式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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とりあえず、この話の中の、最後の方のソーマの言う通りじゃないかと思いました。
そんな感じに今回の話。何かまだ続きそうな気がします。
ともかく、やり始めたことなので、本編がどうなろうとちゃんと書いていきたいなぁとは思っておりますので。
「みんな行っちゃったね……あ、アレルヤ、コーヒーのおかわりあるかい?」
「入れてくるからカップ頂戴。あとデヴァイン、そこのお菓子は開けても構わないよ」
「分かった」
「じゃあマリー、二人をよろしく」
「……だから私は…」
言いかけて、ハァとため息を吐いた。
何だか怒る気力も、怒鳴る気力もない。あるのは疲れた、ただそれだけのみの感情である。それ以外の物は、生まれた瞬間にソレに飲み込まれて消えるのだ。
まさか、敵が傍にいるというのに手を出せない事態がここまで精神的に辛い物だとは。最初は全く予測できていなかったから何とも思わなかったが、今なら思える。敵と仲良くなってしまう物でも、何もしないからといって傍らに置いておく物でもない。仲良くなったのは自分ではなく去っていったアレルヤの方なのだが、そこはそこで。
一体どうして敵(しかもラスボス的な位置にいるのだろう彼ら)を前にして、こうして指をくわえてみているしかないのだろうか。今すぐ縛り上げて独房かどこかへ突っ込めば良いと思うのは、決して自分だけではないだろう。
そんな事をソーマが思っているとは知らないのだろう、近くに座っているイノベイターたちはのんびりと会話を続けていた。
「にしても、プトレマイオスⅡというのは中々に良い環境だね。冷暖房もバッチリだし清掃も行き届いている」
「展望室もあるそうだが」
「息抜きの場所?後で行ってみようか。っていうか、他の四人はどこ?」
「リジェネはティエリア・アーデと、他は刹那・F・セイエイと一緒だ」
「行き先分かる?」
「…本人に訊けばいいだろう」
「あ、それもそうだね」
どこか納得したように頷いて、リボンズとかいうらしいイノベイターは笑んだ。
本人に訊いて度言うするのだろうかと、ソーマは頬杖をつきながら思う。訊くと言うことはつまり出会っていると言うことで、ならばその時点でその質問の意味など無効なのではないだろうか。
そんな自分の疑問に気付いたのか、リボンズはこちらを見た。
「君は……超兵だったっけ?」
「……あぁ、そうだが?」
突然何なのだと睨むと、そんな顔をしないでと言葉が返ってきた。悪いが無理だ。イノベイターとはアロウズを裏から操っていると言うことで、つまりは自分の仇とする者の上司であるといえるのである。
そんな相手と仲良くするなど不可能だ。
つい先ほど、この結論に至った。
「ほら、超兵同士、脳量子波で干渉し合う事があるんだそうだね」
「…そうだが」
言われて思い出すのは初めてアレルヤを…正確にはアレルヤを『自分』が認識したときのことだった。あの時は脳量子波の遮断も何も出来ず、相手の感情を直接受け取ったために錯乱するという失態をおかしてしまった。
「それがどうかしたか」
「つまりそういうことなんだよ、僕らの脳内会話」
「…?」
話が見えずに訝しく思っていると、だから、とできの悪い教え子に物事を教えるようにリボンズは言った。
「脳量子波を使って、僕らは意志を伝え合うんだ」
「意志を…?」
「そいういうこと」
こくりと頷かれ、ソーマはあごに手をやって考え込んだ。
そのようなことが出来るのだろうか。どうやら、自分とアレルヤとがあそこまで干渉し合ったのは相性の関係もあったようだし。なのにイノベイターは全員が全員で意志を、分け隔て無く。
恐らく、自分たちよりも一歩先の技術か何かがあるのだろう。
……少し敗北感を覚えた。
黙った自分の様子に理解の色を見いだしたのか、リボンズは満足そうに頷いた。
「分かってくれたみたいで幸いだね」
「あぁ。ある程度だと言わざるを得ないが。ところで…」
ちらり、とソーマは視線を別の方へ向けた。
デヴァインの方へと。
「お前、菓子を食べ尽くされかけているぞ」
「え?…あ!デヴァイン手を止めてくれるかな!?そのままじゃ僕のが無くなるから!」
「だが、あと十枚も残っているぞ」
「十枚しか残ってないのかい!?ちょとデヴァイン、君、どれだけ食べてるの!」
「少なくともリボンズが話している最中ずっと」
