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そういえば最近、SDガンダムフルカラー劇場、更新少ないと思ったから更新。
2009年春号でキュリがアリになったり、双子の弟のケルディムが出たりしたので、それ関連の話。
30:雨
窓を何かが打つ音にふっと顔を上げると、ポツンポツンと付いている水滴。
「雨……か」
雨が降ったと言うことは、と、デュナメスはいないメンバーのことを思った。外に出ている二人だとかは、雨宿りのために流石に帰ってくるだろう。エクシアのことを自分に告げたヴァーチェは、彼の所へといったん戻った。ブイに任せていたらしいから引き取りに行ったのだそうだ。
大変だよな。そう思いながら外を眺め続ける。ハッキリ言ってしまうと、それ以外にやることが無かったのだ。人間化騒動も流石に二日三日と経てば慣れ、どうといった物でもなくなってしまう物なのである。
そんな事を思っている自分の隣でオレンジ色の頭が揺れた。
「あ、雨降ってる……ちょっと強め、かな?」
「だな。これだったらお子様も帰ってくるだろ」
「それにキュリオスもね」
「あぁ、そうだ……な?」
キュリオス?と、思わずデュナメスは隣の彼の顔を凝視した。
「……キュリオス?」
「あ…うん。今の僕はアリオスだから……そのね、『空き』が…」
「成る程な……」
そういうことなら納得である。
しかし一体いつの間に……とは思う、が、それは訊いても意味のないことなのだろう。答えはいつの間にか、だ。同様に、どうしてキュリオスが外に出ているのかというのにも答えは無さそうだった。
それにしても、それならば。
「エクシアのことはダブルオーって呼ぶべきなのか?」
「多分…。ヴァーチェのこともセラヴィーって言うべきだと思う、よ?」
「……ダブルオーになって背とか伸びるのか?」
「どうなんだろうね……」
「じゃあ、セラフィムの方はどうなるんだ?」
「背中に赤ちゃんを括り付けて……とか?」
「……そういえば」
「…?」
「ケルディムは来てるのか?」
その言葉と共に、ドアが開く音と足音が二つ。
「アリオス、帰ったぜー。アイス買ってきた」
「買ってきた、じゃなくて買わせたの方が正しいだろ、お前」
振り向いたら、いたのはもう一つのオレンジ頭と自分の双子だった。
あぁ、と思う。やっぱり来てた。いつの間に……いや、だからこの手の質問の答えは返ってこないから…返ってきても曖昧だから言ったところで無駄だと言うに。
あまりに急展開な事態に何も言えずにいると、アリオスが困ったように眉を寄せた。
「キュリオス、何でアイスなの?」
「食いたかったから。ちゃんとお前のもあるから問題ねーだろ」
「そう言う問題じゃないと思うんだけどなぁ……」
「ほら、オレンジ味」
「……ね、デュナメスとケルディムの、は?」
「ねぇよ、ンなモン」
それってどうだろう。ケルディムに買わせたらしいそのアイスの中に、自分のはともかくケルディムのまで含まれていないというのは。チラリと視線をやると、双子の弟が諦めたような苦笑を浮かべているのが見えた。
ケルディムもケルディムで大変そうだった。
「…ってかお前、本当にいつ来た」
「ついさっき?んで、気付いたら人間になってた」
「戸惑って無いのかよ……何か凄く簡単に受け入れた系か、お前?」
「いやいや、今でも受け入れるの難しいぜ。あえて何も考えずにどうにかもってる感じ」
「それが普通の反応か。じゃあ、キュリオスは?はじめから一緒か?」
「まぁな。で、アイツの方は直ぐに受け入れてたけど」
「……流石って言うべきか?」
彼はサッパリとした性格をしているから、それは納得できるが。
うんうんと頷いていると、再び開くドア。
バッと視線を向けると、そこにいたのはエクシア……もといダブルオー。名前が変わっても、人間状態だと見た目にさほどの違いが出ないからこういう時は楽だ。
そう、彼には変化が全く見られなかった。背の高さも変わっていないし、服装も替わらないし、髪の長さが変わったわけでも、色が変わったわけでもない。
それでも彼は『ダブルオー』なのだろうが。
「よ。セラヴィーはどうした?」
「置いてきた。あれ以上濡れるのは嫌だったからな」
「お前…」
外見だけでなく中身も変わってなかった彼に、デュナメスはため息を思わず吐いていた。
そんな感じで、これからは名前変更とキャラ増大的な感じで…。