式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
二日目突入です。
…ここからが本当の戦いスタート。
「あーあ。ボスも来れば良かったのに、散策」
「いやぁ、ボスさんは来ねぇだろぉ……」
「同感。それにね、ベル。あの機嫌の悪いボスを無理矢理外に連れてきたら、たちまち大惨事が起きるよ」
「ちょっとその大惨事、興味あるんですけどー」
前方でワイワイと(?)喋っているヴァリアーの面々を、雲雀は何となくイライラしながら見ていた。理由はまぁ、暗殺部隊のくせに彼らが群れているからだろうが。あとそれだけでなくて、四人中三人が邪魔だからだろうか。付け加えてその三人の中の二人が幻術使いだからだろうか。
四人中邪魔な三人を今すぐにでも咬み殺してやりたいと、雲雀は思わず思わずトンファーを取り出そうとした。人の目なんてどうだって良い。そんな物を気にしているのはせいぜいスクアーロくらいで、そんな彼に迷惑をかけるのは少々思うところがあるが、それは今回くらいは許してもらおう。
しかし、その手は隣から伸ばされた手に捕まれて止まる。
視線をやれば、クロームがフルフルと首を振った。
「雲の人……ダメ」
「構わないで。いくら今は味方である君といえど、邪魔をするのなら咬み殺すよ」
「……そうじゃなくて」
「じゃあ何」
「…今行動したら、あの人に警戒されちゃうかも…」
その言葉に、雲雀はふっと、恐らく旅館があるだろう方向へと視線をやった。
そう。今回の旅行の同伴の目的の半分はそれだ。とりあえずザンザスをどうにか倒したいと思ったのだ。それはクロームと自分と両方の共通して持つ目的であり、だからこそこの場合の彼女言葉は正しい。
ただでさえ手強い相手だ。警戒されるとやりにくくなるのは間違いないだろう。
「……仕方ない。実行は隙を見せたときにだね」
「うん…それと、出来るなら倒すのはあの人だけ……」
「確かにそれが一番楽だろうね…」
「あ……雲の人、どこに行くの?」
何も出来ないならいても意味はないから、と、群れから離れようとした雲雀にクロームが声をかける。
ちらりと彼女の方を一瞥して、雲雀は口を開いた。
「僕は旅館に帰るよ。これ以上群れる気はないから」
「…行動は」
「安心して。君がいないときには起こさないから」
「……なら、良いけど」
それでも不安そうなクロームに、他にどう言ったら良いんだろうと雲雀は考えるのを止めた。別に彼女を安心させてやるような義務は、こちらには一つもないのである。クルリと彼女に背を向けて、今まで来た道をとって返した。
一人で歩く静かな道は、とても心地が良い。先ほど、群れの後ろについて歩いていたときとはとても違う気分だ。あの時はもう少し、面倒な気持ちが強かったからそれほど風景を見る余裕もなかったのである。
この静かな道を進みきったら、見えるのは旅館。
そういえばあの旅館……群れが、とても多く生息していたような気がするのだが。
「……ま、今回くらいは見逃してあげようかな」
機嫌が良いわけではないが、別に悪いわけでもない。少しくらいは、今回くらいは見逃してやっても良いだろう……何か、自分たちに面倒なことを起こさなければそのくらいは。
そんなことを思っている間に道は終わり、見えた旅館の前に立っていた男に、雲雀は眉をしかめた。
あの髪の色は何だろう…紫?しかも目は真っ赤で。
絶対に、あぁいう人間は並盛中では校則違反だ。
そう思って、彼が並中生でないことを残念に思う。もしも並中生だったら、いくらでも制裁を加えてやることが出来たのに。彼の場合はどこの所属かも分からないし、その所属する場所ではあるいはあの髪の色で良いのかもしれないから、こちらからは全く何も出来ないのであった。
かなり不満だが、そこは仕方がない。
諦めることにして、雲雀はその誰かの傍を何も考えずに通り過ぎようとした。
だが、しかし。
「すまない」
通り過ぎようとしたときに、相手の方から声をかけてきた。
面倒な気持ちも隠さずに何だ?と視線をやると、彼は一つ訊きたいんだが、と前置きをして言った。
「金色の目の不良を見なかったか?」
「知らないね。悪いけど余所を当たってくれるかい?」
「そうか…分かった。呼び止めて悪かったな」
そう言って、紫の彼はどこかへと歩き去ってしまった。
残された雲雀は、しばらくその背を見送っていたが直ぐに視線を外した。彼は誰かを捜しているようだったが、そんなことは自分には関係ない。
