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最近何かすっごくSDFCのことばっかり考えてる気がする……無いの承知でサイトを探してたりもしたよ……。
…なんでこんなにマイナーなの本当に。面白いのに…面白いのになぁ…。
…とかいう恨み辛み?は放っておいて。
今回はそれ・びーです。
「でゅっ……でゅなめす、たいへんだよ…っ!」
「んー…?」
突然聞こえてきた舌足らずな声に目を覚ましたデュナメスは、ゆっくりと体を起こして目をこすった。それから、言葉の聞こえてきた方向に視線をやって……あぁ、そうかと頷いて、再びベッドに戻る。
「なーんだ夢かぁ…」
「ゆっ……ゆめじゃないんだってば!でゅなめす、でゅなめすってば!」
「……マジで?」
「まじ、だよ!」
もう一度起き上がり、再び、今度はベッドの側まで来ていたオレンジ色の髪の子供を見て、デュナメスは呆然と呟いた。
「いや…これ本当に夢じゃないのか?」
「だからちがうんだってば…ぼくも、ゆめだったらって、おもったけど」
「ていうかキュリオス、お前何で言葉が全部平仮名だ」
「あさ、おきたら……こうなってて」
シュンと項垂れて、キュリオスは呟く。
「なんでだろ…ちゃんと、くすりはのんだよ?」
「解毒剤?のことだよな…あぁ、それはオレも見てたから分かってる。ってことは……あの薬が解毒剤じゃなかったってワケか…?」
その上、薬の効果を増長させるような類の代物だったと言うことか。
これはまずいだろうと、デュナメスは額に手を当て天井を仰ぎ見た。幸いと今日は休みだが、いい加減にどうにかしないと学校の方が困ってしまう。事情を説明したら、校長や教師や同級生というか白辺高校関係者全員が納得してくれるとは思うのだが、あまりそれに頼ってもいけないだろうし。
そうやって考えた結果、出た結論は。
「……とりあえず、エクシアとヴァーチェにも話すか」
「既に知っている」
「へっ!?」
答えは返ってきたのだが予想と違う声による返答で、思わずデュナメスは惚けた声を出して声のした方……つまり、先ほどキュリオスがいた、部屋のドアの方を見やった。
そこには、先ほど口にした二人組の姿。
エクシアとヴァーチェがそこにいた。
その二人の言葉から、あぁもう知ってんのかとデュナメスは思ったのだが、キュリオスの方は不思議そうに首を傾げた。
「え…?ぼく、ふたりにはなにも、いってない、よ?」
「確かにお前からは聞いてない」
「偶然ここを通りかかったときに二人の会話が聞こえただけだ」
「それって盗み聞……」
「偶然聞いたんだ」
「いや、でもやっぱ…」
「偶然だ」
言い切るヴァーチェに、あぁそうでうすかとデュナメスは苦笑を浮かべた。別に、このくらいどうということはないだろうに、それでも盗み聞きをしたと認めたくないのか。否定を続けているが、横でエクシアが肯定を表すような表情をしているので無意味だと、ちょっと速めに気付くべきだった。今も気付いていないが。
事情を話す手間が省けたから、それは良かったかもしれない。
事をそうやって捉えることにして、デュナメスはベッドの上に座ったまま、キュリオスを抱き上げて膝の上に座らせた。
「いや、本当に小さいな…改めて見ると」
「…なんで、う゛ぁーちぇもでゅなめすも、ぼくをひざにのせたがるの……?」
「乗せやすいし、小さい物って見てて和むからじゃないか?」
「そうなの?」
「オレはそうだけど」
ヴァーチェも、似たような物だと思うが。
どうせ言っても否定しか返ってこないだろうと見当が付くので言わないことにして、デュナメスはエクシアの方を向いた。理由は、呼び鈴の音が聞こえたからである。
「エクシア、行ってきてくれるか?」
「…分かった」
「もし仮に相手がガンダムさんだったとしても、いきなりケンカとか吹っかけたりするなよな?」
「………分かった」
「ヴァーチェ、お前も一緒に行ってくれ」
これは信用できそうにないと見当づけて、ヴァーチェに頼むと仕方がない、という表情をされた。行ってはくれるらしい。感謝だ。
部屋を出て行く二人の背を見送りながら、ふっと、キュリオスが不安そうに呟く。
「これ、なおらなかったらどうしよう…」
「心配するなって。きっと戻るから、な?」
全部平仮名というのは中々に難しいですね…。