式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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これで本当に終了。管理人の趣味丸出しの企画に付き合ってくださった皆様、どうもありがとうございました!
あぁ怒っていると、自分の斜め前方を歩いているザンザスを見ながら思う。任務扱いにされてしまった強制的な休暇の間は、とりあえず体を休めることを優先させたらしいので問題は起こらなかったが、いざ帰ってきてみると……こんな馬鹿げた任務を与えた張本人に対しての怒りが沸々と煮えたぎってきたらしい。
それはそうだろう。あの旅館に行けと言われる前は、まだまだ書類仕事で大忙しだったのだし。付け加えると、終わらなかったそれらをそのまま放置して行かなければならなかったのであり。
だから気持ちは分かるのだが、生憎とスクアーロはザンザスよりは綱吉の肩を持ちたいと考えていた。
自分の主君は絶対に、仕事という物をやりすぎだ。休めと言っても全然休まないし、少し目を離せば食事は抜くし睡眠時間も削るというか抹消するし。それでよく毎回倒れない物だと感心できなくはないが、あまりこんな箇所で感心もしたくはない。
今回の任務は、どうやってザンザスを休ませるべきかと考えているときにやってきた物なのである。ザンザスにとっては多大なお節介だとしても、スクアーロにとってはとてもありがたい申し出だった。
……だからとりあえず、最低でも綱吉の身の安全くらいは守ってやりたいと思っている、のである。
止められるだろうか…と、どんどん苛立ちが増して行っているような気がしなくもないザンザスを眺めながら思う。出来たらとてつもない奇蹟であるような気がしてきたが、そう言っていると実際問題何も出来なくなるので何とも。
そんなことを思っている間に、辿り着いた一枚のドアの前。
この先に、綱吉がいるのである。
「……なぁ、ボス、思い直さねぇ?」
「断る」
「ほら、一応相手はボンゴレ十代目だしよぉ」
「んなもん知るか」
「…だよなぁ」
そんなのを気にするザンザスではない、確かに。
「それに」
「あ゛?」
「終わったら報告を寄越せと言ったのはアイツだ」
「……何て言う自殺行為だそれ…」
この任務の間はともかくとして、終わって色々なことを考える事が出来るようになってからの、ザンザスの反応くらい綱吉にもよくよく分かるだろうに。
と、そこまで考えて首を傾げる。
「なぁ、それって書類で報告って意味じゃなくてかぁ?んで、誰かに届けさせろって……そう言う事じゃねぇ?」
「……」
「…やっぱりそういう事かよ」
はぁ、とため息を吐いてザンザスを見やる。
つまり、部下に書いた書類でも何でも届けさせればいい物を、ボス自ら出向いて来たと言うことであり。それは決して相手を敬っているわけでも何でもなく、ただ単にその手で即行で相手をねじ伏せたいと思っているからで。
それってどうなんだ?という視線を受けたザンザスは、ちらりとこちらを一瞥しただけでたいした反応は見せなかった。
「煩ぇ」
それだけを言って返して、ザンザスはドアを蹴り開けた。
鈍い音と共にドアは壊れ、部屋の内側へと倒れていく。修理費はやはりこれは綱吉持ちなのだろう。少しくらいは申し訳なく思うが。
そしてその綱吉はと言うと、突然蹴り壊されたドアの方と蹴り壊した犯人……つまりザンザスを見て、顔に驚愕をベッタリと貼り付けていた。
「ザ…ザンザス!?」
「沢田綱吉、覚悟は良いな」
「え…いや、ちょ……」
ただならぬヴァリアーのボスの様子を察知したのか、ボンゴレ十代目は椅子から立ち上がって後ずさった。焼け石に水だとは思ったが、そうしたい気持ちはとても分かるので何も言わないでやる。
代わりに、助けを求める視線を受けても素知らぬふりだ。残念ながら自分がどうにか出来るレベルは越えている。諦めて犠牲になってもらうしかないのである。
ボンゴレの十一代目は誰がなるんだろうかと半ば本気で考えている間に、ザンザスが取り出した物を見て、スクアーロは顔を引きつらせた。
「ボスさんよ…そこまで本気なのかぁ?」
「やるなら徹底的にだ」
「徹底的すぎねぇ?」
「チリも残す気はねぇからな」
「ザンザス、思い直してお願いだから!俺まだ死にたくないんだけど!」
「テメェの都合なんざ知るか」
獰猛と言うべきだろうその笑みを浮かべ、ザンザスは愛銃の銃口を綱吉に向けた。
