ライル、お前どうして生徒会室に真っ先に向かうんだっ!?」
誰、とでも訊こうとしたのだろうが、しかしその言葉は正真正銘、ロックオン・ストラトスの声に遮られた。
待つこと数秒、現れたロックオンはどこか慌てた様子で、『ライル』と呼んだ瓜二つの男性の腕を掴んだ。
「お前、まずは職員室かどっかに行くだろ普通!挨拶とか顔見せとか!」
「いやな、兄さんがいつもいつも離してくれる生徒会メンバー、気になってしょうがなかったんだよ。てなワケだから悪いのは兄さんな」
「何で!?」
容姿がまったく同一な二人を眺めつつ、ティエリアは先の会話で得た情報を整理した。
つまり……そっくりなのは『ライル』という名のロックオンの弟で、兄とは違ってタバコを吸う……と。
そこまで把握して、机の上に置いてあった消しゴムを二つ、手に取る。
それからそれを、両者の眉間めがけて投げつけた。
結果。
「痛っ!?」
「危ねっ!?」
片方には見事に命中。片方はギリギリではあるものの、かわした。
成る程、と納得しながら一言。
「避けられる方が『ライル』か……」
「お前…それを見るためだけに投げたのか!?」
「生徒会長さん凄いですー!」
叫ぶロックオンと騒ぐミレイナを無視して、立ち上がったティエリアはゆっくりとライルの方へと向かう。
そして、ピタリと目の前で立ち止まって、ライルの顔を見上げた。
「どうやら新任の教師らしいが……一つ、言っておくことがある」
「へぇ?何だ?」
続きを促され、ティエリアは厳かに言った。
「学園内は禁煙だ」
「……へ?」
「今後は学園内での喫煙は止めてもらう。聞き届けられないようなら…こちらにも考えがある。覚悟しろ。それから…刹那、そこの書類を持って来てくれ。ヴェーダを確保に行く」
「了解だ」
窓際から刹那が離れたのを確認して、ティエリアはライルとロックオンの間をそのまますり抜け、学園所有者がいるであろう部屋へ、帰ってしまう前に仕事を押し付けるべく歩き出した。
ロックオンはニールさん。ライルはライルってことで。途美学園ではロックオン=ニールなのであしからず。
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