式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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正直、このメンバーで店がどうにか出来るとは思えないのですが。
翌日。
「んで」
政宗は腕を組んで、目の前にいる面々に視線を向けた。
「何でテメェらまでいんだよ」
「え?そりゃ面白いことになりそーだなーって思ったから」
「よし慶次、テメェは帰れ。…元就はおいといて元親もまぁ分かるからおいておくとして……あー、いつきも分かるから良いな」
「だべさ。てなわけだから、慶次、おめぇさんだけが理由が無いべ」
「えぇ?面白そうっていうだけでも理由じゃない?」
「なんねーよ」
「まぁ、人手が増えるのは良いことなんだけどね」
そう言いながらも、隣の佐助は実に複雑そうな表情である。
気持ちは分からないでもない。一部は除くがこのメンバーで、果たしてどれほどまでにまともな接客が出来るだろうと危ぶんでもおかしくはなかった。特に慶次とか、元就と元親とか。いつきは大丈夫だろうけれど。
特に、元就と元親だ。この二人は一人一人だったら非常に戦力になる存在だろうと思う。元親は基本的には接客に向く態度を取るし、元就も何も相手が粗相をしなければ……その『粗相』の定義がとてつもなく広範囲に定義されるから問題なのだけれども……とにかく、何の問題もなく出来ると思う。
けれども、この場。
二人がそろってしまっているのである。
これは絶対にダメだろうと、政宗は半ば他人事のように思った。実際に、被害を被るのは武田商店であって自分ではないから、他人事ではあるのだけれど。
……多分、普通に知り合っていたらここまで険悪なことにはならなかったのだろう。元親がここまで他人に露骨に敵意を見せることは普通なら、無い。だが、残念ながら普通には知り合うことは出来なかったのだ、この二人は。
結果がこれ。
…もっとも、普通でない状況が起こらない限りは出会うこともなかっただろうし、これ以外の関係も無かっただろう事もまた事実。
とりあえず昔のように、出会い頭に戦闘開始などという事態に陥らなくなっただけでも成長、ということで良しとするしかないのである。
そして、話を戻そう。
そんな二人が一緒にいる、のである。
「…出来るだけ引き離すか」
「どうかしたのでござるか?」
「いや、何でもねぇよ」
ひらひらと手を振って、そういえば、と隣にいた幸村を見る。
「真田幸村、少し訊きてぇことがある」
「…?何をでござろう?」
「何で俺に一日従業員をやらせようと思いやがった?」
「あぁ、その件でござるか。お館様のご采配にござる」
「お館…ってたら虎のおっさんか」
「む。おっさんとは失礼な」
「や、竜に手伝い頼む方が失礼だと思うんだけど…旦那」
「お館様は某にこう言ったのだ」
佐助のツッコミをスルーしつつ、幸村は口を開いた。
いや、と政宗は思い直した。ツッコミを入れられたことにすら気付いていないかも知れない。何か幸村ならそう言うことが有り得そうな気がする。
などと思っている間にも、彼は言葉を続けた。
「政宗殿が一日でも従業員をすれば、間違いなく客足が伸びるであろう、と」
「…おい、俺に頼らなきゃなんねぇほど商店やべぇのか?」
「んーっとねぇ…そんなはずは無いんだけどねぇ……多分いつもの思いつきじゃない?」
「マジか…」
そんな理由でかり出されたのか。
承諾した自分にもこの場合は非?があるとはいえ…何とも言えない。
その気持ちが表に出ていたのか、佐助は申し訳ないと言わんばかりの表情をして、こそりと政宗の耳元で言葉を紡いだ。
「この仕事終わったら何か奢るから、それで勘弁してくれる?」
「良いのかよ?」
「そのくらい大大丈夫だって」
「いやよ、俺が行くって言ったら残りのヤツらも来るんじゃねぇのか?特に幸村」
「うっ……そ…それは」
額に汗を掻きつつ軽く視線を逸らして、ポツリと。
「…頑張ってまく、とか」
「無理だな」
「……ですよねー」
人間だけが相手なら道都でもなったかも知れない。が、生憎とあの中にはそういう括りに入らないのが幾つもいるのである。
だからといって、権利をみすみす逃がすつもりはない。
ポン、と肩を叩いてにぃと笑う。
「仕事が終わったら、何か奢るんだよな?」
「……竜の旦那…何かものすっごく悪役みたいだねぇ…」