…今回はどれくらいで怒りが収まるだろうか。出来ることなら、あまり建物が壊れないうちに収まってくれればいいのだが。
既に日常茶飯事とはいわないものの流れが出来上がっている事態に立ち会いながら、スクアーロが考えるのはそれくらいのことだけだった。
とりあえず綱吉、頑張って逃げるんだ。
それはそうだろう。あの旅館に行けと言われる前は、まだまだ書類仕事で大忙しだったのだし。付け加えると、終わらなかったそれらをそのまま放置して行かなければならなかったのであり。
だから気持ちは分かるのだが、生憎とスクアーロはザンザスよりは綱吉の肩を持ちたいと考えていた。
自分の主君は絶対に、仕事という物をやりすぎだ。休めと言っても全然休まないし、少し目を離せば食事は抜くし睡眠時間も削るというか抹消するし。それでよく毎回倒れない物だと感心できなくはないが、あまりこんな箇所で感心もしたくはない。
今回の任務は、どうやってザンザスを休ませるべきかと考えているときにやってきた物なのである。ザンザスにとっては多大なお節介だとしても、スクアーロにとってはとてもありがたい申し出だった。
……だからとりあえず、最低でも綱吉の身の安全くらいは守ってやりたいと思っている、のである。
止められるだろうか…と、どんどん苛立ちが増して行っているような気がしなくもないザンザスを眺めながら思う。出来たらとてつもない奇蹟であるような気がしてきたが、そう言っていると実際問題何も出来なくなるので何とも。
そんなことを思っている間に、辿り着いた一枚のドアの前。
この先に、綱吉がいるのである。
「……なぁ、ボス、思い直さねぇ?」
「断る」
「ほら、一応相手はボンゴレ十代目だしよぉ」
「んなもん知るか」
「…だよなぁ」
そんなのを気にするザンザスではない、確かに。
「それに」
「あ゛?」
「終わったら報告を寄越せと言ったのはアイツだ」
「……何て言う自殺行為だそれ…」
この任務の間はともかくとして、終わって色々なことを考える事が出来るようになってからの、ザンザスの反応くらい綱吉にもよくよく分かるだろうに。
と、そこまで考えて首を傾げる。
「なぁ、それって書類で報告って意味じゃなくてかぁ?んで、誰かに届けさせろって……そう言う事じゃねぇ?」
「……」
「…やっぱりそういう事かよ」
はぁ、とため息を吐いてザンザスを見やる。
つまり、部下に書いた書類でも何でも届けさせればいい物を、ボス自ら出向いて来たと言うことであり。それは決して相手を敬っているわけでも何でもなく、ただ単にその手で即行で相手をねじ伏せたいと思っているからで。
それってどうなんだ?という視線を受けたザンザスは、ちらりとこちらを一瞥しただけでたいした反応は見せなかった。
「煩ぇ」
それだけを言って返して、ザンザスはドアを蹴り開けた。
鈍い音と共にドアは壊れ、部屋の内側へと倒れていく。修理費はやはりこれは綱吉持ちなのだろう。少しくらいは申し訳なく思うが。
そしてその綱吉はと言うと、突然蹴り壊されたドアの方と蹴り壊した犯人……つまりザンザスを見て、顔に驚愕をベッタリと貼り付けていた。
「ザ…ザンザス!?」
「沢田綱吉、覚悟は良いな」
「え…いや、ちょ……」
ただならぬヴァリアーのボスの様子を察知したのか、ボンゴレ十代目は椅子から立ち上がって後ずさった。焼け石に水だとは思ったが、そうしたい気持ちはとても分かるので何も言わないでやる。
代わりに、助けを求める視線を受けても素知らぬふりだ。残念ながら自分がどうにか出来るレベルは越えている。諦めて犠牲になってもらうしかないのである。
ボンゴレの十一代目は誰がなるんだろうかと半ば本気で考えている間に、ザンザスが取り出した物を見て、スクアーロは顔を引きつらせた。
「ボスさんよ…そこまで本気なのかぁ?」
「やるなら徹底的にだ」
「徹底的すぎねぇ?」
「チリも残す気はねぇからな」
「ザンザス、思い直してお願いだから!俺まだ死にたくないんだけど!」
「テメェの都合なんざ知るか」
獰猛と言うべきだろうその笑みを浮かべ、ザンザスは愛銃の銃口を綱吉に向けた。
…今回はどれくらいで怒りが収まるだろうか。出来ることなら、あまり建物が壊れないうちに収まってくれればいいのだが。
既に日常茶飯事とはいわないものの流れが出来上がっている事態に立ち会いながら、スクアーロが考えるのはそれくらいのことだけだった。
とりあえず綱吉、頑張って逃げるんだ。
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