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リボの女の子たちのふれあいは本当に心暖かいというか…。



035:疲労



 中庭でウトウトとしていると、ふいに陰が掛かった気がして目を開き、顔を上げる。
「クロームちゃん、こんな所で寝てたら風邪引いちゃうよ?」
 微笑みながらそう言うのは、京子。何かを作って持ってきたらしく、手はバスケットを提げていた。美味しそうな香りから、多分食べ物系で……時間帯からして、菓子系の何かなのだろう、きっと。
 綱吉にでも何かを作ってきたのだろうか。そう思いながらボウッと見上げていると、彼女はクスクスと笑いながら、クロームの隣に腰掛けた。
 自分たちが座っているベンチは、どうやら風の通り道に置いてあるらしく、穏やかで優しい風がふわりと吹いた。……どうりで眠くなるわけだ。ここにいたのは、ただ単に、疲労しきった体を休めるためだけの目的でだったのに。眠る気なんて一つもなかった。
「そういえば、どうしてここに?」
「あ……任務が終わったから、少し休憩」
「任務か…大変だね」
 お疲れ様、と言われたので大丈夫だと首を振ってみせる。実際にこんな事は慣れていたから大丈夫だったし、心配されるようなことでもない。
 それに、組んだ相手が相手だったので自分の出番は殆ど無かった。
 …でも、どうしてヴァリアーとわざわざ組むような任務があったのだろうかと、それは少し不思議だった。本部の人間だけでどうにかすればいいのに、と思うのだが中々そうもいかないということだろうか。
 おかげで良い体験…かはさておいて、経験は積むことが出来たから、その点は感謝するべきなのかもしれない。所構わず壊そうとする人と組むと、後始末として幻術を使用する事が多くなるのだと学ぶことが出来た。今回の疲労は間違いなく、その幻術の使いすぎによるものだろう。あの王子も、少しは加減をしてくれれば良いのに。
 はぅ、と息を吐いていると、ふと目の前に差し出されるマフィン。
 京子の顔を見ると、彼女は笑っていた。
「疲れているときは甘い物が良いんだよ?よかったら、一つあげる」
「……良いの?」
「どうせ余るくらい作ってきたから」
 どう?と問う視線に、クロームは怖ず怖ずとマフィンに手を伸ばすことで答えた。
「…ありがとう」







次のお題はこの話と繋がってます。
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