式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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五機全員が集合したのが策略にはめられた場、っていうのもなんか複雑ですね。
その情報を得た瞬間、どうするのが得策であるのか見当が付かなかった。
オズが連邦に成り代わるための作戦のこと、かの基地に集まるのは連邦の重鎮であること、そして……自分の仲間たちがそれに利用されるということ。
普通なら、伝えてしまえばいい。そうすれば対応を求めることだって出来る。
だが、自分たちにはそれが出来ないのだ。少なくとも、今現在の状況では。
自分から仲間に伝えられるだけでは意味がない。仲間たちの操縦者たちに伝えられなければ、その情報は全くの無価値なのだ。自分たちはあくまで使われる道具であり、使い手に判断の材料が渡されなければ意味など見いだせるはずもない。
だから迷う。
言ってしまったところで、自分たちに何が出来るというのだろう。知らない方が仲間たちにとっても良いのではないだろうか。
例えば伝えたとしよう。その作戦を行うのは間違いなのだと、今すぐにでも止めなければならないのだと、伝えたとしよう。
そこで、自分たちに何が出来るというのだ?
何も出来ないというのに、そんな自分の苦しみを増長させるだけの事実を突きつけられて、突きつけて良いのだろうか。作戦が間違いだと知ったまま作戦に参加させて、行ってはならないとあらかじめ知っている行動を行わせて良いのだろうか。それは、仲間たちに苦痛を与えるだけの事実なのではないだろうか。
似たり寄ったりなのかもしれないが、それでも迷う物は迷う。
自分のパイロットが伝えてくれれば一番なのだが、五飛それをする気は無い様に見受けられる。今更何を言ったところで事態は変わらないと、そう考えているのかもしれない。
言ってくれればいいのにと、そう思う自分は弱いだろうか。
彼が言えば、自分が言う必要はなくなる。伝えるべきかと考える必然性も消える。そうすれば、自分が……楽になる。
弱い。そこまで考えて出した結論はそれだった。
自分は弱い。迷うのは構わないが、それが相手を考えてではなく自分を思っての迷いであってはならない。誰かが代わりに言ってくれればいいと考えるのも甘い。
そもそも、迷うこと自体間違っている。仲間たちが、事実を知らない事を良しとするわけもないのだ。たとえその事実が辛い物だろうと、彼らはきっと聞くことを求めるだろう。自分だって、同じだ。
そう考えれば、やるべき事は一つだった。
ナタクは目を閉じ、通信回線を開いた。
これは仲間内だけに通じる通信回線。パイロットたちに気付かれることもない回線だ。彼らだけに伝えるならこれが一番使いやすい。
一度だけ深呼吸をして、ナタクは口を開いた。
「聞こえるか」
『…ナタク?』
最初に反応したのはサンドロックだった。
『突然、どうかしたの?』
「重大な話がある……他のは繋がっているか?」
『あぁ、聞こえている』
『俺の方も大丈夫。ヘビーアームズは?』
『……』
ウイング、デスサイズと返事が来て、最後は肯定を伴った沈黙が漂ってきた。全員ちゃんと回線は開いているらしい。
確認をしてもう一度、覚悟を決め直す。
「初めに言っておくが、この話を聞いた後文句を言ってくれて構わない」
『…?だから何なの?』
「お前たちが実行しているその作戦は、実行してはならない作戦だ」
驚愕が、感じられた。
それでも話すことは止めず、ナタクは言葉を続ける。
「そこに集まっているのは連邦の人間であって、オズではない。だが、お前たちの操縦者たちはそうは思っていない……ここまで言えば、分かるか」
『つまり……俺たちは敵の手のひらで踊らされているということか』
「その通りだ」
ウイングの言葉に、ナタクは是を投げて返した。
ここまで伝えれば仲間たちは理解するだろう。この作戦が『成功』すればさらなる戦いが引き起こされるのだと。それに一役買ってしまうのだと言うことを。そして四人の中の誰かが……『間違い』で、大きな過ちを犯してしまうのだと。
『……そっか』
しばしの間の沈黙を破ったのは、デスサイズだった。
彼は困ったように笑って、頬を掻いていた。
『俺たち、戦いを広げるようなマネするんだな……』
「伝えたことを、恨むなら恨めばいい。知らなくても良いことを伝えたのだから…」
『ありがとな』
「……は?」
思いもよらない言葉に、ナタクは思わず聞き返した。
「今何と?」
『ありがとって言ったんだよ。全員同じ気持ちだって。てゆーかさ、一番辛いのお前だろ?なのに恨むとか無いって』
朗らかに言うが、心の中は穏やかではないのだろう。
それでもそう言ってくれたという事実に、少しだけ、ナタクも笑んだ。
どのあたりから知っていたのか分からないから少しぼかしました。
作戦開始前から知ってたりは…どうだろうな。
オズが連邦に成り代わるための作戦のこと、かの基地に集まるのは連邦の重鎮であること、そして……自分の仲間たちがそれに利用されるということ。
普通なら、伝えてしまえばいい。そうすれば対応を求めることだって出来る。
だが、自分たちにはそれが出来ないのだ。少なくとも、今現在の状況では。
自分から仲間に伝えられるだけでは意味がない。仲間たちの操縦者たちに伝えられなければ、その情報は全くの無価値なのだ。自分たちはあくまで使われる道具であり、使い手に判断の材料が渡されなければ意味など見いだせるはずもない。
だから迷う。
言ってしまったところで、自分たちに何が出来るというのだろう。知らない方が仲間たちにとっても良いのではないだろうか。
例えば伝えたとしよう。その作戦を行うのは間違いなのだと、今すぐにでも止めなければならないのだと、伝えたとしよう。
そこで、自分たちに何が出来るというのだ?