一人だけに奢ったら、きっとみんな文句言うからね。そういう感じのやり取りです、ラスト。
「んで」
政宗は腕を組んで、目の前にいる面々に視線を向けた。
「何でテメェらまでいんだよ」
「え?そりゃ面白いことになりそーだなーって思ったから」
「よし慶次、テメェは帰れ。…元就はおいといて元親もまぁ分かるからおいておくとして……あー、いつきも分かるから良いな」
「だべさ。てなわけだから、慶次、おめぇさんだけが理由が無いべ」
「えぇ?面白そうっていうだけでも理由じゃない?」
「なんねーよ」
「まぁ、人手が増えるのは良いことなんだけどね」
そう言いながらも、隣の佐助は実に複雑そうな表情である。
気持ちは分からないでもない。一部は除くがこのメンバーで、果たしてどれほどまでにまともな接客が出来るだろうと危ぶんでもおかしくはなかった。特に慶次とか、元就と元親とか。いつきは大丈夫だろうけれど。
特に、元就と元親だ。この二人は一人一人だったら非常に戦力になる存在だろうと思う。元親は基本的には接客に向く態度を取るし、元就も何も相手が粗相をしなければ……その『粗相』の定義がとてつもなく広範囲に定義されるから問題なのだけれども……とにかく、何の問題もなく出来ると思う。
けれども、この場。
二人がそろってしまっているのである。
これは絶対にダメだろうと、政宗は半ば他人事のように思った。実際に、被害を被るのは武田商店であって自分ではないから、他人事ではあるのだけれど。
……多分、普通に知り合っていたらここまで険悪なことにはならなかったのだろう。元親がここまで他人に露骨に敵意を見せることは普通なら、無い。だが、残念ながら普通には知り合うことは出来なかったのだ、この二人は。
結果がこれ。
…もっとも、普通でない状況が起こらない限りは出会うこともなかっただろうし、これ以外の関係も無かっただろう事もまた事実。
とりあえず昔のように、出会い頭に戦闘開始などという事態に陥らなくなっただけでも成長、ということで良しとするしかないのである。
そして、話を戻そう。
そんな二人が一緒にいる、のである。
「…出来るだけ引き離すか」
「どうかしたのでござるか?」
「いや、何でもねぇよ」
ひらひらと手を振って、そういえば、と隣にいた幸村を見る。
「真田幸村、少し訊きてぇことがある」
「…?何をでござろう?」
「何で俺に一日従業員をやらせようと思いやがった?」
「あぁ、その件でござるか。お館様のご采配にござる」
「お館…ってたら虎のおっさんか」
「む。おっさんとは失礼な」
「や、竜に手伝い頼む方が失礼だと思うんだけど…旦那」
「お館様は某にこう言ったのだ」
佐助のツッコミをスルーしつつ、幸村は口を開いた。
いや、と政宗は思い直した。ツッコミを入れられたことにすら気付いていないかも知れない。何か幸村ならそう言うことが有り得そうな気がする。
などと思っている間にも、彼は言葉を続けた。
「政宗殿が一日でも従業員をすれば、間違いなく客足が伸びるであろう、と」
「…おい、俺に頼らなきゃなんねぇほど商店やべぇのか?」
「んーっとねぇ…そんなはずは無いんだけどねぇ……多分いつもの思いつきじゃない?」
「マジか…」
そんな理由でかり出されたのか。
承諾した自分にもこの場合は非?があるとはいえ…何とも言えない。
その気持ちが表に出ていたのか、佐助は申し訳ないと言わんばかりの表情をして、こそりと政宗の耳元で言葉を紡いだ。
「この仕事終わったら何か奢るから、それで勘弁してくれる?」
「良いのかよ?」
「そのくらい大大丈夫だって」
「いやよ、俺が行くって言ったら残りのヤツらも来るんじゃねぇのか?特に幸村」
「うっ……そ…それは」
額に汗を掻きつつ軽く視線を逸らして、ポツリと。
「…頑張ってまく、とか」
「無理だな」
「……ですよねー」
人間だけが相手なら道都でもなったかも知れない。が、生憎とあの中にはそういう括りに入らないのが幾つもいるのである。
だからといって、権利をみすみす逃がすつもりはない。
ポン、と肩を叩いてにぃと笑う。
「仕事が終わったら、何か奢るんだよな?」
「……竜の旦那…何かものすっごく悪役みたいだねぇ…」
一人だけに奢ったら、きっとみんな文句言うからね。そういう感じのやり取りです、ラスト。
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