遊園地に行こう・上

なんか、いつもの如くな感じで子供たちに巻き込まれてる大人たち…です。

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「なーなー、遊園地行こー？」
「却下」
　ソファーの後ろ側からべたーっとくっついてくるベルフェゴールをあえて気にせずに、スクアーロは剣の手入れをしながら答えた。
　全く…この忙しい時期に一体何を言い出すのか。そんな理由で休暇申請でもしたら、椅子どころではなく机が飛んできかねないではないか。まさかと言われるかも知れないが、有り得ることなのだ、これは。
　あの上司はそう言う男なのである。
　だから自分からすれば至極まっとうな返事であるはずなのだが。
　どうやら……ベルフェゴールと、自分の頭の上に乗っているマーモンは、それが気に入らなかったらしい。
「は！？何でお前が王子からの誘いを断るんだよ！バカ鮫、こーいうのを頭が高いって言うんだよ身分弁えろ！」
「身分云々はともかくとして、無料遊園地招待券がほら、ここに四枚もあるんだから、とにかく使わないと勿体ないじゃないか。しかもこれ、四人で行かないと無効なんだよ」
「知るかぁッ！」
　いい加減鬱陶しくなったので、後ろ側からくっついてたベルフェゴールの腕を勢いよく払い、ついでにマーモンを頭から振り落とし、スクアーロは剣を持ったままに立ち上がった。それから体勢なんて一つも崩れていないベルフェゴールと、宙に浮いているマーモンを見据えて叫ぶ。
「お前らこの時期にどんだけ仕事が入るか分かってんだろうなぁ！？そのチケット、期限は見てみりゃ一週間後までじゃねぇか！そこまでで仕事が全部終わりきると思うんじゃねぇぞガキどもぉッ！どうしても行きてぇならルッスでも誘って行け！」
「えー…？」
「…それは」
　勢いに任せていっただけの言葉だったが、最後の言葉が妙にダメージになったらしい。二人ともが非常に嫌そうな顔をした。
　…何だかルッスーリアが憐れに思えてきた、ような気が。
　そんなことを思っているとも知らないお子様たちは、二人してため息でも吐きかねないような表情を浮かべて二人で話し合っていた。
「ルッスを連れて行く、か…それ選択肢に上がることが間違いだよね…」
「本当にな……あんなんと一緒に歩くなんて地獄」
「別に嫌な性格ではないと思うけれどね……」
「オカマだし死体愛好家だし」
「絶対に連れて行きたくないね、遊園地には」
「ムッツリと比べたらまだマシ、ってトコだけど」
「というわけで」
「スクアーロ」
「却下」
「ケチ！バカ鮫のケチ！」
「一回ぐらい行ってくれても良いじゃないか！」
「その一回を持ってくる時期を考えやがれぇッ！てーか四人っつったな？俺が行ったとして後一人はどこから調達してくるつもりだぁ！？ルッスがダメでレヴィが問題外つったが後一……人………………………ってお前らまさか」
　物凄く嫌な予感を覚えて二人をじっと見ると、二人が二人ともさっと視線を逸らした。
　ということは、つまり。
　後一人は。
「…お前ら……死にたくないなら止めた方が良いぜぇ…？」
「でも…ほら、やっぱり行くならそうなるわけなんだよ」
「てゆーかボス対策は大丈夫だし」
「対策？…そういや、そのチケット誰からもらった」
「綱吉」
「…あぁ、そういうことかぁ」
　そういうことなら、多分どうしようもない書状を二人はもらってきているのだろう。そして、それにザンザスは逆らえないわけであって。
　…そうなると何だろう、やっぱり自分も行くことになるのか。
　………今から逃げようか。
　そんなことを思っていると、ふいに談話室のドアが開いた。
　…そこに誰がいたかなど、言う必要もないくらい明らかだった。
「誰がンな事許すか」
「だよなぁ…てかこんなんで超直感使う必要あんのかよ」
「知るか。とにかくテメェも来い、バカ鮫」
　こうなったら道連れだ、と。
　そう言わんばかりのザンザスの視線を受け、スクアーロはため息を吐いた。
「…仕方ねーよなぁ……」
　こうなったら、もうどうしようもなかった。

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そんな感じで遊園地へ行くことに。
ですが、視点は全てスクなので、遊んでいる姿はそう見れないと思います。
スクアーロは…ちょっと余裕ないでしょう。