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物凄く久々の途美学園です。
そしてなんと、やってしまったことにシリアスです。



 がちゃ、と受話器を戻してヴェーダはため息を吐いた。
 まぁ、有る程度機関が空いたから、そろそろだとは思っていたけれど。まさか本当に来てくださるとは嬉しくない予想の的中だった。
 しかし…そうなると、手を打つべきなのだろうか。
 確か以前、というか前回、この学園にテコ入れに来た皆様は見事に触れてはいけない場所に触れてしまって、それはもう鮮やかなほどにこの学園から存在を消されたのではなかったか。しかも、生徒によって。教師たちも見て見ぬふりをしていたから共犯、といえば共犯かも知れないけれども。けれどそれが無かったとしても生徒はやり遂げただろう。
 あれは怒らせたあちらが悪いので、さほど自分は彼らに対する同情は抱いていない。よくもまぁあんな事をして生きていられるなと感心する気持ちはあるが。自殺に追い込みかけたけれどどうにか止めた『彼』には拍手を送ってあげたい。
 今回は彼ら以上にエリートらしいが、さてはて。
 ここはエリートにとっては非常に鬼門である場所だから、どうなるかは保証できない。
 送ってくるならエリートではなく、経験豊富な年配の人を送ればいいだろうに。何だかんだで彼らは老人に優しくないわけでもない。追い出すにしても少しは手加減をしてくれるだろう。
 そんなことすら分からない人間に命じられてやって来るエリート……というのは考えるまでもなくとにもかくにも、とてつもなく結果が見えているのだけれども。結果どころか結論まで下せるくらいには確実に。
 少しは骨があって良い悪いの判別が出来て欲しいとヴェーダは祈った。彼らのために。二度目ともなれば、その上以前よりも横暴であったら、今回ばかりは生死の保証も本当にしてはあげられない。初めからする気もないが。
「そこは、ま、その人たちの頑張り次第ってところ、かしらね」
 どの程度頑張れるかは知らないが。
 そこそこ頑張ってもらわなければ。
 本当に、死ぬけれども?
 くすくすと笑いながら、ヴェーダは明日へと思いを馳せた。
「どうせ私のことは軟禁するんでしょうけれど、それは自分で自分の首を絞める行為というのよ?明日にやって来るエリート集団の皆様?」
 自分が諸悪の根源だと思っているのなら…とんでもない。
 彼らにとっての悪の根源は何も、自分だけではないのだ。
「楽しみだわ…一体どれ程までに保ってくれるのかしら。最短で五日間…つまり一週間ってところかしらね。最長で…やっぱり一週間、かしら」
 絶対に生徒と彼らは馬が合わない。その生徒が全校生徒というから洒落にはなるまい。
 楽しみだと、ヴェーダはくすくすと笑った。笑い続けた。
 くすくす、と。
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