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何か色々考えたらこういう形に収まりました。
とりあえずあれだ、みんな仲良し(一部除く)だったら良いんだよきっと。
誰の弟妹同盟かは多分、読んだら分かるか…な?



「う゛お゛ぉい…」
 これはないだろうと、スクアーロは天を仰ぎ見た。
 といっても、室内だったから見えたのは天井だったが。
「……何でお前らがいるんだここに…」
「そんなの決まってるでしょ」
 紅茶しかないはずのヴァリアー本部で緑茶を飲みながら答えたのは雲雀。
「沢田綱吉だよ」
「はぁ!?綱吉!?」
「…うん」
 頷いたのはクローム。こちらは素直に紅茶のカップを持っている。
「ボスが、しばらくこっちにいてくれって…言ってて」
「……何でだ?」
「僕らが気に入らない人種の人間が本部に来るらしいんだ」
「気に入らない人種……あぁ、そういうことかぁ」
 その言葉に、スクアーロは納得の意を示した。
 今現在の本部には、確か滅多に来ないとあるマフィアのボスが来ているはずだ。目的は当然ながら交渉で、それが終わるまでは滞在する予定なのだと聞いている。まぁ、泊まったとしてもせいぜいが一泊だろうし、それも殆ど有り得ない事態なのだが。
 そして、その客人はやけに規律を守りたがる人間だったはずだ。
 となれば当然、自由気まますぎる雲雀に、綱吉よりも骸を上に見ているクロームなどを見て、その相手が快い態度を示すとは思えない。どちらも彼が愛する規律とやらには邪魔な物に思われてしまうだろう。
 付け加えると、少なくとも雲雀は自分を嫌う相手を好きになるような人間ではない。
 ……成る程、本部から遠ざけるだけでなくこちらによこしたのは他でもなく、二人の目付役というのもあるのか。二人というか、主に雲雀だろうが。
 スクアーロは後頭部をガシガシと掻いてから、雲雀の前に置いてあった手の付いていない紅茶のカップを手に取った。緑茶の方は自分で淹れでもしたのだろうし、そちらを飲んでいるのならこれはいらないだろう。
「てことはなんだぁ?最低でも夕方まではいるってか?」
「ううん…夕方じゃなくて夜中」
「……念に念を入れすぎじゃねぇか?」
 そんな時間まで話し合いがもつれ込むことがあるだろうか。
 少し呆れながら思うと、知らないよと雲雀は肩を竦めた。
「その誰かってね、結構融通効かないらしいから。場合によっては長引くかもってさ」
「…そういうことなら分からなくもねぇか」
「じゃないの?あまり興味ないしどうでも良いけど。赤ん坊の言葉じゃないと従ってもないしね。あと行き先がここじゃなかったら考えてたかも」
 ふぁあと欠伸をしながら呟く雲雀。恐らく有言実行だろう。
 相変わらずだと苦笑していると、クロームがおずおずと手を挙げた。
「スクアーロ…今日は誰が残ってるの?」
「マーモンは任務だなぁ…ベルは夕方には帰ってくるんじゃねぇ?ルッスもいねぇし、そういやレヴィもいねぇ。この二人は明後日まで帰ってこねぇ予定。俺は明日の昼から別の任務が入ってる」
「…スクアーロのボスは?」
「ボスはしばらくずっと机に向かいっぱなしだぁ。まだ続きそうだしなぁ…機嫌悪いから近づかない方がいいと思うぜ?」
「けど、」
 雲雀の目がすっと細められた。
「スクアーロは行くんだよね」
「ん゛?まぁ、報告書とかあるしなぁ」
「その時に…怪我とか、してないの?」
 心配そうに顔を歪めるクロームに、大丈夫だとポンと頭を叩いてやる。
 それから雲雀に引っ張られて促されるままに彼とクロームの間に座り、苦笑をしながら紅茶を一口飲んだ。こうしていると……何だか兄弟のような気分だ。
「もう慣れてるからなぁ…心配されるような事でもねぇよ」
「でも痛いでしょ…?」
「だね。怪我も結構酷いしね」
「お前ら……」
 何だかザンザスが悪いという方向で団結している雲雀とクロームを見て、スクアーロは複雑な気持ちになった。二人が心配してくれるのには感謝するし、この二人がこんなことででも団結しているのは良いことだと思うし……自分の主が暴君なんだろうなぁというのは客観的に見ると間違いない事なので、反論のしようがないのだ。が、慣れきっているので彼らが思うほど大変なことでもない、というのも事実であり。
 そんないろいろな考えの末、何を言って良いのか分からなくなってきたのだった。
 それでも…何かを言わないといけない気がした。何か…言わないと二人してザンザスの所に殴り込みに行きそうな予感までしてくるのである。冗談抜きで。
 ちょっとそれはマズイ気が。
 ザンザスがやられるとは思えないが、雲雀とクロームが組んだら凄いことになりそうな気がするので、尚更に。どっちかというと人間の心配よりは建物の心配の方が。
「……こんなんで大丈夫か…?」
 ついついポツリと呟いた言葉は、両脇に座る二人のどちらにも聞こえなかったようだ。





大丈夫じゃないと思うけどね。

とりあえず雲雀とクロームはスクに懐いてたら良いと思った。兄弟的な意味で。
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