式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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いらっしゃいませマイスター!も、何か微妙に佳境かも知れません。
でも佳境なのか本気で微妙すぎる…。
「……何で君たちはこんなヒラヒラな服を着てるの?」
「とりあえずコレが僕らの制服ですから。リボンズが用意したんですよ……リジェネと一緒に」
「あ、そうなのかい?」
「えぇ」
ヒラヒラとしたイノベイターの服を持ち上げてしげしげと眺めるアレルヤに、そんなに気になるのかと、リヴァイヴは洗濯物をたたむ手を休めずに首を傾げた。自分は慣れているが彼は違うから、もしかしたらこのデザインは珍しいのかも知れない。
「良かったら着てみますか?」
「え……いや、良いよ別に。これ以上迷惑をかけるわけにはいかないからね」
「この程度は迷惑の内にも入らないと思うのですが」
「でも……」
躊躇っている様子のアレルヤが今、手に持っているのはCBの制服。先に持っていた自分たちの内の誰かの服は既にたたんである。
そして、CBの制服を着ていないアレルヤが現在身につけているのはジーパンとシャツだった。どちらもブリングが発見してきた物で、初めてこれらを目にしたときには感動すら覚えた物だ。まさか、この住居にイノベイター制服あるいはパーティ用のスーツ以外の衣類が存在するとは……思ってもいなかったのだ。そういえば持ってきたブリングでさえ意外そうな顔をしていたから、これは恐らくイノベイター全員の共通意識だ。
「貴方の服を洗って、服を貸すくらいは迷惑ではありません。僕たちはそれ以上に貴方に助けられています。料理と家事とかとにかく色々と。だからこれからもお願いしますね」
「そういってもらえるのは嬉しいんだけど……」
「けど?」
「その物言いだと、やっぱり帰ったらダメなんだね……」
「当然です」
きっぱりと断言すると、返ってきたのは苦笑だった。
「だろうねぇ……そう言われると思ってた」
「ここが嫌ですか?」
「いいや?元いた場所に帰りたいなぁ…とかは思うけれど、ここにいるのも楽しいからね。それにリヴァイヴたちって仕事があるんでしょう?リボンズにもあるみたいだし、これでもしも僕がいなくなったらリジェネの相手がいなくなるっていうか……彼、一人だけだと凄く暇そうなんだ」
「でしょうね……」
リヴァイヴは同意を示した。リジェネが凄く暇そうだという点に対して。
リジェネは確かに暇を持て余している。でなければティエリア・アーデの所へ一人で勝手に会いに行くことは出来ないし、アレルヤを連れ帰ることだって出来なかっただろう。
全ては彼の自由すぎる思考と自由すぎる時間の使い方故なのだった。
まぁ、お陰でアレルヤに会えたと言うことになるのだろうか。そこだけは素直に感謝を述べても良いのかもしれないが……いや、やっぱり褒めない。今度、どれほど効果があるかは分からないが厳重に注意しておこう。直るとは思えないが。
「ふぅ……たたむのもあと一着で終わりだね」
「あ、僕がやります」
絨毯の上の最後の一着を素速く取って言う。この数日で彼にはとてつもなく世話になっている。最後の一着くらいでは何も変わらないかも知れないが、やらないよりはやるほうがマシだろう。
そこは分かったのか分かっていないのか、いつものように穏やかにアレルヤは答えた。
「そう?…ありがとう、リヴァイヴ」
「気にしないで下さい」
このくらいのこと、本当に気にするまでもないことだ。単に一着だけ、なのだし。
だというのに気にしてくれて微笑んでくれるアレルヤは、深く考えるまでもなく『良い人』だった。
出来ればこの毎日がずっと続けば良いと思うほどに。
彼は、とても良い人だった。
自分たちはアロウズに属し、CBと敵対している身ではあるが……そんなことを些細だと思ってしまうくらいに良い人で。どうせいずれ滅びるCBにいるよりはこちらにいてくれたら良いと思う。リジェネがいるからきっと、一人で寂しいと言うことも無いだろうし。
そんなことを思っていたら、ふいに、アレルヤが顔を上げた。
「あれ……通信の音…」
「そうですか?僕には聞こえませんが」
「ううん。ちゃんと聞こえるよ。この時間だし……ヒリングあたりかな。見てくるね」
そうして出て行くアレルヤの背を見送って、リヴァイヴは急に嫌な予感に襲われた。
自分には聞こえなかったが本当に通信があったとして……それが事情をする自分たちイノベイター以外のだれか、だったら?ここに通信をしてくるのは自分たちだけではなく、高い位置にいる人間もなのだ。もしもそんな誰かが連絡してきたとして……バラしてしまう可能性は、充分あった。
自分たちがイノベイターであると。
「それだけは避けなければっ!」
「何を避けるの?」
勢いよく立ち上がった己の背に、静かな声が刺さった。
思わずそのまま普通に振り返り、瞬間、リヴァイヴは後悔した。
アレルヤが浮かべていたのは、ちょっと怖い笑みだった。
