[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ようやくアンケート品を書き始めた…のは良いのですが。
何かをどこかで間違えて、連載になってしまいました。
……なんだろう、どこで間違えたんだろう……。
あ、あと、時間軸は適当すぎるほど適当ですので、深く考えない方が良いかもしれません。
目が覚めて一番最初に言えるのが知らない天井だなんて、一体何の冗談。
呆然と瞳に映る風景を眺めていると、ふいに体や顔に影がかかり……その影が楽しそうに笑った。
「おはよう」
「え?あ……おはようこざいます」
「コーヒーか何か飲む?」
「あ…はい」
「そう。じゃ、ちょっと待っててね」
自分の顔を覗き込んでいた相手が離れ、その背が遠のき見えなくなるのを寝ころんだまま見送って、見えなくなること数秒後。
少しばかり頭に掛かっていたもやが晴れ、アレルヤはガバリと起き上がった。
「ここどこ!?」
ソファーの上(今気付いた)で思わず周囲を見渡す……が、やはり見覚えのない部屋だった。トレミー内にこんな場所は無い。こんなに明るすぎて、階段があって、窓?の向こうに植物があるような場所は。
自分の姿を見れば制服のまま。作戦中に捕まった……と言うことはないらしい。
『らしい』というのは、つまりここに来るにあたっての前後の記憶がハッキリとしていないのだった。ここに来ることになった経緯というモノが全く思い至らない。
どういうことだろう、と必死に考え込んでいると近付いてくる足音が耳に届いた。さっきの人が帰ってきたのかも知れない。
そういえば、あの人はティエリアによく似てたな……なんて思っていると、現れたのは全然別の誰か。目をぱちくりとしていることから、その薄い紫の髪の人にも自分がいることは想定外だったらしい。こちらだって、このような場所にいるのは驚きだった。
とりあえず。
「えと……こんにちは」
「あ、あぁ……あぁ……?」
王子ながらも何かが変だとは分かったらしい。相手は眉間に皺を寄せて唸り始めた。
「何故……?どうして我々以外の何者かがこの場所に……?関係者ならともかくとして、彼は間違いなく無関係だろうに……」
「あ、それは僕が連れてきたから」
「成る程、そういうこ……と!?」
「何を驚いているのさ」
不思議そうに首を傾げて、この場所で一番最初に出会ったティエリアそっくりの誰かは、よく見ればアニューそっくりに見える青年の後ろから、すいと自然な動作で室内に入った。手には二つのカップを持っていて、アレルヤの前まで来たところで片方をこちらに差し出して微笑む。
「はい、コーヒー。ちょっと熱いから気をつけて」
「ど……どうも」
「リジェネ!」
思わず受け取ったところで、アニューそっくりな気がする誰かがズカズカと室内に入ってきた。そうして、リジェネと呼ばれたティエリアそっくりな人の傍で止まる。様子からして……怒っているらしい。怒気が凄かった。
しかしそれをものともせず、リジェネは訝しげに彼を見た。
「何だい、リヴァイヴ」
どうやら、彼の名前はリヴァイヴというらしかった。
「何題、も何もないよ!どうして君はそう勝手な行動ばかり……!」
「だってさ、ティエリアに会いに行ったら、彼が艦から出て伸びをしてたりする現場を見ちゃったんだよ?すっごく無防備だったしさ、やっぱりそういう時って連れ去って行くべきだよね」
「絶対違う!」
リヴァイヴの叫びを聞きながら、アレルヤはそういえば……と少しだけ過去を思い出していた。
確か、あの時はずっとトレミーの中では気が詰まるだろうと、無理矢理にスメラギにトレミーの外へと押し出されたのだった。それで、ならば仕方ないだろうとのんびりと体を休めたり深呼吸したりしていたところで後頭部に衝撃が……衝撃?
……まさか。
アレルヤは慌てて首を振った。そんな嫌な予想は考えたくもない。
「でもさ、普通にしても来てくれないでしょ?初対面だし」
「人の話は聞いちゃいないんだね……」
「うん。でさ、だから隙を突いて後ろから大きな岩でガツーンと」
……が、その嫌な予想は無邪気そうなリジェネの言葉によって肯定されてしまった。
ちょっと気が遠くなりかけたのを気合いでグッと堪え、怖ず怖ずとリジェネとリヴァイヴに問いかける。
「あの……帰って良いですか?」
「ダメ。少なくとも僕が飽きるまではダメだよ」
という形でアレルヤの苦労の日々が始まるのです、多分。