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雪柳(ユキヤナギ)
花言葉:愛嬌、自由、気まま、など
雪柳って何か綺麗な名前ですよね。
今回は三国伝で、「ちびたちといっしょ」設定の曹操様と呂布です。
花言葉:愛嬌、自由、気まま、など
雪柳って何か綺麗な名前ですよね。
今回は三国伝で、「ちびたちといっしょ」設定の曹操様と呂布です。
09:雪柳 (ユキヤナギ/未来への期待)
大学からの帰り道で、呂布を見つけたのは本当に偶然だった。
こちらに目もくれずに、すたすたと歩き去っていくその姿が少しばかり珍しく思え、曹操は何となく立ち止まってその背を見つめた。
町を歩き回っているときには手ぶらであることが多い呂布だが、これまた珍しい事に、今回は二本の木刀を持っていた。
喧嘩の途中で誰かから奪った、というわけではないだろう。それらは喧嘩に使われたとは思えないほど綺麗だし、そもそも彼は奪った武器は現場においていく。
ということは、あれは彼自ら買った物なのだろうか。だとしたら、何故二本なのか。
と、そこまで考えて、脳裏に小さな二つの『人形』の姿が浮かぶ。
……まさか、とは思うが。
「おい、呂布」
速足で追いつき、声をかける。
ちらりと視線をこちらに寄越して、呂布は、何だ、と呟いた。
「敵意の無い視線だと思ったが、貴様か」
「ほう、見ていたことには気づいていたのか」
「隠そうともしていなかっただろう。あれで気付かん方がおかしい」
「気付けない者の方が多いと思うが……まぁ、その話は今は良い」
呂布の持つ木刀を掴み、睨みつける。
「この木刀だが、あやつらに渡すつもりか?」
あやつら、というのが誰を指すのかは直ぐに分かったらしい。彼は特に迷う様子もなく頷き、問うような視線をこちらに落とした。
「問題でもあるのか?」
「ある。あやつらを鍛えようとでも思っているのだろうが、部屋の中で暴れられて壁でも壊されては厄介だ。そんなことはしない、という言い分は聞かんぞ。貴様のせいで幾つ机が壊れたと思っている」
「外でやればいいだけの話だろう」
「その台詞、いつまでも貫き通せる自信があると?」
「そんなものが必要か?」
「……」
ある意味予想通りな反応に、思わず息を吐く。彼にとっては部屋の損傷など些事なのだろう……あの小さな二人が自身の喧嘩の相手になるよう、鍛え上げる事と比べると。
困った話だが、嘆くだけでは何も解決しない。
帰ったら夏候惇と今後について話し合おうと、曹操は心に決めた。
喧嘩(戦闘)の素質がありそうなちび二人の成長に少し期待しているのかもしれない呂布と、部屋の修繕費がかさまなければ良いとか考えてる曹操様。
この後しばらくして、やりすぎた(壁に大穴開けるとかそういうの)呂布が曹操様に怒られるんじゃないだろうか。
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