「食べ過ぎいだと言わざるを得ないよ!」
菓子を巡って言い争うイノベイターたち。
その様子を見てソーマはもう一度、やはり、と思った。
今、ここで彼らを縛り上げるべきではないだろうか。
ノリはずっとこんな感じで行きたいです。
「入れてくるからカップ頂戴。あとデヴァイン、そこのお菓子は開けても構わないよ」
「分かった」
「じゃあマリー、二人をよろしく」
「……だから私は…」
言いかけて、ハァとため息を吐いた。
何だか怒る気力も、怒鳴る気力もない。あるのは疲れた、ただそれだけのみの感情である。それ以外の物は、生まれた瞬間にソレに飲み込まれて消えるのだ。
まさか、敵が傍にいるというのに手を出せない事態がここまで精神的に辛い物だとは。最初は全く予測できていなかったから何とも思わなかったが、今なら思える。敵と仲良くなってしまう物でも、何もしないからといって傍らに置いておく物でもない。仲良くなったのは自分ではなく去っていったアレルヤの方なのだが、そこはそこで。
一体どうして敵(しかもラスボス的な位置にいるのだろう彼ら)を前にして、こうして指をくわえてみているしかないのだろうか。今すぐ縛り上げて独房かどこかへ突っ込めば良いと思うのは、決して自分だけではないだろう。
そんな事をソーマが思っているとは知らないのだろう、近くに座っているイノベイターたちはのんびりと会話を続けていた。
「にしても、プトレマイオスⅡというのは中々に良い環境だね。冷暖房もバッチリだし清掃も行き届いている」
「展望室もあるそうだが」
「息抜きの場所?後で行ってみようか。っていうか、他の四人はどこ?」
「リジェネはティエリア・アーデと、他は刹那・F・セイエイと一緒だ」
「行き先分かる?」
「…本人に訊けばいいだろう」
「あ、それもそうだね」
どこか納得したように頷いて、リボンズとかいうらしいイノベイターは笑んだ。
本人に訊いて度言うするのだろうかと、ソーマは頬杖をつきながら思う。訊くと言うことはつまり出会っていると言うことで、ならばその時点でその質問の意味など無効なのではないだろうか。
そんな自分の疑問に気付いたのか、リボンズはこちらを見た。
「君は……超兵だったっけ?」
「……あぁ、そうだが?」
突然何なのだと睨むと、そんな顔をしないでと言葉が返ってきた。悪いが無理だ。イノベイターとはアロウズを裏から操っていると言うことで、つまりは自分の仇とする者の上司であるといえるのである。
そんな相手と仲良くするなど不可能だ。
つい先ほど、この結論に至った。
「ほら、超兵同士、脳量子波で干渉し合う事があるんだそうだね」
「…そうだが」
言われて思い出すのは初めてアレルヤを…正確にはアレルヤを『自分』が認識したときのことだった。あの時は脳量子波の遮断も何も出来ず、相手の感情を直接受け取ったために錯乱するという失態をおかしてしまった。
「それがどうかしたか」
「つまりそういうことなんだよ、僕らの脳内会話」
「…?」
話が見えずに訝しく思っていると、だから、とできの悪い教え子に物事を教えるようにリボンズは言った。
「脳量子波を使って、僕らは意志を伝え合うんだ」
「意志を…?」
「そいういうこと」
こくりと頷かれ、ソーマはあごに手をやって考え込んだ。
そのようなことが出来るのだろうか。どうやら、自分とアレルヤとがあそこまで干渉し合ったのは相性の関係もあったようだし。なのにイノベイターは全員が全員で意志を、分け隔て無く。
恐らく、自分たちよりも一歩先の技術か何かがあるのだろう。
……少し敗北感を覚えた。
黙った自分の様子に理解の色を見いだしたのか、リボンズは満足そうに頷いた。
「分かってくれたみたいで幸いだね」
「あぁ。ある程度だと言わざるを得ないが。ところで…」
ちらり、とソーマは視線を別の方へ向けた。
デヴァインの方へと。
「お前、菓子を食べ尽くされかけているぞ」
「え?…あ!デヴァイン手を止めてくれるかな!?そのままじゃ僕のが無くなるから!」
「だが、あと十枚も残っているぞ」
「十枚しか残ってないのかい!?ちょとデヴァイン、君、どれだけ食べてるの!」
「少なくともリボンズが話している最中ずっと」
「食べ過ぎいだと言わざるを得ないよ!」
菓子を巡って言い争うイノベイターたち。
その様子を見てソーマはもう一度、やはり、と思った。
今、ここで彼らを縛り上げるべきではないだろうか。
ノリはずっとこんな感じで行きたいです。
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