こんな感じでこれから続いていきます…。
「いやぁ、ボスさんは来ねぇだろぉ……」
「同感。それにね、ベル。あの機嫌の悪いボスを無理矢理外に連れてきたら、たちまち大惨事が起きるよ」
「ちょっとその大惨事、興味あるんですけどー」
前方でワイワイと(?)喋っているヴァリアーの面々を、雲雀は何となくイライラしながら見ていた。理由はまぁ、暗殺部隊のくせに彼らが群れているからだろうが。あとそれだけでなくて、四人中三人が邪魔だからだろうか。付け加えてその三人の中の二人が幻術使いだからだろうか。
四人中邪魔な三人を今すぐにでも咬み殺してやりたいと、雲雀は思わず思わずトンファーを取り出そうとした。人の目なんてどうだって良い。そんな物を気にしているのはせいぜいスクアーロくらいで、そんな彼に迷惑をかけるのは少々思うところがあるが、それは今回くらいは許してもらおう。
しかし、その手は隣から伸ばされた手に捕まれて止まる。
視線をやれば、クロームがフルフルと首を振った。
「雲の人……ダメ」
「構わないで。いくら今は味方である君といえど、邪魔をするのなら咬み殺すよ」
「……そうじゃなくて」
「じゃあ何」
「…今行動したら、あの人に警戒されちゃうかも…」
その言葉に、雲雀はふっと、恐らく旅館があるだろう方向へと視線をやった。
そう。今回の旅行の同伴の目的の半分はそれだ。とりあえずザンザスをどうにか倒したいと思ったのだ。それはクロームと自分と両方の共通して持つ目的であり、だからこそこの場合の彼女言葉は正しい。
ただでさえ手強い相手だ。警戒されるとやりにくくなるのは間違いないだろう。
「……仕方ない。実行は隙を見せたときにだね」
「うん…それと、出来るなら倒すのはあの人だけ……」
「確かにそれが一番楽だろうね…」
「あ……雲の人、どこに行くの?」
何も出来ないならいても意味はないから、と、群れから離れようとした雲雀にクロームが声をかける。
ちらりと彼女の方を一瞥して、雲雀は口を開いた。
「僕は旅館に帰るよ。これ以上群れる気はないから」
「…行動は」
「安心して。君がいないときには起こさないから」
「……なら、良いけど」
それでも不安そうなクロームに、他にどう言ったら良いんだろうと雲雀は考えるのを止めた。別に彼女を安心させてやるような義務は、こちらには一つもないのである。クルリと彼女に背を向けて、今まで来た道をとって返した。
一人で歩く静かな道は、とても心地が良い。先ほど、群れの後ろについて歩いていたときとはとても違う気分だ。あの時はもう少し、面倒な気持ちが強かったからそれほど風景を見る余裕もなかったのである。
この静かな道を進みきったら、見えるのは旅館。
そういえばあの旅館……群れが、とても多く生息していたような気がするのだが。
「……ま、今回くらいは見逃してあげようかな」
機嫌が良いわけではないが、別に悪いわけでもない。少しくらいは、今回くらいは見逃してやっても良いだろう……何か、自分たちに面倒なことを起こさなければそのくらいは。
そんなことを思っている間に道は終わり、見えた旅館の前に立っていた男に、雲雀は眉をしかめた。
あの髪の色は何だろう…紫?しかも目は真っ赤で。
絶対に、あぁいう人間は並盛中では校則違反だ。
そう思って、彼が並中生でないことを残念に思う。もしも並中生だったら、いくらでも制裁を加えてやることが出来たのに。彼の場合はどこの所属かも分からないし、その所属する場所ではあるいはあの髪の色で良いのかもしれないから、こちらからは全く何も出来ないのであった。
かなり不満だが、そこは仕方がない。
諦めることにして、雲雀はその誰かの傍を何も考えずに通り過ぎようとした。
だが、しかし。
「すまない」
通り過ぎようとしたときに、相手の方から声をかけてきた。
面倒な気持ちも隠さずに何だ?と視線をやると、彼は一つ訊きたいんだが、と前置きをして言った。
「金色の目の不良を見なかったか?」
「知らないね。悪いけど余所を当たってくれるかい?」
「そうか…分かった。呼び止めて悪かったな」
そう言って、紫の彼はどこかへと歩き去ってしまった。
残された雲雀は、しばらくその背を見送っていたが直ぐに視線を外した。彼は誰かを捜しているようだったが、そんなことは自分には関係ない。
こんな感じでこれから続いていきます…。
PR
この記事にコメントする