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この二人組も好きですよ。なんか殺伐としたほのぼのを醸し出しそうで。
…殺伐としたほのぼのって何?
007:十字架
今回の任務はどっかの誰かの暗殺。
これ自体は何ともない物だったけれど、その誰かの部屋に飾ってあるそれを見た瞬間に、盛大に吹き出してしまった自分は間違ってないと思う。
その発作はマーモンが来て呆れた様子で声を掛けてもまだ、続いていた。
「…ねぇ、ベル。何がおかしいの?ワライダケでも食べた?食べたんなら生えてた場所教えてくれない?高値で売りさばくから」
「はははっ…いや、キノコとかじゃなくってさっ……ほら、あの壁ンとこ…あはははっ!やべぇ、笑いすぎて涙出てきそ」
「出ても前髪で見えないから安心して」
そう言うマーモンだって、フードで見えないくせに。
ようやく発作を閉じこめることが出来たときには、マーモンは呆れを更に濃い物にしてこちらを見ていた。何を見て笑っていたのか分かったらしい。
「こんなのであそこまで笑えるなんて、君も結構楽なヒトだね」
「だって笑えると思わね?」
ちらりと、壁に立てかけてある大きめの十字架を見て笑みを浮かべる。
「コイツ、クスリを売ってたんだろ?」
「まぁ、だから僕らが来たんだけどね。ダメだと言っても商売続けてたし」
「そーいうツミビト?ってのがさ、こういうのおいてるのって場違いで笑える」
「確かに笑えるかもね、でも」
はぁ、とマーモンはため息を吐いた。
「そう言うことを僕らが笑える立場じゃ無い気がするんだけど」
「え?そんなん知らないし。良いじゃん、笑えてきたんだから笑えば」
そりゃ、クスリ売りだって暗殺者だってツミビトという定義で言ったら変わらず一括りだろうけど。けど、笑える物は笑えるのだから仕方がないだろう。
そんな殊勝な?理由で、笑うのを止める気はない。
「……君らしいと言えば、らしいのか」
「マーモンはもうちょっと笑えよ。赤ん坊のくせに」
「赤ん坊と言っても呪われてるけどね」
でもクリスマスとかはケーキが食べれるからちゃんとやるんだよ、笑ってても。