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ちびすたー。
ちっちゃい二人……いや、本当に欲しい気がする……てか欲しい!
チビスターズ第一話 ⑤
「でも……明日のミッション、どうしようかしら」
「明日の?」
「エクシアとキュリオスに行ってもらおうと思っていたんだけど」
エクシアは無理だしねぇ、とスメラギは嘆息した。
デュナメスは丁度メンテナンス中で、だから代わりにキュリオスと、という話だったらしい。
「てことは、明日使えるのはキュリオスとヴァーチェだけってことか?」
「そうなのよ……」
そう言う彼女はとても心配そうな顔だ。
徹底的にやるティエリアと、好戦的なハレルヤとが組むことになるのだ。それは心配だろう。ミッションが成功するとか、そういう問題以前に。自分たち側より相手側の方が。
それに、何より……
「あぁ!?何で俺がこんなヤツと組まないといけねぇんだよ」
「全くだ……アレルヤ以上に、彼には問題点がありすぎる。組むのはゴメンです」
二人が仲良くミッションをするとは思えなかった。
始める前からこういった問題が発覚しているのだ。このミッションの成功率はさぞ低いことだろう。
「いいえ。『あること』をしたらほぼ百パーセントだと思うわ。それに、ミッションも最短で終わるかもしれないわよ」
だから訊いてみるとこう、笑って返された。
「そりゃ、どういう……」
「二人と一緒に、私とアレルヤと刹那も降りるわ」
「…………………………え?」
突然名前を出され驚いているアレルヤにかまわず、スメラギは言葉を続ける。
「洋服を買わないといけないもの、しかたないでしょう?ロックオンはお留守番、ていうことになるけど……」
「何で俺だけ!?」
「しょうがないじゃない。デュナメスはトレミーに置いておかないといけないんだし」
今もしもオレンジの相棒がいたら、きっと元気よく「ビンボウクジ、ビンボウクジ!」と言ってくれたことだろう。
ロックオンは微妙に落ち込んだ。
どうして自分はこういうポジションにいるのだろうか……。
「で、買い物に行くのは明後日にするわ。だから明日のミッション、早く終わらせれば早く終わらせるほど……分かる?」
そういうことか、と納得する。
早く終わらせて帰れば、小さなアレルヤに会えるわけだ。
そういうことなら、二人はミッションを早く終わらせようと努力するだろう。早く会いたいだろうから……待っているアレルヤに。
刹那を連れて行くのは純粋に服のサイズ合わせ、なのだろう。だが、アレルヤを連れて行くのにはそれプラス、全く息が合わないだろう二人の仲を良好、とまではいかなくてもまとめるため、という効果を得ることもあるのだ。
「もちろん、嫌なら残ってもいいのよ?来るならもちろん、ミッションに取りかかってもらうけど」
意地悪な笑みを浮かべるスメラギ。
ここでハレルヤとティエリアが断るわけがなかった。
「アレルヤが行くんじゃ、しょーがねーよな……おい眼鏡、一時休戦だ」
「俺はティエリアだ……まぁ、今回は君の意見に賛成だな」
さすがミススメラギ、とロックオンは心の中で拍手を送った。あれほどいがみ合っていた二人を、あっという間にまとめ上げた。
これもアレルヤ効果、というやつか。
だが、ロックオンが地上に行くことができないのも確定していて……素直に喜ぶことができなかった。
ため息をついていると、ポン、と腰のあたりを叩かれた。
軽く下を向くと、アレルヤが微笑んでいる。
「ロックオン……地上に行っても、連絡とか、ちゃんとしますから……」
「アレルヤ……やさしいなぁ、おまえ」
「だが、買い物に出る際に着る服は?このまま行くのは無理だろう?」
「あら刹那、大丈夫よ。サイズを測ってそれを留美に送るから」
「つまり、留美さんが洋服を用意すると?」
「えぇ。写真付きで送るから、きっと可愛らしいのを準備してくれるわ」
「……結局、可愛いの、なんですね?」
「当然でしょ?」
「俺は嫌だ」
「僕も……ちょっと。だって元は二十歳の男ですよ……?」
「いいのよ、今は小さいんだから」
「そう言う問題じゃない」
ロク兄さんゴメンナサイ……。
ちゃんとアレルヤは通信してくれるからね!安心してね!