式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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親子的雨Ⅱと小さな嵐を書こうと思って書いたのですが、実際そうなってるかは不明という品。
「なーなー、腹減ったから何か作れー」
「テメェ、それが人に頼む言い方か」
「えー?だってオマエだしー?」
良いじゃん?と笑ってみせると、呆れたように吐かれるため息。それでもちゃんと作りに行くのだから律儀というか。まぁ、自分相手なのだし当然ということでどうだろう。
いつもなら、頼んだ後は外にあるベンチとかに座って待っているのだけれど、今日に限ってはそれをする気はなかった。何となく、彼の後を付いて行って、料理の様子でも見物しようかと思ったのである。
思いついた本人でも良いアイディアだと思えたし、ならば行動するしかない。
小さな嵐は座っていた椅子からピョンと飛び降りて、先にさっさとキッチンへと行こうとしていた二世の雨の後を追った。
気付いたらしい雨がこちらに、ほんの少しだけ視線を送る。
「どうした?」
「見物ー。たまにはそーいうのも良いじゃん?」
「ならそのぬいぐるみは置いていけ。汚れるかもしれねぇ」
「大丈夫だってば。そんなヘマしないもん」
「どーだかな」
「疑う?」
「多少は。何だかんだ言ってドジる時あるじゃねぇか」
「ドジって無い!」
そんなこと、嵐の守護者である自分がするわけ無いではないか。
言いがかりを付けられてむぅっと雨を睨んでいると、彼は降参したと言わんばかりに両手を挙げた。その態度も何だかとても酷くイライラするのだけれど、これは絶対に彼の生だろう、いやそうに違いないのだ。
そういうわけなので服の袖に仕込んでいた小さなナイフを抜き取って背中めがけて投げつけたのだが、彼はこちらを見ることなく後ろに手を回してそれをキャッチした。
余計に苛ついて第二陣を放とうとしたときに、丁度キッチンに辿り着いてしまった。
そうなると、小さな嵐には今回ばかりは手を出せない。何か作れと言ったのは自分だし、ここで邪魔をしたら絶対に何も付くってもらえない。
それだけは、何を差し引いてもゴメンだと思うのである。
キッチンというか、気分的には厨房という方が正しいのかもしれないそこで、小さな嵐はその辺りにあった椅子を適当に引っ張ってきて、二世の雨がよく見える場所において腰掛けた。見物に来たのだから、ちゃんと見物できる場所にいなければ。
それは分かったのか、雨は何も言わなかった。
「なー、何作るの?」
「クッキーか何かで良いか?確か、生地が放ってかれてるハズ…」
「え?何でそんなん放ってんの」
「大した理由じゃねぇ。作ろうと思って止めただけだからな。てーか、正確に言うと作ろうと思ったけど出来なくなった」
「どうして?」
「二世と初代のケンカの後片付け」
「……あぁ」
それはそれはと、流石の小さな嵐でも同情的な気分になった。
あの二人のケンカは本当に盛大だ。見ている分には飽きないから好きだけれど、片付けろと言われたら全力で辞退したい。そう言う物、なのである。
そんな大変な役にかり出されているのが守護者というのはどういう事なのだろうと思いながら、雨が生地を取り出して広げるのを見る。
これを焼いて、クッキーを作るのだと思うと何だか不思議な気分だ。横からちょっとつついてみたら、全然堅くなくて窪みが出来てしまった。引っ張ったら簡単に割けてしまうし、本当に、不思議だ。
小さな嵐のそんな様子に気付いたのか、二世の雨が生地を二分して小さな方をこちらに渡してきた。
キョトンと見上げると、降ってくる声。
「何なら形でも作ってみるか」
「形?」
「型抜きがあるからあれ使ってやってみろよ」
「…つまり、やって良いって事?」
「まぁな。形整えたら後は役だけだ。お前が持ってきた椅子があるから、それの上にでも乗ってりゃ背丈的にも問題ねぇし」
「オマエ、今、遠回しにチビだって言わなかった?」
「言ってねぇよ」
「怪しー」
ぶぅっと頬を膨らませながらも、二世の雨の手から金属製の型抜きを受け取って、小さな嵐は何となく満足な気分だった。
生地を棒を使って伸ばしていく雨の手元を眺めつつ、思うのは、どんな形を作ってみようかという、ただその一点だけだった。
