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ジルのフルネームが分からないんですが……調べれば分かるかな。
006:証
どちらが本物の王子かと言われれば、間違いなくそれは自分だ。
だって自分は兄だし、弟には負けた事なんて無いし、ならば自分にこそ王になる資格があるという物だろう。ていうか、あの弟にだけは負けたくないから、したがって王子の座を譲る気もない。
だから自分はそう振る舞う。
けれど、それだけで不十分というのなら証を差しだそうか。
一体何が良いだろう?
弟よりも多い贈り物だとか、宝石だとか、テストの点だとか、より高い記録を出している徒競走の結果だとか。
どれもこれも、自分が弟に勝っている証。
これだけでも、十分に自分の方が王子たるに相応しいと分かるだろう。
しかし、それでも不十分だというのならば。
差し出す物はただ一つか。
「よー、ベル」
「なんだよジル。話しかけないでよ鬱陶しい」
「菓子の時間だと」
「……それを俺に教えるとか、どんな風の吹き回し?」
警戒をするベルフェゴールに、たいしたことねぇよと笑ってやる。
「バカなメイドがお前も来ねぇと菓子を出さないって言い出したんだよ」
「うわ、何そのメイドむかつく。殺して良い?」
「俺が殺すんだよ。でも先に菓子食べてから」
もちろん、これは嘘なのだ。
そう言ったメイドは既に死んでいるし、というか殺しているし、菓子は既に用意されているだろう。他のメイドを脅してやらせたから。
ただし、その菓子のベルフェゴールの物の方にはしっかりと、最近手に入れた猛毒を入れてみたりしているのだけど。
いい加減、この弟もうざったいので殺したいのだ。
そして、殺して首でもちょん切って、それを証にすれば良い。
自分こそが最も『王子』に相応しいのだという、証に。
このあと猛毒入りを食べて倒れて、結局死なないベルとかそんな感じ。
似たようなこと、ベルもジルにやってそうな気もするのですがね…。