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ユニ可愛いですよね。
というのはあまり関係有りませんが…。
065:伝え方
「幻騎士、顔を上げて」
上から、悲しげなユニの声が響く。
それに構わず姿勢を傅いた物そのままにしていると、お願いだから、と続けて言われた。最も、だからといって姿勢を崩すようなことはしないが。あくまで今は部下と上司、それだけの関係なのだから。
思い、まるで後半部分が言い訳のように感じられて気付かれない程度に顔をしかめる。伏せているのだから、そんなことをしなくても気疲れはしないだろうが。
しかし、言い訳とは。
一体何に対しての言い訳なのか。
「…人に、話を伝えるときは目と目を合わせる物だと母は言っていました」
「部下がボスに膝を折るのも当然のことかと」
「けれど、私は顔を上げて欲しいの。それに…」
貴方は、もう私をボス、なんて思っていないでしょう?
そう続けられた言葉に。
幻騎士はゆっくりと顔を上げた。
目と、目が、合う。
「貴方が私…いえ、私たちから心を離しているのは分かっています。だから、形だけだろうとそのような態度を取るのは、少なくても私に対しては止めて欲しい」
「ユニ様」
「そうやって呼ばれるのも、いつまででしょうか…」
相変わらず悲しげに笑う彼女の、目を見て、分かる。
そうだ。自分はこの目と自身の目を合わせるのを恐れていたのだ。
彼女の、あの目はいけない。
気圧される。
覚悟に、悲壮に、情愛に。
押され、流され、躊躇いかねない。
「幻騎士」
彼女の目から直接伝わるその感情たちが恐ろしいのだと、認めざるを得なかった。
ようやくこの二人が書けた…。