式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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先生方から見たお話。
「全く…お上の人は必死で、その上横暴とね」
「仕方ないんじゃないかしら。やっぱり、ヴェーダは脅威だと思うわ」
「しかしね…これは少々やり過ぎだろ」
「違いない」
職員室の休憩スペースで。
ライル、アニュー、ニール、ヨハンの四名は昨日来た『教師』たちについて話していた。彼らのことは生徒たちだって人ごとではないだろうが、教師という立場を持つ自分たちにとっても他人事ではない。何せ同じ『教師』である。たまに職員室で顔を合わせることだって有るに違いないのだ。
果たして、何かを訊かれたときに素直に答えることが出来るだろうかと、ライルはやや自分というものに懐疑的だった。彼らの『制裁対象』はヴェーダだけではなく、生徒、教師にまで及んでいるそうなのだ。
喫煙者であることまで言われそうで、ちょっとばかし面倒だと思っているのだけれど。
今朝に慌ただしく入れられた四つの机を眺め、ため息を吐く。
「ったく……お上のやることは本当に何とも言えないねぇ」
「そう言ってやるなよ。やり過ぎとは言ったが、あちらさんだって精神的にだいぶ追い詰められてんじゃないのか?」
「だからといってこれは無いんじゃないのかよ?」
「…あぁ、そういえばライルは知らないのか」
と、ヨハンが何かに思い至ったような表情を浮かべた。
思わず首を傾げると、ニール、続いてアニューもどこか納得の表情を浮かべている。……わけが分からない、のだが。
「どういう事だよ」
「以前も似たようなことがあって、その時はボロボロになって刺客だしは去っていった。面子は丸つぶれだろうからな、そのうち再戦があるだろう事は分かっていた」
「…そういや、この前ニールが何かそういうの言ってたな」
「そうそれ。そう言うことだよ、つまりな」
「あの時はもっと何十人も来て…結局、五日間の間に全員追い出されてしまって」
「あの時だよ、やめてった教師の最高記録樹立したの」
「…そりゃ何とも」
「悪いのは彼らだが」
腕を組み、ヨハンは言う。
「何せ、生徒を尽く無視した教育をしようとしていたからな。普通よりも厳しく、徹底的にと。だが…この学園がこの学園であったことが、最大の盲点だったらしい」
「そうなんです」
アニューも頷き、補足をするように口を開いた。
「自由を奪い過ぎたために、今の生徒会メンバーの多数と、その友人たちに返り打たれて。死人が出るようなギリギリの線で止まったの」
「マジでか…」
それは…危ない。
当然ながら生徒たちがではなく、その教師たちの命が。
よくぞ止まってくれたと、ライルは生徒会の殆どの顔を思い浮かべて思った。死人が出ていたら学園は見事に学園としての機能を壊されきってしまっていたかもしれない。……いや、そうではないのか。
死人が出ても、この学園は変わらないだろう。
そのくらいの勢いを、学園所有者は持っている。
「ったく…そんなこと生徒にさせるくらいヴェーダさんは凄いのかねぇ…」
「あ、アイツらの単独行動だからな、これ」
「それと皆さん、ヴェーダを拘束しすぎたせいであぁなんたんで…同情もちょっと難しくって、実際」
「学園所有者を野放しにしておいた方が、まだ…いや、事態が悪化するだけか?」
「どうしたって起こってたんだな、結局」
そして今、考えるべきはただ一つなのだろう。
現状が、その時とどうやら殆ど同じであるという事実を。
となれば、同じようなことが起こる可能性は非常に高い。ただでさえ朝礼の様子を見る限りでは生徒たちからの、あの教師たちへの感情は悪い物であるようだというのに。前回がどれほどの物であったかは想像するしかないのだが、それにしても。
前回も酷かったようだし、ならば今回だって酷いに決まっているのだ。
前回が大丈夫で今回がダメという道理は無い。
…難儀なときに来てしまったのか。
「いや…楽しいとき、か?」
「…ライル?」
「何でもない。ちょっと未来を考えただけだ」
不思議そうに、心配そうにこちらをのぞき込むアニューに大丈夫だと言って、ライルは少しだけのびをした。
楽しみだった。彼らが、一体どのような状況を作り出してくれるのかが。