お菓子作りとかでほのぼのしてたら良いんだよ。
あと、そろそろ晴れⅡも出したいな…。
「テメェ、それが人に頼む言い方か」
「えー?だってオマエだしー?」
良いじゃん?と笑ってみせると、呆れたように吐かれるため息。それでもちゃんと作りに行くのだから律儀というか。まぁ、自分相手なのだし当然ということでどうだろう。
いつもなら、頼んだ後は外にあるベンチとかに座って待っているのだけれど、今日に限ってはそれをする気はなかった。何となく、彼の後を付いて行って、料理の様子でも見物しようかと思ったのである。
思いついた本人でも良いアイディアだと思えたし、ならば行動するしかない。
小さな嵐は座っていた椅子からピョンと飛び降りて、先にさっさとキッチンへと行こうとしていた二世の雨の後を追った。
気付いたらしい雨がこちらに、ほんの少しだけ視線を送る。
「どうした?」
「見物ー。たまにはそーいうのも良いじゃん?」
「ならそのぬいぐるみは置いていけ。汚れるかもしれねぇ」
「大丈夫だってば。そんなヘマしないもん」
「どーだかな」
「疑う?」
「多少は。何だかんだ言ってドジる時あるじゃねぇか」
「ドジって無い!」
そんなこと、嵐の守護者である自分がするわけ無いではないか。
言いがかりを付けられてむぅっと雨を睨んでいると、彼は降参したと言わんばかりに両手を挙げた。その態度も何だかとても酷くイライラするのだけれど、これは絶対に彼の生だろう、いやそうに違いないのだ。
そういうわけなので服の袖に仕込んでいた小さなナイフを抜き取って背中めがけて投げつけたのだが、彼はこちらを見ることなく後ろに手を回してそれをキャッチした。
余計に苛ついて第二陣を放とうとしたときに、丁度キッチンに辿り着いてしまった。
そうなると、小さな嵐には今回ばかりは手を出せない。何か作れと言ったのは自分だし、ここで邪魔をしたら絶対に何も付くってもらえない。
それだけは、何を差し引いてもゴメンだと思うのである。
キッチンというか、気分的には厨房という方が正しいのかもしれないそこで、小さな嵐はその辺りにあった椅子を適当に引っ張ってきて、二世の雨がよく見える場所において腰掛けた。見物に来たのだから、ちゃんと見物できる場所にいなければ。
それは分かったのか、雨は何も言わなかった。
「なー、何作るの?」
「クッキーか何かで良いか?確か、生地が放ってかれてるハズ…」
「え?何でそんなん放ってんの」
「大した理由じゃねぇ。作ろうと思って止めただけだからな。てーか、正確に言うと作ろうと思ったけど出来なくなった」
「どうして?」
「二世と初代のケンカの後片付け」
「……あぁ」
それはそれはと、流石の小さな嵐でも同情的な気分になった。
あの二人のケンカは本当に盛大だ。見ている分には飽きないから好きだけれど、片付けろと言われたら全力で辞退したい。そう言う物、なのである。
そんな大変な役にかり出されているのが守護者というのはどういう事なのだろうと思いながら、雨が生地を取り出して広げるのを見る。
これを焼いて、クッキーを作るのだと思うと何だか不思議な気分だ。横からちょっとつついてみたら、全然堅くなくて窪みが出来てしまった。引っ張ったら簡単に割けてしまうし、本当に、不思議だ。
小さな嵐のそんな様子に気付いたのか、二世の雨が生地を二分して小さな方をこちらに渡してきた。
キョトンと見上げると、降ってくる声。
「何なら形でも作ってみるか」
「形?」
「型抜きがあるからあれ使ってやってみろよ」
「…つまり、やって良いって事?」
「まぁな。形整えたら後は役だけだ。お前が持ってきた椅子があるから、それの上にでも乗ってりゃ背丈的にも問題ねぇし」
「オマエ、今、遠回しにチビだって言わなかった?」
「言ってねぇよ」
「怪しー」
ぶぅっと頬を膨らませながらも、二世の雨の手から金属製の型抜きを受け取って、小さな嵐は何となく満足な気分だった。
生地を棒を使って伸ばしていく雨の手元を眺めつつ、思うのは、どんな形を作ってみようかという、ただその一点だけだった。
お菓子作りとかでほのぼのしてたら良いんだよ。
あと、そろそろ晴れⅡも出したいな…。
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