たまに、どちあらが『本物』かが分からなくなる。
(僕は何者なのかが、曖昧になってくる)
だって君の方が強くて、頼もしくて、ぶれない。
僕の持っていない物を持っている。
それを感じる度、僕は僕で君は君で君は僕であるけれど僕は君でないように思えて。君が僕であるのに僕が君ではないのなら、僕は僕ではない気がする。
そうして最初に巡り戻る。
(最初の裏側へと廻り戻る)
どちらが『本物』なのだろう。
(僕は一体何者なのだろう)
この場合の『本物』は、つまりは『僕』の事だ。
僕は僕であり、これは一生変わらない。変わってなんてなるものかと思う。僕は、僕だ。
けれど君がいるから。
同一であり対である君と僕とはまるで、鏡。思い切り逆なのに、実は同じ『君と僕』という一個の存在。
鏡映しの僕ら。
鏡写しの僕ら。
僕から見れば、君の方が鏡の向こう側の住人。それは同時に、君から見たら僕が鏡の向こう側の住人なのだということ。
どっちが現実かなんて見当も付かない。
どっちが幻影かなんて分かりもしない。
今すぐ君が『本物』だと分かればいいのに。そうしたら、僕は今すぐにでも消えて、全てを君に明け渡すというのに。僕何かよりも君の方が、だって。
なのにね、今までの考えを全部言ってみたら、君は呆れたように溜息を吐くんだ。
バカだろお前、というのは君の慣用句。そこに君の思いも、伝えたい意味も入っていない。単なる習慣ただそれだけ。
君の本音は次の言葉。
そして君は。
(僕の一番欲しい言葉を)
『俺はお前でお前は俺。どっちが本物、だぁ?んなの決まってんじゃねぇか』
『俺とお前が同一である以上、どっちかが本物って話しじゃねぇよ』
『俺が本物ならお前は本物で、お前が本物なら俺も本物』
『それだけだろ』
(君にとっては何気ないだろうその言葉)
(それによっと僕がどれ程救われていることか)
(僕が何者か?)
(僕は……僕だ)
本当にふと思いついた話なのです…ちょっと分かり難いかな…。
そして多分、カテゴリーで行くならハレアレだと思うのですが…曖昧。
全文を反転させるとちょっとした裏側?が現れる仕様です。