式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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やっぱりストライキから少し外れてる気がする今回の話。
マーモンって良いなぁとかふと思ってみたりしました。
「え…ちょ…いやいや……えぇ…でも……あれってやっぱり…いや、まさかなぁ……あれ?でもじゃあ何だよ最後の『早く帰ってこい』って……まさか…いやいやいやいやいやいや!絶対に有り得ねぇ!けどもしそれだったら…いやだからねぇんだって、」
「スクアーロ、ボスとの電話でそうなるのは仕方ないけど、もう夕食の時間だよ」
携帯電話を片手に赤くなったり何かを否定するように頭を振ったりしているヴァリアー次席に、マーモンはそう言ってから室内に入った。
ここは、スクアーロが用意してくれたとあるアパートの一室である。こういうときは基本的に主犯であるベルフェゴールが用意する物なのだろうが、残念ながら彼がそこまで周到に準備しているわけがなかった。ストライキとやらも、昨日からちょっとは考えていただろうがある意味ではあの場での思いつきだったのだろうし。
「ボスと何話してたの?正確には、一番最後に言われた言葉が訊きたいんだけど」
「…話したのは俺たちの現状のことだぁ。ストライキ中のことは休暇扱いにするとよ」
「無難だね。で、一番最後に言われたのは?」
「……ノーコメントだぁ」
「ふぅん。ま、良いけどさ」
見当は付いているから。
というか、さっきスクアーロはそれに該当するであろう言葉を口走っていたのだが、しかも恐らく文章にしたら『』が付いていそうな感じだったのだが……やっぱり気付いていないのだろう。ということで訊くどころか見当を付ける必要まで、無いのだけれど。
あっさり引き下がった自分を訝しく思ったようだったが何も言わず、スクアーロは携帯をしまってドアの方……つまり、マーモンが立っている方へと向かって来た。
それからヒョイッとマーモンを抱き上げて、木製のドアを開く。
もうそんな子供扱いされるのもな、と思うことは思うのだが、意外と彼に抱きかかえられるのは居心地が良いので口にはしない。言ったところで笑って受け流されて、今まで通りに抱き上げられるのだろうけど。
まぁ、それも嫌ではない。
「そういや晩飯って出前取ったんだっけか」
「うん。ベルがピザ頼んでたよ。で、さっき届いたから呼びに来たんだ」
「そうかぁ。来る前に材料でも買ってくりゃよかったぜ」
「明日からは頑張ってもらうからね。出前をずっと取ってたら無駄な費用が出て行ってしょうがないよ。手作りの方がまだ節約のしようがある」
「お前は変わらねぇよなぁ…もっと贅沢してみろよ」
「嫌だ。僕からそういうところを取ったら何が残ると思ってるのさ」
「ん゛?マーモンが残るんだろぉ?」
それがどうしたと言わんばかりに向けられる視線に、どうしたら良いんだよと心の中で呟く。自分の言ったことの趣旨は分かってるだろうけど、その、そういう事をあっさりと言ってのけるのは反則だと思う。
だが、この反則には続きがあったのだ。
「強欲だろうと何だろうと、お前はお前。変わらねぇだろ」
「……ねぇスクアーロ、それ、ちゃんと分かって言ってる?」
「?」
キョトンとこちらを見下ろす瞳とかち合わないよう、フイと視線をそらす。
あぁ、少し悔しいけど。
ここまでハッキリ言われると、何かちょっと嬉しいじゃないか。
そんなことを思っている間にリビングにつき、そこで王子のお出迎え。
「二人とも遅い。暇すぎて俺、ピザ三枚食べ切っちゃったよ」
「早!?」
「んでさ、二人にはこれしか残ってない。ちゃんと一番大きいサイズだから良い?」
「確かに一番大きいサイズだ…けどなぁ…半分無くなってたら意味ねぇだろーがぁッ!」
「え?全部食べてた方が良かった?」
「良いわけ無いだろ!?」
「そんな堅いこと言うなって」
マーモンとスクアーロの抗議も大した効果はこの王子相手では出そうにない。ていうか堅くなんて無い、当たり前の権利だ。だってそのピザの代金を払ったのは一応ではあるがこの自分なのだから。後でスクアーロにピザの代金分のお金はもらう予定だが。
それでも、起こってしまった事態はどうしようもない。
スクアーロは既に諦めたようで、大人しくベルフェゴールの向かいの席に座ろうとしていた。王子様のこういう行動は本当に今に始まったことではなく、何をどう言おうと意味はないのだと身にしみて知っているからだろう…お疲れ様。
「そういや、ベル」
「ん?何、バカ鮫」
「ストライキ中のことは休暇扱いにするってボスさんが言ってたぜぇ」
「…は?ちょっと待って、それじゃ意味無いじゃん。ストライキじゃなくね!?」
がた、と音を立てて立ち上がったベルフェゴールを、マーモンは意外に思いながら見た。
「もしかして本気でストライキもしたかったの?」
「そうだよ!何か前々からやってみたかったんだけど機会が無くって。んで今回ちょうど良いからやろうって思ったのに!あーもうつまんない!今度またストライキしなおそ!」
「んじゃ帰るかぁ?」
