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マリーがいるので晴れて(?)花お題のほうで。
四名の超兵ズの話です、が…ふと思うに、途美設定でやったら超兵って関係ないんじゃ…。
……うん、でもまぁ、超兵なので超兵って事で。
…途中から何言ってるか分からなくなりましたごめんなさい。
05.停車駅
「ったく……何で俺らが使いっ走りみてぇなことしねーといけねぇんだよ……」
「しょうがないよハレルヤ。ヴェーダは手が離せない仕事があるんだし」
「……まぁな」
正確には、溜めに溜めたためについにティエリアが仕事をしろと仕事机に縛り付けた事によって動けなくなった、というところなのだが。
しかし敢えてそれを口にはせず、ハレルヤは電車の座席に身を埋めた。
「ってもなぁ……あれ、普段からちゃんとやってりゃ溜まったりしねぇと思うのは俺だけじゃねぇだろ絶対。一ヶ月もさぼればあぁなるだろ」
「あはは……」
乾いた笑いが響く。そのあたりは、いくらお人好しすぎる片割れといえどもフォローしきれないらしい。現実を知らなければまだどうにか出来たかも知れないが、アレルヤもハレルヤも間近でヴェーダを見過ぎている。ので、自分にだって無理だった。現実というのは時として残酷なのだ、きっと。
まぁ、その使いとやらに自分とアレルヤを選んだことは感謝しても良いかもしれなかった。移動料金と称して、少しばかり多めに金を持たしてくれたことも。ここは休日をかの学園所有者の都合で潰された自分たちに対しての、ささやかながらの詫びかもしれない。
が、しかし。先ほどの通り。
現実とは時として残酷なのだった。
「ヴェーダも、有能なのですから毎日ちゃんとやれば良いと思うのですが……」
「難しいのかしら。彼女って自由そうだから、仕事が嫌なのかも知れないわ」
「だからといって放り出すのは拙いのではないか?」
「そうよねぇ……そこがネックだわ」
いい人なんだけどと溜息を吐くマリーに、全くだと腕を組むソーマ。
……だから、と少し前から思っていたことを。
「何でテメェらがここにいんだ!?」
「ハレルヤ、公共機関でそんな大声を出さないでください。迷惑でしょう」
「煩ぇ!てーかこの車両にゃ俺ら以外に誰もいねぇから良いんだよ!」
「乱暴な理屈ですね」
ハッと鼻で笑われた。凄く苛つく。
ちょっと本気で殴っても良いんだろうかと考えたが、そこはアレルヤの前なので堪えることにした。今もハラハラとした様子でこちらを見ている。これ以上心配を掛けるのは申し訳ないだろう、やっぱり。
平常心、平常心だと唱えながらハレルヤは窓の外の風景を見て心を落ち着かせようと試みた。幸い、丁度外には緑の木々があったために効果はそこそこ得られた。
それでもまだ完全ではないので深呼吸を行っていると、片割れの声が耳に届いた。
「……で、ハレルヤの言うとおり僕も不思議なんだけど…どうしているの?」
「偶然、出かけるアレルヤたちを見かけたの。それで付いていこうかしらと」
「見かけたって…どこで?」
「学園内です。マリーが校舎に大切な忘れ物をしたと言って」
「テメェら…てことはそこからずっと後を付けてたのかよ……」
軽くストーカーだろそれ。心の中でハレルヤは零した。
が、素直に学園内で見かけたときに現れていたら、間違いなくハレルヤがあらゆる手を駆使して追い返していた。そして彼女らがそれを予測できないはずもなく、その点を踏まえるならばある意味では正しい行動だったと言えるのだろう。何せ、見つかったのが切符売り場だ。そこまで行けば追い返すのは難しい。
あの後、どの切符を買うのかと尋ねてきた二人にアレルヤが教え、改札口を出たところでソーマと競争のように目的のプラットホームへ向かい、電車へ駆け込んだのだった。
「にしても随分と遠い場所に行くのですね……次の駅でしたか、目的の駅」
「あぁ、うん。何でもヴェーダの旧知の人に何かの情報を受け取ってこいって」
「何の情報かしら……どうせ偉い誰かの弱みだと思うけど…」
「違ぇねぇ…」
だったら、あの学園所有者はさらに手に負えなくなるのか。…少し、この使いを止めて去っていった方が良いんじゃないかと思った。本気で。
などと話している間に目的の駅のプラットホームが見え、見れば確かに目的の駅で、電車はスピードを緩めず直行……緩めず直行?
訝しく思ったときにはもう遅く、電車は駅を素通りしてしまった。
「……えっと、つまり?」
「特急電車だったのかも…」
呆然としているアレルヤにマリーが答え、それが開始の合図だった。
ハレルヤはソーマを、ソーマはハレルヤをキッと睨みつけた。
「この胸無し!テメェが間違った電車に乗るからこうなっちまったろうが!」
「黙れ不良!それを言うなら貴様も同罪だ!あれだけ自信満々に乗っておいて!」
「俺は良いんだよ!」
「良いわけあるか!」
……そして、その言い合いは電車が止まるまでずっと続くことになった。
ハレルヤとソーマは口げんかばかりだと良い。
でも互いに、渋々ながらも認め合ってたらいいな。戦友って感じで。