[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今まで、戦術予報士不在のミッションって…普通の状況とかで、ありましたっけ?
という感じの今回の話です。
…『挑戦』というのは…少し、難しかったです。
06.挑戦 (第六話:傷痕 刹那)
「何って言うか……無茶、だよね」
「何がだ?」
「これから僕らがすること」
ブリッジからガンダムの元へ向かう途中の話。
マイスターは四人揃って廊下を進んでおり、そんな中でアレルヤがポツリと呟くようにこう言った。刹那が聞き返せば、苦笑が返ってきた。
「だって…戦術予報士不在の作戦なんて……ね。今まで無かったでしょう?」
言われてみれば……確かに、無かった気がする。
マイスターが全員揃わないだとか、戦力が整っていなかったりということは、戦いを行っているのだから何度かはあった。むしろそうでない時の方が珍しいくらいで、全員揃っていたりしてもガンダムの整備が完全でない……ということも、しばしば。
けれども、戦術予報士はいつも健在だった。
健在で……特殊な状況でなければ、いつも自分たちに指示を与えていたように思う。
「だが、やらねばならない。それは分かっているな?」
「そのくらい、僕だって分かってるよ」
「どうだかな……」
はぁ、と溜息を吐いて、ティエリアが続ける。
「君はそう言っていても、実はあまり分かっていなかった……というケースが多々、見受けられる。こちらとしては心配でならないんだが」
「ティエリア……そんなに僕って信用無いの……?」
少し悲しげに言うアレルヤから視線を外して、刹那はマイスター最後の一人……ライルの方を見た。彼はカタロン構成員…自分たちよりも今回のミッションについて、思うところがあるに違いない。
そうして伺いみた彼は……どこか、苛立っているようにも見えた。
何故かと首を傾げているうちに、ライルはゆっくりと口を開いた。
「……やる気あんの?」
損言葉を聞いて、あぁ、と納得する。
この二人の会話が気に入らなかったらしい。
事が事だからだろうが……そんな度量の狭さで大丈夫だろうかと、刹那は一人、僅かながらも心配した。別のことならこれほどまでに思わないのだろうが、カタロンに関する作戦という作戦でこれでは……困る。
何かを言わなければと思い、言うべき言葉を探してみるが……しかし、その必要もなく、キョトンとした表情のアレルヤが先に彼に答えた。
「ありますけれど……どうかしましたか?」
「アンタらの会話を聞いてると、どうしてもそう思えなくてね。何て言うか……雰囲気が軽いような気がしてな」
「大丈夫ですよ」
困ったように、彼は笑った。
「その……少し緊張してるんです。だから話して、紛らわせたいなって」
「緊張?」
「だってスメラギさんの意識は戻りませんし……相手はアロウズ…精鋭部隊、その、ちょっとした隊ですよ?ちょっとしたミスも命取りになりますから……」
「決して今回の作戦を軽んじ、このような話題を口にしていたわけではない。というか……軽い軽くないというのを君が言えると思うな」
最近はちゃんとしてきているようだが。
フンと鼻を鳴らし、ティエリアはその後すぐにフッと笑った。
「ある意味…未知への挑戦だ。ある程度、緊張をほぐさせた方が良いだろう?」
「させたって……君は緊張してなかったの?」
「当然だ」
「そっか……刹那は?」
「俺もあまり」
「……僕だけ…?」
「そういうことだな」
こくりと頷いてやって、刹那は足を速めた。
言ったとおり、緊張しているわけではないが……少し早めにダブルオーの元へ辿り着いて、ただコクピットで戦いに備えたいと思った。
大分こじつけだけど…まぁ、何と言うか……本編から逸れてないような気が、しなくもないので、良しとしましょうか……。挑戦とか、本当、本編のどこにありましたか、っていう話だ。