非常に楽しみだったのである。
敵と判定した者には容赦が無い。それが途美学園。です。
「仕方ないんじゃないかしら。やっぱり、ヴェーダは脅威だと思うわ」
「しかしね…これは少々やり過ぎだろ」
「違いない」
職員室の休憩スペースで。
ライル、アニュー、ニール、ヨハンの四名は昨日来た『教師』たちについて話していた。彼らのことは生徒たちだって人ごとではないだろうが、教師という立場を持つ自分たちにとっても他人事ではない。何せ同じ『教師』である。たまに職員室で顔を合わせることだって有るに違いないのだ。
果たして、何かを訊かれたときに素直に答えることが出来るだろうかと、ライルはやや自分というものに懐疑的だった。彼らの『制裁対象』はヴェーダだけではなく、生徒、教師にまで及んでいるそうなのだ。
喫煙者であることまで言われそうで、ちょっとばかし面倒だと思っているのだけれど。
今朝に慌ただしく入れられた四つの机を眺め、ため息を吐く。
「ったく……お上のやることは本当に何とも言えないねぇ」
「そう言ってやるなよ。やり過ぎとは言ったが、あちらさんだって精神的にだいぶ追い詰められてんじゃないのか?」
「だからといってこれは無いんじゃないのかよ?」
「…あぁ、そういえばライルは知らないのか」
と、ヨハンが何かに思い至ったような表情を浮かべた。
思わず首を傾げると、ニール、続いてアニューもどこか納得の表情を浮かべている。……わけが分からない、のだが。
「どういう事だよ」
「以前も似たようなことがあって、その時はボロボロになって刺客だしは去っていった。面子は丸つぶれだろうからな、そのうち再戦があるだろう事は分かっていた」
「…そういや、この前ニールが何かそういうの言ってたな」
「そうそれ。そう言うことだよ、つまりな」
「あの時はもっと何十人も来て…結局、五日間の間に全員追い出されてしまって」
「あの時だよ、やめてった教師の最高記録樹立したの」
「…そりゃ何とも」
「悪いのは彼らだが」
腕を組み、ヨハンは言う。
「何せ、生徒を尽く無視した教育をしようとしていたからな。普通よりも厳しく、徹底的にと。だが…この学園がこの学園であったことが、最大の盲点だったらしい」
「そうなんです」
アニューも頷き、補足をするように口を開いた。
「自由を奪い過ぎたために、今の生徒会メンバーの多数と、その友人たちに返り打たれて。死人が出るようなギリギリの線で止まったの」
「マジでか…」
それは…危ない。
当然ながら生徒たちがではなく、その教師たちの命が。
よくぞ止まってくれたと、ライルは生徒会の殆どの顔を思い浮かべて思った。死人が出ていたら学園は見事に学園としての機能を壊されきってしまっていたかもしれない。……いや、そうではないのか。
死人が出ても、この学園は変わらないだろう。
そのくらいの勢いを、学園所有者は持っている。
「ったく…そんなこと生徒にさせるくらいヴェーダさんは凄いのかねぇ…」
「あ、アイツらの単独行動だからな、これ」
「それと皆さん、ヴェーダを拘束しすぎたせいであぁなんたんで…同情もちょっと難しくって、実際」
「学園所有者を野放しにしておいた方が、まだ…いや、事態が悪化するだけか?」
「どうしたって起こってたんだな、結局」
そして今、考えるべきはただ一つなのだろう。
現状が、その時とどうやら殆ど同じであるという事実を。
となれば、同じようなことが起こる可能性は非常に高い。ただでさえ朝礼の様子を見る限りでは生徒たちからの、あの教師たちへの感情は悪い物であるようだというのに。前回がどれほどの物であったかは想像するしかないのだが、それにしても。
前回も酷かったようだし、ならば今回だって酷いに決まっているのだ。
前回が大丈夫で今回がダメという道理は無い。
…難儀なときに来てしまったのか。
「いや…楽しいとき、か?」
「…ライル?」
「何でもない。ちょっと未来を考えただけだ」
不思議そうに、心配そうにこちらをのぞき込むアニューに大丈夫だと言って、ライルは少しだけのびをした。
楽しみだった。彼らが、一体どのような状況を作り出してくれるのかが。
非常に楽しみだったのである。
敵と判定した者には容赦が無い。それが途美学園。です。
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