何も出来ないというのに、そんな自分の苦しみを増長させるだけの事実を突きつけられて、突きつけて良いのだろうか。作戦が間違いだと知ったまま作戦に参加させて、行ってはならないとあらかじめ知っている行動を行わせて良いのだろうか。それは、仲間たちに苦痛を与えるだけの事実なのではないだろうか。
似たり寄ったりなのかもしれないが、それでも迷う物は迷う。
自分のパイロットが伝えてくれれば一番なのだが、五飛それをする気は無い様に見受けられる。今更何を言ったところで事態は変わらないと、そう考えているのかもしれない。
言ってくれればいいのにと、そう思う自分は弱いだろうか。
彼が言えば、自分が言う必要はなくなる。伝えるべきかと考える必然性も消える。そうすれば、自分が……楽になる。
弱い。そこまで考えて出した結論はそれだった。
自分は弱い。迷うのは構わないが、それが相手を考えてではなく自分を思っての迷いであってはならない。誰かが代わりに言ってくれればいいと考えるのも甘い。
そもそも、迷うこと自体間違っている。仲間たちが、事実を知らない事を良しとするわけもないのだ。たとえその事実が辛い物だろうと、彼らはきっと聞くことを求めるだろう。自分だって、同じだ。
そう考えれば、やるべき事は一つだった。
ナタクは目を閉じ、通信回線を開いた。
これは仲間内だけに通じる通信回線。パイロットたちに気付かれることもない回線だ。彼らだけに伝えるならこれが一番使いやすい。
一度だけ深呼吸をして、ナタクは口を開いた。
「聞こえるか」
『…ナタク?』
最初に反応したのはサンドロックだった。
『突然、どうかしたの?』
「重大な話がある……他のは繋がっているか?」
『あぁ、聞こえている』
『俺の方も大丈夫。ヘビーアームズは?』
『……』
ウイング、デスサイズと返事が来て、最後は肯定を伴った沈黙が漂ってきた。全員ちゃんと回線は開いているらしい。
確認をしてもう一度、覚悟を決め直す。
「初めに言っておくが、この話を聞いた後文句を言ってくれて構わない」
『…?だから何なの?』
「お前たちが実行しているその作戦は、実行してはならない作戦だ」
驚愕が、感じられた。
それでも話すことは止めず、ナタクは言葉を続ける。
「そこに集まっているのは連邦の人間であって、オズではない。だが、お前たちの操縦者たちはそうは思っていない……ここまで言えば、分かるか」
『つまり……俺たちは敵の手のひらで踊らされているということか』
「その通りだ」
ウイングの言葉に、ナタクは是を投げて返した。
ここまで伝えれば仲間たちは理解するだろう。この作戦が『成功』すればさらなる戦いが引き起こされるのだと。それに一役買ってしまうのだと言うことを。そして四人の中の誰かが……『間違い』で、大きな過ちを犯してしまうのだと。
『……そっか』
しばしの間の沈黙を破ったのは、デスサイズだった。
彼は困ったように笑って、頬を掻いていた。
『俺たち、戦いを広げるようなマネするんだな……』
「伝えたことを、恨むなら恨めばいい。知らなくても良いことを伝えたのだから…」
『ありがとな』
「……は?」
思いもよらない言葉に、ナタクは思わず聞き返した。
「今何と?」
『ありがとって言ったんだよ。全員同じ気持ちだって。てゆーかさ、一番辛いのお前だろ?なのに恨むとか無いって』
朗らかに言うが、心の中は穏やかではないのだろう。
それでもそう言ってくれたという事実に、少しだけ、ナタクも笑んだ。
どのあたりから知っていたのか分からないから少しぼかしました。
作戦開始前から知ってたりは…どうだろうな。
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