「ねぇリヴァイヴ、君たちがイノベイターって、本当なの?」
ということで…バレました。ていうか絶対にバレるよね、これ。時間の問題ですよね。
「とりあえずコレが僕らの制服ですから。リボンズが用意したんですよ……リジェネと一緒に」
「あ、そうなのかい?」
「えぇ」
ヒラヒラとしたイノベイターの服を持ち上げてしげしげと眺めるアレルヤに、そんなに気になるのかと、リヴァイヴは洗濯物をたたむ手を休めずに首を傾げた。自分は慣れているが彼は違うから、もしかしたらこのデザインは珍しいのかも知れない。
「良かったら着てみますか?」
「え……いや、良いよ別に。これ以上迷惑をかけるわけにはいかないからね」
「この程度は迷惑の内にも入らないと思うのですが」
「でも……」
躊躇っている様子のアレルヤが今、手に持っているのはCBの制服。先に持っていた自分たちの内の誰かの服は既にたたんである。
そして、CBの制服を着ていないアレルヤが現在身につけているのはジーパンとシャツだった。どちらもブリングが発見してきた物で、初めてこれらを目にしたときには感動すら覚えた物だ。まさか、この住居にイノベイター制服あるいはパーティ用のスーツ以外の衣類が存在するとは……思ってもいなかったのだ。そういえば持ってきたブリングでさえ意外そうな顔をしていたから、これは恐らくイノベイター全員の共通意識だ。
「貴方の服を洗って、服を貸すくらいは迷惑ではありません。僕たちはそれ以上に貴方に助けられています。料理と家事とかとにかく色々と。だからこれからもお願いしますね」
「そういってもらえるのは嬉しいんだけど……」
「けど?」
「その物言いだと、やっぱり帰ったらダメなんだね……」
「当然です」
きっぱりと断言すると、返ってきたのは苦笑だった。
「だろうねぇ……そう言われると思ってた」
「ここが嫌ですか?」
「いいや?元いた場所に帰りたいなぁ…とかは思うけれど、ここにいるのも楽しいからね。それにリヴァイヴたちって仕事があるんでしょう?リボンズにもあるみたいだし、これでもしも僕がいなくなったらリジェネの相手がいなくなるっていうか……彼、一人だけだと凄く暇そうなんだ」
「でしょうね……」
リヴァイヴは同意を示した。リジェネが凄く暇そうだという点に対して。
リジェネは確かに暇を持て余している。でなければティエリア・アーデの所へ一人で勝手に会いに行くことは出来ないし、アレルヤを連れ帰ることだって出来なかっただろう。
全ては彼の自由すぎる思考と自由すぎる時間の使い方故なのだった。
まぁ、お陰でアレルヤに会えたと言うことになるのだろうか。そこだけは素直に感謝を述べても良いのかもしれないが……いや、やっぱり褒めない。今度、どれほど効果があるかは分からないが厳重に注意しておこう。直るとは思えないが。
「ふぅ……たたむのもあと一着で終わりだね」
「あ、僕がやります」
絨毯の上の最後の一着を素速く取って言う。この数日で彼にはとてつもなく世話になっている。最後の一着くらいでは何も変わらないかも知れないが、やらないよりはやるほうがマシだろう。
そこは分かったのか分かっていないのか、いつものように穏やかにアレルヤは答えた。
「そう?…ありがとう、リヴァイヴ」
「気にしないで下さい」
このくらいのこと、本当に気にするまでもないことだ。単に一着だけ、なのだし。
だというのに気にしてくれて微笑んでくれるアレルヤは、深く考えるまでもなく『良い人』だった。
出来ればこの毎日がずっと続けば良いと思うほどに。
彼は、とても良い人だった。
自分たちはアロウズに属し、CBと敵対している身ではあるが……そんなことを些細だと思ってしまうくらいに良い人で。どうせいずれ滅びるCBにいるよりはこちらにいてくれたら良いと思う。リジェネがいるからきっと、一人で寂しいと言うことも無いだろうし。
そんなことを思っていたら、ふいに、アレルヤが顔を上げた。
「あれ……通信の音…」
「そうですか?僕には聞こえませんが」
「ううん。ちゃんと聞こえるよ。この時間だし……ヒリングあたりかな。見てくるね」
そうして出て行くアレルヤの背を見送って、リヴァイヴは急に嫌な予感に襲われた。
自分には聞こえなかったが本当に通信があったとして……それが事情をする自分たちイノベイター以外のだれか、だったら?ここに通信をしてくるのは自分たちだけではなく、高い位置にいる人間もなのだ。もしもそんな誰かが連絡してきたとして……バラしてしまう可能性は、充分あった。
自分たちがイノベイターであると。
「それだけは避けなければっ!」
「何を避けるの?」
勢いよく立ち上がった己の背に、静かな声が刺さった。
思わずそのまま普通に振り返り、瞬間、リヴァイヴは後悔した。
アレルヤが浮かべていたのは、ちょっと怖い笑みだった。
「ねぇリヴァイヴ、君たちがイノベイターって、本当なの?」
ということで…バレました。ていうか絶対にバレるよね、これ。時間の問題ですよね。
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