「何でだよ。休暇なんだろ?なら休むに決まってんじゃん」
当然のように答えるベルフェゴールを眺めつつ、こっそりとため息を吐いた。
もう少しの間、自由にはなれないらしかった。
次の回では本部に戻ってる…はずだから頑張れ。
「スクアーロ、ボスとの電話でそうなるのは仕方ないけど、もう夕食の時間だよ」
携帯電話を片手に赤くなったり何かを否定するように頭を振ったりしているヴァリアー次席に、マーモンはそう言ってから室内に入った。
ここは、スクアーロが用意してくれたとあるアパートの一室である。こういうときは基本的に主犯であるベルフェゴールが用意する物なのだろうが、残念ながら彼がそこまで周到に準備しているわけがなかった。ストライキとやらも、昨日からちょっとは考えていただろうがある意味ではあの場での思いつきだったのだろうし。
「ボスと何話してたの?正確には、一番最後に言われた言葉が訊きたいんだけど」
「…話したのは俺たちの現状のことだぁ。ストライキ中のことは休暇扱いにするとよ」
「無難だね。で、一番最後に言われたのは?」
「……ノーコメントだぁ」
「ふぅん。ま、良いけどさ」
見当は付いているから。
というか、さっきスクアーロはそれに該当するであろう言葉を口走っていたのだが、しかも恐らく文章にしたら『』が付いていそうな感じだったのだが……やっぱり気付いていないのだろう。ということで訊くどころか見当を付ける必要まで、無いのだけれど。
あっさり引き下がった自分を訝しく思ったようだったが何も言わず、スクアーロは携帯をしまってドアの方……つまり、マーモンが立っている方へと向かって来た。
それからヒョイッとマーモンを抱き上げて、木製のドアを開く。
もうそんな子供扱いされるのもな、と思うことは思うのだが、意外と彼に抱きかかえられるのは居心地が良いので口にはしない。言ったところで笑って受け流されて、今まで通りに抱き上げられるのだろうけど。
まぁ、それも嫌ではない。
「そういや晩飯って出前取ったんだっけか」
「うん。ベルがピザ頼んでたよ。で、さっき届いたから呼びに来たんだ」
「そうかぁ。来る前に材料でも買ってくりゃよかったぜ」
「明日からは頑張ってもらうからね。出前をずっと取ってたら無駄な費用が出て行ってしょうがないよ。手作りの方がまだ節約のしようがある」
「お前は変わらねぇよなぁ…もっと贅沢してみろよ」
「嫌だ。僕からそういうところを取ったら何が残ると思ってるのさ」
「ん゛?マーモンが残るんだろぉ?」
それがどうしたと言わんばかりに向けられる視線に、どうしたら良いんだよと心の中で呟く。自分の言ったことの趣旨は分かってるだろうけど、その、そういう事をあっさりと言ってのけるのは反則だと思う。
だが、この反則には続きがあったのだ。
「強欲だろうと何だろうと、お前はお前。変わらねぇだろ」
「……ねぇスクアーロ、それ、ちゃんと分かって言ってる?」
「?」
キョトンとこちらを見下ろす瞳とかち合わないよう、フイと視線をそらす。
あぁ、少し悔しいけど。
ここまでハッキリ言われると、何かちょっと嬉しいじゃないか。
そんなことを思っている間にリビングにつき、そこで王子のお出迎え。
「二人とも遅い。暇すぎて俺、ピザ三枚食べ切っちゃったよ」
「早!?」
「んでさ、二人にはこれしか残ってない。ちゃんと一番大きいサイズだから良い?」
「確かに一番大きいサイズだ…けどなぁ…半分無くなってたら意味ねぇだろーがぁッ!」
「え?全部食べてた方が良かった?」
「良いわけ無いだろ!?」
「そんな堅いこと言うなって」
マーモンとスクアーロの抗議も大した効果はこの王子相手では出そうにない。ていうか堅くなんて無い、当たり前の権利だ。だってそのピザの代金を払ったのは一応ではあるがこの自分なのだから。後でスクアーロにピザの代金分のお金はもらう予定だが。
それでも、起こってしまった事態はどうしようもない。
スクアーロは既に諦めたようで、大人しくベルフェゴールの向かいの席に座ろうとしていた。王子様のこういう行動は本当に今に始まったことではなく、何をどう言おうと意味はないのだと身にしみて知っているからだろう…お疲れ様。
「そういや、ベル」
「ん?何、バカ鮫」
「ストライキ中のことは休暇扱いにするってボスさんが言ってたぜぇ」
「…は?ちょっと待って、それじゃ意味無いじゃん。ストライキじゃなくね!?」
がた、と音を立てて立ち上がったベルフェゴールを、マーモンは意外に思いながら見た。
「もしかして本気でストライキもしたかったの?」
「そうだよ!何か前々からやってみたかったんだけど機会が無くって。んで今回ちょうど良いからやろうって思ったのに!あーもうつまんない!今度またストライキしなおそ!」
「んじゃ帰るかぁ?」
「何でだよ。休暇なんだろ?なら休むに決まってんじゃん」
当然のように答えるベルフェゴールを眺めつつ、こっそりとため息を吐いた。
もう少しの間、自由にはなれないらしかった。
次の回では本部に戻ってる…はずだから頑張れ。
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