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一体、どうしてこの二人を一緒にしてるんだろうか。
自分でもたまに分からないです、自分の思考回路が。
036:確かなつながり
「オイ」
その声が聞こえてきたのは、綱吉たちに菓子を配り終えて帰ろうか、と言うときだった。
顔だけで振り返ってみると、最初に目に入ったのは赤い目。それから顔にある傷跡だとか、高い背丈だとか。それはともかくとしてだが、彼が本部の方にいることに京子は少し驚いた。彼はあまりこちらには来ない。
どうしたのだろうと思いながら、まだマフィンが入っているバスケットと一緒に体事反転させて、ザンザスと向かい合う。
「どうかしたんですか?」
「カス鮫を見なかったか」
「…えっと、それってスクアーロさん、ですよね」
ちゃんと名前を呼んであげれば良いのにと思い、けれどもうこれは治しようのない癖のような物なんだろうとかつて結論づけるしかなかった京子は、あえてそこに触れずに首を振った。今日は彼を見てなんていない、というか、彼が本部に来ていること自体を今知った。そういえば菓子を渡すときに綱吉が会議があったとか言っていたから、その関係で来ていたのかもしれない。
京子が何も知らないと分かるやいなや、そうかとだけ呟いて自分の傍を、彼は通り過ぎた。完全にこちらに興味はなくなったらしい。
けれど、こっちは少し興味を持った。
「……何で付いてくんだ」
「お菓子、余っちゃったから…良かったらと思って」
「いらねぇよ」
「でも、スクアーロさんはいるかもしれません」
だから良いでしょう?と笑むと、勝手にしろと言わんばかりに逸らされる視線。なら、勝手にしてしまおう。こう言うときはこうやって接すれば良いのだと気付いたのは、少しくらい前の話だ。
さて、彼はどのくらいの時間でスクアーロを見つけるだろうか。京子は、それが気になったのである。迷いのない歩みを続けていくザンザスが、どのくらい後に探し人を見つけるか……というのに、少しばかりの興味を抱いたのである。
どうせ直ぐに見つけてしまうのだろうけど。そう思って、羨ましいと思った。
それは他でもなく、しっかりとした、確かな繋がりがあると言うことだから。
京子の適応能力が高かったらいいなって話かもしれない。